映画熱2周年特別企画 歴代映画ランキング その8 ~アニメーション映画編(後編)~ | 映画熱

映画熱2周年特別企画 歴代映画ランキング その8 ~アニメーション映画編(後編)~

前編に引き続いて、後編の25本をご紹介します。 …しかし、アニメっていっぱいあるなあ。というか、俺のコメントが長すぎですね。はっはっは。さて、みなさんのお気に入りはあるかな。



26.ブラック・ジャック 劇場版 (1996年手塚プロダクション・松竹)

監督:出崎統、原作:手塚治虫、作画監督:杉野昭夫、声の出演:大塚明夫。手塚作品において、何が最高傑作かと聞かれれば、迷うことなく 「ブラック・ジャック」 と言います。ボクサーのバイブルが 「あしたのジョー」 なら、B.Jこそは、医療を目指す人間のバイブルと言えるでしょう。その傑作が、ついに劇場アニメになった!素直にうれしかったッス。実写では加山雄三、宍戸錠、隆大介といったキモチワルイ怪作がいっぱいありますが、やっとまともな作品が登場した。しかも、出崎・杉野コンビで。最高の医療ドラマは、最高のスタッフでやるのが筋というもの。素晴らしい出来栄えでした。OVA版の1作目もオススメです。


27.MEMORIES (1995年バンダイ・松竹)

製作総指揮:大友克洋、監督:大友克洋・今敏・森本晃司、声の出演:磯部勉。世界のオートモが、若手に胸を貸した、3話構成のオムニバス映画。1話目はサスペンス、2話目はギャグ、3話目が巨匠の技というスタイル。ジャパニメーションの底力を、想いっきり堪能して下さい。軽いようで、お腹いっぱいになります。


28.BLOOD THE LAST VAMPIRE (2000年SME・ビジュアルワークス)

監督:北久保弘之、脚本:神山健治、声の出演:工藤夕貴。48分しかない短編だったので、当時は入場料が1000円でした。しかし、クオリティはなかなかなもの。英語のセリフが雰囲気タップリで、工藤夕貴の声優ぶりがいいか悪いか考えているヒマがありませんでした。静と動、明と暗のメリハリが絶妙な、エネルギッシュな1本。お部屋を暗くしてご覧下さい。赤ワインでも用意して…。


29.魔女の宅急便 (1989年徳間書店・ヤマト運輸・日本テレビ)

監督・脚本:宮崎駿、原作:角野栄子、声の出演:高山みなみ。スタジオジブリが、初めて儲かった作品。映画の完成度もかなり高いので、安心して見られます。公開時、俺は小田原にいました。ヤーさん風の上司と、仕事を抜け出して見に行った思い出があります。しかもスーツ姿で。窓口で “大人2枚” っていったら、おねーちゃんが目を白黒させてたっけなあ。魔女が普通に暮らせる街って、何だかステキですよね。13歳の魔女キキは、魔法が使えなくなって危機に陥ります。それでも根性でがんばるキキ。手に汗かくクライマックスシーンは必見。飛び方がリアルで面白い。がんばれ、もう少しで…ああ、キキ一発!


30.火垂るの墓&となりのトトロ (1988年新潮社・徳間書店)

前者は、監督・脚本:高畑勲、原作:野坂昭如、声の出演:辰巳務。後者は、監督・原作・脚本:宮崎駿、声の出演:日高のり子。いずれも、両監督の代表作。俺的には、2本で1セットだと思っています。どちらも、日本人の情感に訴える演出が際立つ作品。見る順番は、表記の通りがベスト。「火垂る」 があるからこそ 「トトロ」 の感動がある。どちらも、健気な兄弟姉妹の物語。ただ、その願いが聞き入れてもらえるかどうか、ということの違いだけです。俺にとっては、どちらの2人も愛すべき存在。現実にはできないけど、ファンタジーの世界なら無限の可能性がある。それは、楽しく、そして切ない世界。「トトロ」 だけが脚光を浴びているようですが、そもそもトトロの原型である 「パンダコパンダ」 の演出が高畑監督であったことを、どうか忘れないで下さい。「トトロ」 で育った少年少女は、思春期になったら、両者の関係をもう一度考えてみて欲しい。この作品が作られた、本当の意味を。そうしたら、あなたにも見えるかもしれない。トトロにつかまって楽しそうに飛び回る、サツキとメイと、清太と節子の顔が…。


