桑田式記憶術 | 真実は人を幸福にするか?

真実は人を幸福にするか?

桑田義雄が、うかんだり、もぐったりするブログ

ワタクシ、職業柄、細かい資格をやたら保持しておりますので、多少、記憶術とやらを習得しているわけであります。

そこで、この記事をたまたまご覧いただいたあなた様が、もし、なんらかの資格を受けたいと思ってらっしゃるならば、ちょっとは役に立つかも知れんと思って、箇条書きですが、書いておきます。



1.もっともわかりやすい参考書を一冊、買って来て、鉛筆(ボールペンでも何でも良い)を片手に、ひらすら読み返す。
この読み返す作業は、試験直前まで続ける。

「読書百遍、意おのずから通ず。」

「門前の小僧、習わぬ経を読む。」

であり、反復する数が多いほど、理解力は増し、そして記憶も定着して行く。
ロウソクからガスランプ。ガスランプから電灯の明かりのように、確かなものになって行く。
最初は、チンプンカンプンで当然である。
反復するうち、理解力がついて来て、読む速度も早くなる。


2.記憶はアウトライン(概要)の把握から始まる。
上記の参考書の反復読みによって、アウトラインも次第に見えて来る。
最初からアウトラインなど、見えるわけがない。
あせってはならない。
我慢して、参考書を繰り返し読んでいるうちに、ある時、急にアウトラインが見え出す。


3.単語、数値、公式などというものを覚えようとする場合、語呂合わせのようなテクニックを最初から用いようとするとキリが無くなる。
語呂合わせは奥の手だ。
まず、理解する事。
理解しているものは覚えやすく、理解していないものは覚えにくい。


4.参考書のまとめノートを作る。
自分流の参考書を作るつもりで。

ノートを作り終わったら、それを自分で読み上げて、録音する。
この音声を常に持ち歩いて、出来るだけ聴くようにする。


5.これまで用いていた参考書は、極めて平易な初心者用のものだったはずだ。
それで構わない。
だが、それだけでは、絶対にこの先、不足が出てくるので、今度は、中級程度の難易度の参考書を購入する。
索引の数が多いというのが、選ぶ一つのポイント。
わからない事があれば、この本を使う事になるからだ。

もし、試験の主催団体の推奨している、公式のテキストがあれば、それを買うようにする。


6.過去問題集を2冊、購入する。
この場合、違う出版社のものにする事。
かつ、信用ある出版社のものにする事。

違う出版社のものにする理由は、まず、本には、誤字脱字つきものだからだ。
また、Aという過去問題集の解説で理解できなくても、Bという過去問題集の解説で理解できるという事が良くある。

その試験が択一問題の場合、「一問一答式過去問題集」というのがもしあったら、それもついでに買っておこう。
択一問題は、繰り返しやっていると、どうしても「平成20年度の問3は、(ウ)が正解肢だったな」のように、覚えてしまう。
一問一答式は、そういう弱点を防げる。


7.過去問題集をいざ解こうとすると、まるで歯が立たない、というのは正常だ。
本試験は、難しく作られている。
対して、参考書は、基本しか載ってないので、当然だ。

だから、無理に頭を悩ませるよりも、わからないなら、すぐに解説を読んでしまう。
そして、必要な箇所にマーカーを引いておくのだ。
こうする事で、過去問題のテキスト化が可能になる。

計算問題は、ちゃんとノートに、自分流にわかりやすくまとめておこう。

過去問題集も、出来るだけ何度も反復して解く事。
反復するうちに、次第に解説を見なくてもわかるようになる。


8.例えば、平成14年度から直近の平成23年度までの過去問題を解く場合、23年度は、試験直前まで手をつけずに残しておく。
直前にやると、一種の模擬試験になる。

そして、平成22年から、さかのぼって解いて行く。
だが、肝心なのは、たとえば、ある日、平成22年度の問題をやったとして、次の日に平成21年度をやり、さらに次の日に、平成20年をやる・・・のではない。

ある日、平成22年度を解いたら、次の日に、平成22年度と、平成21年度をやる。その次の日に、平成22年度と平成21年度と平成20年度をやるのだ。
こうすれば記憶は定着しやすくなる。


9.どうしても覚えられないものは、暗記カードを作る。
このカードは、手のひらサイズの、多少、大きめのやつが良い。
素材は扱いやすけりゃ、何でも良いので、百均で適当に見つける。

このカードには、参考書の参照ページと、語呂合わせを書いておく。


10.語呂合わせは基本的には自分で考える。

語呂合わせ作りにはコツがいる。
例えば、電気にオームの法則という公式がある。

E(電圧)=R(抵抗)×I(電流)

というやつだ。

これを、語呂合わせで「エリ」とやる。
すると、失敗する。
なぜならば、「オームの法則」という言葉と、「エリ」が結びつかないからだ。
そこで、正しく語呂合わせを作るとすれば「オームの名前はエリ」が良い。
あるいは「オームにエリが入信した」でも良い。
すると、問題にオームの法則を用いる場面が出てきたら、反射的に「エリ」が思い浮かぶ。


