前回続きです。
前回 旦那のBちゃんとの出会いについて書きました。
Bちゃんは私の友達、ジェームスの友達だったってことなんですが、
ここでちょっとジェームスと私の関係について。。
ジェームスは、同じコンドミニアムの1階下に住んでいました。
出会いは、エレベーターの中。
私は自転車とともにエレベーターに乗ってました。
「いい自転車だね」
「あ、ありがとう」
「君は日本人? ここに住んでるの? どこに出かけるの?」
みたいな感じで、ちょっとした世間話をした。
「これから空手のレッスンに行くんだよ。」
「えええ。君は空手をやるのか。じゃあ楽しんできてね」
という感じで別れた。
そして数日後またばったり。
「あれ? またあったね。今日も空手?」
「いや、今日はプール」
またまた数日後ばったり。
「よく会うね。今日はどこに?」
「今日は友達とランチ」
それはエレベーターの中だったり、コンドミニアムの入り口だったり、とさまざまだったが、
何の因果かばったり会うのだ。
そうこうするうちに、「これも何かの縁だから一緒にご飯でも」となり、
ご飯友になった。
ジェームス、黒人。51歳。
ええええっっ??? おじさんじゃん。
と思わない下さい。
私も40代なので 、 まあ私からみたらとんでもなく「おじさん」ではなく、
そこらのちゃらちゃらした若者よりもずっと話が合う。
ジェームスは、若いころヨーロッパに留学していたこともあり、
知性派。
バツイチで、元奥さんはフランス人。
日本にも数年住んでいたことがある。
頭の回転がよく、話が尽きることはなかった。
さらに料理の腕もプロ級で、いつもおいしい料理を作ってくれた。
いい人と知り合ってよかった。。
しかし。。。
彼は濃い
特濃ソースといってもよい。
テンションが異常に高いのだった。
そして、早口(さらに声もでかい)で、延々とうんちくを語る。
私たちの会話はディベート状態になることもしばしばだった。
といっても、私には政治・経済についてディベートするだけの英語力はない。
だから私たちのディベートの内容は非常にくだらないのだった。
たとえば、日本語の勉強方法について。。
彼は日本に何年もいたので、簡単な日本語をほんの少し知っている。
だが、「そんな日本語誰も使わないでしょう」というような、馬鹿丁寧な日本語の上、
使い方が微妙におかしい。
たとえば、 「これは大変素晴らしいでしょうか」 (it's wonderful, isn't it? と言いたいらしい)
など。
面倒なので、たいていは聞き流すのだが、「あっている? 僕の日本語どう? おかしいところがあったら直してくれる?」などというので、
「ううんん。 ちょっと不自然かも。 言いたいことはわからなくもないけど。。」
などと言った日には大変なのだ。
どこがどうおかしいのか。どうしておかしいと思うのか。 を徹底的に追及される。
面倒くさくなってきて、だんだん生返事になる私。
「んんん。よくわかんない。うまく説明できない。」
などとあいまいに終わらせようとした日には、「僕の何がおかしいって言うんだ。納得いくまで説明してもらおうじゃないか」となってしまう。
非常に面倒くさい。。。
むきになる。
自己主張が強い。
自分が納得いくまで、離してくれない。
テンションあがってくると、一人で話続け、人に口をはさむ隙を与えない。
「もうそんなことはどうでもいいよ。疲れたよ。」
と軽くキレる私。
そこで険悪になってしまうのだ。
そんなこんなで年中喧嘩していた私たち。
(恋人でもないのに、喧嘩になるのも不思議だが)
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ある日、私たちの仲を裂く、決定的な事件がおきた。
というほどの深刻なものではありません、けして。
くだらなすぎて、話すのもばかばかしいくらいだ。
それは、2010年の4月のある日。
「私、ダイニングセットをウォルマートで買いたいのね。
でも車がないから、どうやって運ぼうかと思うんだよね。
コンパクトな組み立て式だし、ボックスに入っているから、
車にさえ積めれば、後はどうにかなる気はする。」
とジェームスに言うと、
「じゃあ、タクシーを呼んで、タクシーの運転手に手伝ってもらって、
タクシーに箱を積めよ。
下についたら、俺に電話してくれたら、箱を部屋まで運ぶのは
俺が手伝ってやるよ。」
というので、
「そうだね。ありがと。じゃあ明日にでも行ってくるよ。
下についたら電話するよ」
「何時ごろになる?」
「んんん。学校があるから、2時ごろかな。」
「わかった。二時ね。じゃあ待ってるよ」
こんな会話をしたのだが、
この夜、別の友だちから電話があり、
話の流れから、家具を車で運んでくれることになったのだった。
実はジェームスとの約束、ころっと忘れた私。
その友達はトラックでウォルマートに来てくれて、
ダイニングセットを車に積むと、
仕事に戻っていった。
(仕事の途中で来てくれたのだった。)
「今忙しくて、君の家までこれを運ぶ暇がないから、しばらく車に積んでおくよ。
後で暇ができたら、家に届けてあげる」
と言って、彼は去った。
「あああ。よかった。楽チン楽チン。持つべきものは車のある友達だね。」
と気をよくした私は、
トッティ・フルーティでフローズンヨーグルトでも食べることにした。
一人でヨーグルトを食べていると、電話が鳴った。
ジェームスだった。
「ハロー、ジェームス。 元気?」 とのん気に返事する私。
「さっきから待っているのに何で連絡しないんだ」 とかなり怒っている様子のジェームス。
ん??
