U-NOTE 263 「生かす言葉、殺す言葉」 | 映画熱

U-NOTE 263 「生かす言葉、殺す言葉」

言葉は、本来美しいものだと思います。


同時に、言葉には、怖い面もあります。



たった一言が、人を追い詰めてしまい、


たった一言が、人を救う…


まさかと思うかもしれませんが、俺は、そういう場面をたくさん見てきました。



だから、敏感な人ほど、言葉には慎重になります。


言葉は、剣と同じ。


人を傷つけることもできるし、人を生かすこともできる。


医者のメス、料理人の包丁、旋盤工のバイトと同じなんです。



言われると、嬉しい言葉がある。


言われると、悲しい言葉がある。


耐えられる言葉があり、耐えられない言葉がある。


言っていい言葉と、言ってはいけない言葉がある。


それがわかる人と、わからない人がいる…



どうしてなんでしょうね。


同じ人間なのに、どうして…



人を傷つけることが、耐えられない人がいる。


彼らは、臆病だと言われる…


人を傷つけて、平気な人がいる。


彼らは、勇敢な人…?



人は、人を傷つけずに、生きていけない。


いちいちためらっていたら、つぶされてしまう。



わかっているんだけど、何か、釈然としないんです。



いい言葉は、人の心を生かす。


悪い言葉は、人の心を殺す。


それがわかる人と、わからない人がいる。



えっ 具体的に、どんな言葉かって?


そんなこと、軽率に言えませんって。



だって、同じ言葉でも、ある人は元気が出て、ある人は傷つくのだから。


わかる人には、わかるんです。


全然わからない、という人は、想像力が足りません。



人の痛みを、自分の痛みとして感じることができる人なら、


残酷な言葉は、そう簡単に言えないはずですから…



「言葉の暴力」という言葉があります。


わかる人にはわかるし、わからない人にはわからない。



だから、言葉を使うのが、時々怖くなる時があるんです。


だけど、言葉を発せずにはいられない。


それが、俺という男。



どんな時でも、気持ちを言葉にして、誰かに伝えていく。


言わなければ、どんどん忘れていくのかもしれない。


だから、今、あえて言うのです。


心で感じたことを、自分の言葉で表現していくのです。



俺の言葉は、人を生かしているだろうか。


それとも、多くの人を傷つけているのだろうか。



それは、誰にもわからない。


わからなくても、剣を振るう。


見えない敵に向かって、刃を突く。



男一匹、サムライ桑畑。



まだまだ、やれることがありそうだぜ。