11.語呂合わせよりも、スマートな記憶術がある。
それは、語呂ではなく、単語、そのままを使って、連想してしまう技術だ。

たとえば、宅建には固定資産税の知識問題が出て来る。
固定資産税の税率は1.4%である。

だから、「こて“イシ”さんぜい」と覚える。

無理に語呂合わせを考えなくても、このように、ストレートに連想できる場合もあるのだ。


12.思い出す事によって、記憶は定着する。
ちょっとした仕事の合間に「固定資産税の税率は?」と自分自身に質問してみる。
こうやって、僅かな空白時間を利用し、思い出そうとする努力が記憶力の固定化につながる。

この「自己問いかけ」の作業は、仕事中でも出来るので、とても有効である。
単純作業者は、ものすごく恵まれた職場環境にいるという事になる。


13.試験前二週間くらい前になったら、模擬試験をやってみる。
この模擬試験には、手をつけずにいた直近の過去問も含まれる。
模擬試験はそんなに多くやる必要はない。

本試験の緊張感を味わうために、予備校主催の模擬試験を受けても良いし、書店で市販されているものでも良い。

模擬試験には、必ずレアな知識が含まれて来る。
模擬試験の自己採点、及びチェックの時、レアなものは覚えようとしなくて良い。
わりと基本問題なのにも関わらず、出来ていないものがあったら、そっちのほうをちゃんと抑えるようにしよう。


14.本番前日用のレジュメを作成する。
それまで覚えられなかった事項を、レジメ数枚にまとめる。
このレジュメには、無理やりで構わないので、語呂合わせを考えて書き込む。
直前なので、理解は無理なので、語呂合わせで丸のみする。

このレジュメも録音し、それを2回でも3回でも聴く事が出来れば、記憶は定着しやすい。
音声は、脳をフル活性させるのだ。
俺はこの音声を、試験直前30分前まで聴くようにしている。


15.試験直前30分前になったら、頭を空っぽにする。
俺の場合は、着席したまま、座禅の状態になる。

靴は脱いで、サンダル履きかスリッパに履き替えたほうが良い。
血行が良くなる。

尚、シャープの芯は2Bが良い。


16.試験開始の合図があったら、頭をグルグル回して、大きく息を吐く。
その後、問題用紙をチェックし、乱丁を確認する。
次に、問題を解き始めるわけだが、ご丁寧に一番から順番に解いて行かぬ事。
わかる問題から解く事。
わからない問題、ド忘れして出て来ない問題は、後回しにする。

十分に一度、天上を見上げ、頭をグルグル回して、血のめぐりを良くさせる。
ゆっくり息を吐いて、再開する。
これをやると、試験監督や周囲の視線が気になるかも知れないが、試験には自分の将来がかかっているのだから、断固無視。

試験中、どうしても煮詰まって、ニッチもサッチも行かなくなる事がある。
その場合は、リラックスできる何かを思い浮かべる。
例えば、ハワイの海辺とか。
すると、脳の緊張がとれて、記憶がよみがえる場合がある。


17.どうしてもわからない問題は、霊感を使え。
「神様、お願いします。正解を教えて下さい。」と祈る。
そこで、浮かんできた所にマークだ。

ただし、土壇場の神頼みは効かないからな。
試験前に、神社にお参りに行っておきたまえ。


18.試験終了二分前になったら、絶対に解答の手直しをしてはならない。
このラスト二分は魔の二分。
ここでマークし直すと、八割の確率で、かえって間違える。



以上。

俺は今まで、だいたい、こんな感じでやって来た。
これから試験を受けようという人は、ぜひ、やってみて欲しい。

取り立てて、試験を受ける予定が無いという人は、ファイナンシャルプランナー3級あたりを受けてみると、汎用性があるので、これからどんな資格を受ける事になっても、基礎になると思う。

上のやり方でやると、だいたい、三ヶ月もあれば合格できてしまうはずだ。


ちなみに、参考書は、どんな資格を受けるにせよ、TAC出版か、新星出版が抜群にわかりやすい。
勉強開始初日から、反復して読み返す参考書としては、このいずれかの出版社のものをオススメしたい。


TAC出版
http://bookstore.tac-school.co.jp/

新星出版
http://www.shin-sei.co.jp/np/index.html


自分は文系出身だから理系資格は苦手。
自分は理系出身だから文系資格は嫌い、なんて事を言わぬ事。
人間の左脳は理系で、右脳は文系である。
両方無いと、人は生きて行けぬ。
脳の訓練だと思って、嫌わずに勉強せねばならぬ。


最後に、出題者の意図を知った上で、勉強する事。

資格試験というのは、その人が、ちゃんと問題なく、仕事できるだけの知識があるのかを試すのである。

「そんなあやふやな知識じゃ、仕事になりませんな」と言われるレベルでは落とされる。

常に、そういう事をイメージして勉強すると、自分が「どの辺」にいるのかがわかるはずだ。


かって俺の高校時代の恩師が「生涯教育の重要性を、みなさんは将来、知る事になるだろう」という事を語っていた。

はい。

まさしく、俺はその生涯教育に苦しめられております。
勉強が終わりません。

40代になっても・・・