あ。。。忘れてた。。。
そうなんです。すっかりきれいさっぱり、彼のことは忘れてました。
時計を見ると2時2分
えっ。。二分しか過ぎてないじゃん。。
さらに「下についたら電話する。二時ごろ」と言っただけで、
二時ぴったりに待ち合わせした覚えはない。
でも約束を忘れていたのは、悪かった。
と素直に反省した私。
「ごめんね。忘れてた」
「忘れてただと??? どういうことだ? 」
「どういうことといわれても、うっかり忘れたんだよ。ごめんね」
「いや、これはうっかりで済む問題じゃない!!
もし気が変わって、ダイニングテーブルを買わないことにしたにしても、
または急用ができて、別の日にすることにしたにしても、
さらには誰かほかの人に頼むことになったとしても(本当の理由はこれです。ごめんなさい。)
俺に事情を説明するのが筋だろう。
それをただ一言忘れたからごめんなさい だと??
どういうことか説明してもらおうか」
「そういわれても、忘れたって言ってるじゃん。」
「僕たちの友情をリスペクトして欲しいものだねっ」
ガチャッ。
電話口で怒鳴り、思い切り電話を切ったジェームス。
こんなことで激怒しているよ。。。まったく。。
まあいいや。
とヨーグルトを食べ続ける私。
と、そこに彼からsmsが届く。
そこには are you sorry? (君は済まないと思っているか?)
しつこいっ !!
無視
さらに30分後。
「僕たちの友情をリスペクトしてください」
しつこい。
無視。
そして数時間後。
夕方になって、「パスタを作ったから食べにきなよ」と彼からまたもやメッセが入った。
パスタを食べながら、今日の反省会をするのは
どう考えても楽しい企画とは思えなかったので
「ありがとう。でも今日はちょっと風邪気味なので家でゆっくりするね。」
とメッセを返した。
これは私なりに気を使ったつもりだった。
あんなこと(って私の中ではどうでもいいことだが、彼にとっては一大事)があったすぐ後で
一緒に食事しても、険悪になるのは目に見えている。
それなら、日にちをおいて、乗り越えたころ(乗り越えるほどのことでもないと思うが)
また何事もなかったように付き合うほうが、
お互いに気分がいいのでは と思ったのだ。
ところが、この私のメッセに対して、
とんでもないメッセをよこしたジェームス
「君の突然の(ここだけ大文字) 病気に対して、何かできることはありますか?」
はっ???
空気読めよっ
というか、これはかなりの皮肉プラス嫌味で、
非常に挑戦的な態度と言える。
こんなものは無視 に限る。
で、無視。
そしたらまたもや、「家を出られないくらい重症だと言うなら、こちらこら伺います。パスタを持って。」
とメッセがきた。
プチッ (これ私の堪忍袋が切れた音です)
「もう私のことはほっといてください。」
とメッセしました。
「いったい俺が何をしたというんだ。
なんなんだ。その態度は。
俺は君の下らないゲームに付き合っている暇はない。
こっちこそ君との付き合いは願い下げだっ! 」
と即メッセが返ってきた。
「あ、そーですか。はいはい」
もう疲れたので、今日は寝よう。。。
こんな下らないことで私たちは、付き合いをやめたのでした。
長々くだらない話にお付き合いありがとうございました。
この喧嘩のあと、しばらくして、Bちゃんとばったりアラモアナショッピングセンターで会いました。
「ジェームスとうまく行ってないんだって?
僕でよかったら相談に乗るけど。」
とBちゃん。
「いやいや、うまく行っているも行ってないも、もともと恋人じゃないもん。
相談するほどのこともこれといってないよ。」
「まあそうかもしれないけど、
こうやってばったり会うのも何かの縁だから、今度昼飯でも行かない?」
「そうね。いいよ。じゃあ電話してみて。」
これがBちゃんとの付き合いの始まりになるとは、このときは夢にも考えていませんでした。
ありゃ、またBちゃんの「濃い」話にたどり着かなかった。
でもまあ別の意味で「濃いアメリカ人」の話ということで。。。
↑と勝手に落ちをつけてみました