31.雲のむこう、約束の場所 (2005年コミックス・ウェーブ)

監督・原作・脚本・絵コンテ・演出・色彩設計・撮影・編集・音響:新海誠、声の出演:萩原聖人。ほとんどの作業をたった1人でこなした孤高の天才アニメーター、新海監督の第2弾作品。すごい人もいたもんです。まさに、日本のフレデリック・バックですね。しかも、作品のグレードが高いときたもんだ。光の使い方が美しく、映像としても素晴らしい。そして、ほろ苦い青春のせつなさ。思春期の頃に置き忘れた、あの感情を、この映画で思い出して下さい。秋にオススメの1本。ちなみに前作 「ほしのこえ」 では、監督自身が声優もやっていました。


32.タイガーマスク ふく面ワールドリーグ戦 (1970年東映)

演出:設楽博、原作:辻なおき、声の出演は、故・富山敬。虎だ!虎だ!お前は虎になるのだ!たあーっ!ルール無用の悪党に、正義のパンチをぶちかませ!行け行けタイガー!悪い奴らをぶっ飛ばせ!ああ、ついにタイガーのピンチ!このままじゃやられる。しかし、嫌われ者タイガーにも、たった1人味方がいた。謎のマスクマン。その名は、グレート・ゼブラ!あんたジャイアント馬場だろ。体型で思いっきりバレてるって!


33.マジンガーZ対デビルマン (1973年東映)

原作:永井豪とダイナミック・プロ、脚本:高久進、声の出演:石丸博也。あまりのすごいタイトルに、一時騒然となった怪作。2大ヒーローが、力を合わせて両方の敵をやっつけるだけのシロモノでした。ちぇっ、ケンカしねえのかよ、つまんねえなあ…と思いながらも、ちょっと安心したりして。劇場スクリーンを最大限に生かした、ものすごい動画で、縦横無尽に動きまくります。豪ちゃんワールド、バンザイ!


34.空飛ぶゆうれい船 (1969年東映)

原作:石森章太郎、脚本:辻真先・池田宏、声の出演:野沢雅子。一説には 「宇宙戦艦ヤマト」 の原型とも言われる、東映アニメーション映画の傑作。当時2歳だった俺は、19歳の時就職で上京した時に、銀座の電気屋のお客様サービスコーナーで、東映ビデオソフトを無料で見せてもらって知りました(当時予約制)。いやあ、面白いのなんの。ゴーレムって、魅力的なデザインのロボットですねえ。オタクは必見の1本。


35.アメリカ物語 (1984年アメリカ)

製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、監督・脚本:ドン・ブルース、音楽:ジェームズ・ホーナー、声の出演:フィリップ・グレイザー。当時新宿の映画館じゃないと字幕スーパーがやってなくて、遠くまで出かけた記憶があります。ネズミが主人公のアニメですが、料理は作りません。はなればなれになった親子ネズミが、困難を乗り越えて…うんぬんの映画。この作品の最大の魅力は、主題歌 「サム・ホエア・アウト・ゼア」 が名曲であること。サントラCDをレンタルで借りてテープに録音して、車で聞きまくったっけなあ。誰も知らないので、今だに誰ともデュエットしたことがありません。さみしいなあ、ファイベル。


36.妖獣都市 (1987年ジョイパックフィルム)

監督・作画監督:川尻義昭、原作:菊地秀行、声の出演:屋良友作。ハードボイルド・ホラー・アニメーションの傑作。川尻監督の名前は、この作品で覚えました。血しぶきあり、エロもありの、大人のアニメ。人間界と魔界とのモメ事を取り締まる、通称 “闇ガード” の活躍を描く物語。蜘蛛女も登場。実写だったらレナ・オリンにやらせたいところ。藤田淑子演じる女戦士が、妖艶で美しかった。主人公が持っている変てこな銃は、威力があるのかないのか最後までわからんかった。でも 「魔界都市 新宿」 の木刀男よりも、俺はこっちの方が好きです。昼はサラリーマン、夜は闇ガード。寝る時間がありませんねえ。昼は学校とバイト、夜は峠でバトルの 「頭文字D」 とおんなじですな。


