逆境ナイン    | 映画熱

逆境ナイン   

これはいい! 久々に胸のすくような快作です。


原作はコテコテの熱血野球ギャグマンガ。予告編の出来がよかったので、期待して見に行きました。そしたらまあ、見事に映像化に成功しています。魔球は出るし、キメ台詞も立体化するし、まさにマンガみたいな映画です。そして、ノリがいい。元気が出ます。


主役の不屈闘志は、「百獣戦隊ガオレンジャー」のガオシルバーだった玉山鉄二(通称タマテツ)。あの主人公を体当たりで力一杯演じています。最近のイケメン俳優の中では、ダントツに根性がある! こんなに顔をくずして演技できるなんて、俺的にポイントUPです。このテンションがあれば、このあとどんなキャラでもこなせそう。今後が楽しみですね。


ヒロインのマネージャーは、ホラーアイドル堀北真希。相変わらず大根ぶりは健在です。校長は、仮面ライダー1号藤岡弘。この人が言う台詞は、妙に説得力があって、面白いです。出番はそう多くないけど、存在感たっぷりに作品を盛り上げます。そして野球部監督はココリコ田中直樹。こんなにハマるとは思いませんでした。自ら原作ファンだそうで、力も入りまくっています。そうそう、「仮面ライダー響鬼」に出ている“少年”(明日夢くん)も、野球部員の一人で出演してました。


人は、生きていく上で、必ず困難にぶち当たります。その時、「もうだめだ」と思って沈んでしまうのか、「逆境」と思って乗り越えられるかで、結果が左右されるというのは、わかる気がするんです。特に男の子は、だめだと思っても行かねばならない時がある。負けるとわかっていても、戦わなければならない時があるんです。そんな時、ちょっぴり夢を見たいじゃないですか。


1%の望みに全てを賭ける…。クーッ、いいなあ、そういう世界。ロマンですねえ。どんなにバカにされても、自分の信じる道を突き進む。素晴らしい。俺もこの世界の住人になりてえ。体力ないからダメだろうけど。いやいや、男はいざという時はやるんです。逆境と思えれば思えるほどに燃えるんです。そんな男たちに奇跡は起きるのか……。後は本編をご覧下さい。


まあ、トム・クルーズの「宇宙戦争」の後だけに、この映画は燃えました。やっぱり俺って、こういうの、好きなんですよね。トム・クルーズの「宇宙戦争」よりも「インディペンデンス・デイ」の方が好きだし、「ディープ・インパクト」よりも「妖星ゴラス」の方が好きなんですよ。


「逆境ナイン」。いいじゃないですか。こういう映画がドンドン作られるようになってくれれば、邦画ももっと盛り上がっていくでしょう。今年は、やっぱり邦画が元気いい。洋画を見るか邦画を見るかで悩んだら、邦画を見る方が確率いいかも。


男子たるもの、「逆境ナイン」の世界を、一度は覗いてみて下さい。損はないです。