ルーベンス展に行きました。 | 映画熱

ルーベンス展に行きました。

本当は先週に行こうと思ったのですが、新潟県立近代美術館は長岡市にあるので、
長岡祭りの花火大会とカブるので、渋滞を避けて、今週にしました。

そうしたら、今日は最終日だったんですね~

駐車場は満車で、メチャ混みで、やっぱり大混乱でした(笑)

知らなかった、ルーベンスってそんなに人気あるんだ…


ご承知の通り、俺は、彼の絵を「フランダースの犬」で知りました。

それを、最終日にやっと見られるなんて、劇的ですね~

僕は、やっと見たんだよ、パトラッシュ。



ペーテル・パウル・ルーベンスは、1577年にドイツで生まれました。
1600年からイタリアに移り住み、宮廷画家となります。

彼は、絵の才能はもちろん、絵を描く環境にも恵まれ、多くの作品を残しました。
工房を築き、弟子を育て、友達や仲間に囲まれて、意欲的に活動したのです。

彼は、アーティストとして幸せな生涯を過ごした、稀有な人だったように思います。

持病が通風だったことが、ちょっと親しみを感じますが(笑)


当然ながら、「フランダースの犬」に出てくる作品は、
アントワープの教会に行かないと見られませんので、今回は無理です。

でも、彼の持つ絶大な力を、充分に堪能できる催しだと思います。

共同作品の中に、キラリと光るものがあるのは、何とも喜ばしいことです。


多くの画家は、生きているうちは酒飲みで貧乏でフニャフニャで、
死んでから評価される人が多いから、きっと「選ばれた人」だったんですね。

彼のもとで絵を学ぶことができた人たちも、幸せだったことでしょう。


絵というのは、性格とか、情念とか、その人の内面が出てくるもの。

ルノワールなんていう人は、きっと無邪気で明るい性格だったんじゃないかって思う。
彼の絵を見ていると、依頼者に喜んでもらいたいという気持ちが見えるから。

ゴヤなんていう人は、人の心の裏側を抉るような一面があるから、
お客を怒らせることもしばしばあったとか…


今回の展示会を見る限りでは、ルーベンスはとても誠実な人であり、
純粋で素直な感性を、正直に表現しているように感じました。

キリスト教など、宗教画というのは、どうしても形式的になりやすい。
その結果、厳粛ムードで、お堅い絵柄になりやすい…

しかし、彼の表現力は、素晴らしい。

荘厳でありながらも、生き生きした命の躍動が感じられるのです。

まるで、そこで息をしているような、体温すら伝わってくるイメージ。


俺は、聖書を少しかじったことはありますが、クリスチャンではありません。

だけど、聖書の世界っていいなあ、と感じられる絵柄なんです。

あたたかみのある作品って、理屈じゃなくて、感情で伝わって来る。

この感覚、なかなか好きな世界です。



慈愛に満ちた表情と、絶妙な色使い。

俺のような、くすんだ心にも、光は差してきます。


ガラスというのは、冷たい風は通さないけど、暖かい光は通す。

ステンドグラスの光、ろうそくの炎、暖炉の明かり…

光によって、見える物の色は変わるんですよね。



体は疲れていたけど、見に行けてよかったです。

パトラッシュ、僕は疲れているけど、がんばったよ。