37.風の谷のナウシカ (1984年徳間書店)

監督・原作・脚本:宮崎駿、プロデューサー:高畑勲、作画監督:小松原一男、音楽:久石譲、声の出演:島本須美。寒い季節に、映画館の前で長時間並んだ記憶があります。となりでやってた 「トワイライト・ゾーン」 を見に来たお姉さん達が、ナウシカの列を見てバカにした態度をとった瞬間、並んでいた数百人のアニメファンの強烈な視線が注がれたことは言うまでもありません。あの殺気はすごかったなあ。ようやく中に入ることができて、併映の 「名探偵ホームズ」 で思いっきり爆笑した時は、ホントに気持ちよかった。で、本編ですが、ウニョウニョの蟲たちと、美少女のコントラストが絶妙でした。メーヴェの飛行シーンは必見。主人公のナウシカは、原作ではもっと荒々しい女です。だまされるな、気をつけろ!ちなみに、キャンペーンのナウシカガールに選ばれた女性は、あの安田成美でした。イメージソングを歌っていたのも彼女です。みんな覚えているかな?


38.カムイの剣 (1985年角川・東映)

監督:りんたろう、原作:矢野徹、声の出演:真田広之。地味なキャラだったのでちょっと華がありませんが、動きの素晴らしさに驚愕した記憶があります。暗闇に光る剣がカッコいい。女忍者お雪の秘技・忍法乱れ花のシーンは、目がチカチカして痛くなったけどスゴかった。マッドハウスの作画のクオリティと、宇崎竜童の音楽が融合して、何とも妖艶な世界を構築していました。渡辺典子が歌う挿入歌 「カムイの子守唄」 は名曲。


39.銀河英雄伝説 我が行くは星の大海 (1988年徳間ジャパン・東宝)

監督:石黒昇、原作:田中芳樹、声の出演:堀川亮、富山敬。通称 “銀英伝” 記念すべき劇場版第1作。長いシリーズなので、入門編として最適だと思います。ラヴェルの 「ボレロ」 をバックに展開する、戦いのプロの駆け引きが面白かった。戦争アニメは数あれど、これほどの気品を持った作品は少ない。男の誇りとプライドを懸けて、全力で戦う姿は美しい。プロの声優が大挙出演しているのも、ファンにはうれしいところ。「ヤマト」 世代のオジサンたちにもオススメ。素晴らしい世界を、手にお入れ下さい。…銀河の歴史が、また1ページ。


40.SF新世紀レンズマン (1984年東宝)

監督・絵コンテ:川尻義昭、原作:E・E・スミス、声の出演:古川登志夫。これまたCG創世記のグラフィック映像がいっぱい。今となってはチープかもしれませんが、当時はこのレベルでも充分驚嘆に値したもんです。力が入っているようで入っていないような、軽いノリが心地よかった。井上鑑の音楽もカッコいい。主題歌はアルフィー。劇場公開後、TVシリーズも開始しました。


41.クラッシャージョウ (1983年日本サンライズ・松竹)

監督:安彦良和、原作:高千穂遥、声の出演:竹村拓、佐々木るん。高校受験が終わって、開放的な気分で見に行った映画だったので、とても楽しかった記憶があります。たしか劇場は、当時開館したばかりのカミーノ古町7F新潟シネマだったと思う。キャラクターデザインの安彦良和が自ら監督しただけあって、作画のクオリティは高かった。動画枚数もけっこう多いので、動き的にも充分楽しめます。俺的には、タロスがお気に入り。ギミックの銃がイカしてました。名セリフも多い。『…すげえ、俺よりひでえ顔だ。』 『…言ったなこの、ネションベンチビ!』


42.超時空要塞マクロス 愛おぼえていますか (1984年東宝)

