!?天皇の政治的な行動が問題になっている。1か月以上前に会見を申し込まなければならないとするルールがあるのに、民主党政権が強引にそのルールを破って中国要人との会見予定をねじ込んだ、ということだ。これを、宮内庁の羽毛田信吾長官が、特別記者会見で発表し、『天皇の政治的利用で苦渋の思いだ。2度と起こして欲しくない』と意見表明したのである(12月11日)。

ニコニコ天皇陛下が会見する相手は、中国の次期主席とされている習近平国家副首席だ。新聞によれば、先月26日に外務省から12月15日の面会を申し入れたという。約20日前で、1か月ルールには10日も足りない。このルールは、宮内庁が陛下の年齢と病後(前立腺がん手術)を勘案し、過密スケジュールを避けるために4年前に独自に決めたもの。

合格たしかに、天皇陛下は過密スケジュールだった。今でも、大変だな、と想うことがある。だが、ご本人は、それが日本国のためとなれば、出来る限りのことをやるおつもりなのではないか。1か月ルールなどどうでも良いと、むしろ、困っているような気がする。

グッド!問題は、陛下の実際のスケジュールであり、1か月ルールはあくまで便宜上のことに過ぎない。政治的な利用というが、国際親善は、天皇陛下の最も重要な役割であり、陛下と妃殿下の得意とすることでもある。多分、両陛下とも、この中国の若き次代のリーダーにお会いしたいとさえ思っているのではないだろうか。

かお国の大小、政治的重要性などでは差をつけないで会見、と言うが、それは一応の体裁、型式であることは議論の予知がない。天皇制は、天皇を日本国の象徴としている。だが、生身の人間を象徴としたところで、日本の政治的な行事を型式的に司るという点で、極めて政治的な存在なのである。

むっ宮内庁の1か月ルールを廃止せよとは言わないが、臨機応変に運用するのは当然の配慮(政治的?)ではないか。宮内庁が、再三の政府の申し入れを拒否した上での長官発言なら、議論沸騰もあっていいが、結局、申し入れを受け入れておきながら、これを気に入らないと公表するのは、いかがなものか。

グー羽毛田長官は、小泉政権時代に長官に任命された元厚生省次官である。もう5年在任している。政権も変わったので、引き際と腹を括って、こんな、相手国にも失礼な茶番劇を演じたとすれば、ことが、天皇に関する問題だけに無責任の誹りを逃れることはできない。

チョキ陛下の健康は最も大切だ。もし、容体が悪ければどこの首脳の面会でもキャンセルしていいと思う。しかし、この激動の時代に国家の象徴が行う国事行為を30日前に確定してしまうのは、不都合なのではないか。それこそ、諸外国から官僚的と見られるだろう。1か月ルールはガイドラインとして運用すべきなのである。