監督:石黒昇、作画監督:美樹本晴彦・板野一郎・平野敏弘、声の出演:長谷有洋、飯島真理。当時のアニメ界の最高スタッフが渾身の力で完成させた映画。このTVアニメほど、その話ごとに作画レベルの差が歴然としていた番組もなかった。おかげでアニメファンは、絵がうまいアニメーターの名前を覚えたもんです。その絵ヂカラが、遺憾なく発揮された、アニメーターの意地が爆発した作品でもある。スダジオぬえの最高の技術を、存分に堪能して下さい。その分、ストーリーがスカスカになってしまった感はあるけど…、まあいいじゃん、ファンはとにかく、キレイな絵が見たかったんだ!タコハイや、バドワーザーミサイルが飛んでいたこと、おぼえていますか?


43.エリア88 (1985年キングレコードOVA)

監督:鳥海永行、原作:新谷かおる、声の出演:塩沢兼人。何故か家にパンフレットがあるので、劇場公開されたんでしょう。というわけでランクイン。原作者の新谷かおるは、松本零士の弟子にあたります。立派に飛行機を飛ばすようになって師匠も喜んでいることでしょう。ちなみに最近出たアニメの方は、CG色が強くてあまり好みじゃない。やっぱり手描きの絵の方が、動きに臨場感があって親しみやすい。これって、世代の違いですね。主人公の故・塩沢さんは 「イクサー1」 の上映会で1回だけ見たことがあります。「イデオン」 のナレーターとしても有名な独特の暗い声が、主役に合っていたように思う。ヒロインを演じた玉川さんは、タチコマのお姉さんですね。出撃シーンで流れる主題歌 「Good-bye,Lonely Blue」 は名曲。MIO姉さんが熱唱!


44.メガ・ゾーン23 (1984年ビクターOVA)

監督:石黒昇、作画監督:平野俊弘・板野一郎・美樹本晴彦、アクション監督:板野一郎、声の出演:久保田雅人、川村万梨阿。OVAついでに、これも入れときましょう。企画当初は 「オメガゾーン23」 だったけど、「オ」 が取れてこのようになりました。要は、東京23区の意味。見てわかる通り、「マクロス」 のスタッフそのまんま。しかしながら、斬新なストーリー展開が面白かった。アラはあるけど、イキのいい作品。板野監督は、実際にバイクにビデオカメラを積んで、東京の道路を疾走したそうな。その映像をもとに製作されたシーンは、すごい臨場感でした。猪木のダアーって、今でも通用するギャグなんですねえ。歌あり、ダンスあり、ロボット変形アクションあり、ちょっぴりエロもありの、盛りだくさんの内容。タケウチユカの歌うエンディングテーマ 「淋しくて眠れない」 は、これまた名曲。ちなみに2作目のキャラは、梅津康臣が担当。こっちは、横浜の上映会でちゃんと見ました。


45.バース (1984年ビクターOVA)

監督:貞光紳也、原作:カナメ企画、アニメーションディレクター・キャラクターデザイン:金田伊功、声の出演:富永みーな、矢尾一樹。数あるアニメーターの中でも、マニアックな人気を誇る金田伊功の名前を忘れちゃいけねえ。OVA創世記の作品だけに、内容はスカスカ。でもアクションは超一流!アニメーションは、動いてナンボの世界。ストーリーを追うヒマがあったら、絵をしっかり見ろ。野菜の名前を叫ぶ変なロボットが爆笑。「パトレイバー」 で後藤隊長を演じた大林隆介が、方言ライダーを怪演しています。…おしりっ子、追いかけるべ!


46.デビルマン 誕生編&妖鳥死麗濡編 (1987年&1990年バンダイOVA)

監督:飯田つとむ、作画監督:小松原一男、声の出演:速水奨、水島裕。’70年代のTV放映時は、アニメとマンガが同時進行していたので、両者は、全く違う物語。アニメのデビルマンはパンツを履いているので、何だか見ていて恥かしかった。原作の方はハダカなのに、こっちが自然だと思ったものです。尻尾があるのもクール。その原作ストーリーが、ついにアニメ化。絵柄はややかわいいものの、内容はすこぶるよろしい。シレーヌ編では、榊原良子が登場。彼女の声は、ハマリ役だと思います。いいねえ、最高のヒロイン。…え、ヒロインは美樹ちゃんだろうって?いやいや、本当のヒロインは、飛鳥了でしょうが!阿部定はチンコを切り取ったけど、飛鳥サタンは、下半身ごと切り取ったぞ。これぞ、世界最強ヒロイン!(…ああ、もう何の話だか)


47.ファンタスティック・プラネット (1973年チェコ・フランス)

監督・脚本:ルネ・ラルー、原作:ステファン・ウル。こんな作品を知っている人は、相当なマニアでしょう。この映画は、かなりキモチワルイ。しかし、日本の作品にはない斬新さがある。よくも悪くも、印象に残るアニメでした。と言うか、トラウマに近いものがある。内容は、巨大な生物に支配された人間が、反乱を起こす物語。幻想的で独創的なデザインが強烈で、夢に出てきそう。絵はともかく、動かす技術はちょっとなあ。ちなみに、カンヌ映画祭特別賞を受賞しています。名作とされていますが、俺にとっては珍作。


48.時をかける少女 (2006年角川)

監督:細田守、原作:筒井康隆、声の出演:仲里依紗。昨年公開されたばかりですが、あまりに出来がよかったのでランクイン。あの瞬間を、巻き戻すことができたら…という願望は、誰もが持っているもんです。タイムリープという超能力を持つ女子高生が主人公の物語。男っ気のない女の子が、初めて好きになった彼の正体は?声がとってもキレイな奥華子が歌う主題歌 「ガーネット」 が、ほろ苦い青春のひとコマを、さわやかに昇華させているのも魅力のひとつ。だまされたと思って、見てみて下さい。好きな人と一緒に。


49.ドラえもん のび太の恐竜 (1980年東宝)

監督:福富博、原作:藤子不二雄、声の出演:大山のぶ代、小原乃梨子。ドラえもん劇場版第1作。最近公開された新作は、ピー助の声がヒドかったので後遺症に悩まされた人も多いことでしょう。俺的には、やっぱりこっちの方が何倍もいい。もともと原作にあったストーリーを、映画用にふくらませた作品。公開当時、コロコロコミックに続編が掲載された時は、かなり興奮したっけなあ。公開当時、俺は13歳。もういいかげんドラえもんも卒業なのかな、と思う年齢の時に、劇場で見て感動した記憶があります。ありがとう、ドラえもん。僕、立派な大人になるよ…って思ったのもつかの間。今では、大人が堂々と見てるじゃん!長生きだなあ、ドラえもん。作者の方が先に死んじゃったもんね。「笑ウせえるすまん」 の方は健在だけど。やっぱりワルは生き残るんだなあ…フォーッフォッフォ!


50.白雪姫 (1938年アメリカ)

製作:ウォルト・ディズニー、監督:デヴィッド・D・ハンド、原作:グリム兄弟。最後を飾るのは、不朽の名作。製作された年代をよくご覧下さい。まだ第二次世界大戦が終わってません。こんな時代にすでにこれだけの作品を作ったアメリカは、やっぱりスゴい。手塚治虫が一生追い続けた世界最高峰の魅力が、この映画にあります。動かし方、効果音、特殊効果、そして作品の完成度。どれをとっても一流のアニメーション。今どきの人は知らないかもしれませんが、この作品を見ずしてアニメを語るなかれ。この映画に込められた人々の純粋な心こそが、人を感動させるんです。アニメとは、絵に生命を吹き込んで動かす技術。真心で動かした絵が、人の心をも動かすというもんでしょう。作り手と観客の心がひとつになった時、お姫様は目を覚まします。そう、死んでいた心が命を吹き返すように。人々の心に、光が差すように…。



以上で、アニメ部門はめでたく終了。次点として、中国の 「鹿鈴」、ソ連の 「話の話」なども候補でしたが、資料不足もあって割愛させていただきました。さがせば、いくらでもありそうですね。


さて、このランキングも、あと2回で終了になる予定。いよいよ大詰めです。次回は、人間ドラマ部門。期待しないでお待ち下さい。