下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【18】
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mixi日記2017年月日から
テーマサイトは下記。
【主語と述語のねじれがある次の文章を書き直すとしたらどう書き直したらいいでしょうか。】
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===========引用開始
生き物たちと暮らすことは、単に生き物とふれあうということだけでなく、動物の存在が「動機づけ」になり、ご利用者の生活に潤いや生き甲斐が生まれるとともに、実際に、ご利用者の中には、セキセイインコのお世話や、メダカのエサやりが日課となっている方もおられます。
===========引用終了
ヒトサマの文章に手を加えるなんて行為は、無礼きわまりない。
基本的にはやらないことにしている。業務上ではいろいろやらかしていて、そんなものはネットにはアップできない(泣)。
今回は質問者の希望なので、心置きなく。(←オイ!)
いきなり結果を示しても汎用性がないので、順を追って書く。実際には、過程を相当省略する。どの程度省略できるのかは、慣れの問題でしかない。
原文は、そんなにヒドくはないと思う。ただ、一文が126文字ある。これは経験則でしかないが、一文が100文字を超えると黄信号。たいてい主述がねじれる(いつもは「よれる」とか書いているが、今回は質問者の用語を使う)。
直すのはそうむずかしくない。とにかく単文にバラしてみるといい。
詳しい文章構造に関しては、先行コメントを見てほしい。ただ、こういう説明では汎用性がない。とにかく単文にバラすことをおすすめする。説明の都合上、一文ずつ改行して番号をつける。
1)生き物たちと暮らすことは、単に生き物とふれあうということだけではありません。
2)動物の存在が「動機づけ」になり、ご利用者の生活に潤いや生き甲斐が生まれます。
3)(それ)とともに、実際に、ご利用者の中には、セキセイインコのお世話や、メダカのエサやりが日課となっている方もおられます。
2)はさらに2つに分けることができるが、そこまで徹底する必要はない。
3文に分けると、3)に余計な言葉があることがわかる。「(それ)とともに、」は不要。
単文に分けると、主述のねじれが解消できるほかにこういうメリットもある。
このまま3文にしておいてもいいかもしれない。もし2文にするなら、1)と2)を合体することをすすめる。3)は元々1)2)とは一緒になりにくい。それを無理やりつなげているから、原文の主述がねじれているのでは。しかも3)が長いのだから、これを単文にしておくのが素直だろう。
もちろん2)3)を合体することもできなくはないけど。
【修正案1】1)2)を合体
1)2)生き物たちと暮らすことは、単に生き物とふれあうということだけではなく、動物の存在が「動機づけ」になり、ご利用者の生活に潤いや生き甲斐が生まれます。
3)実際に、ご利用者の中には、セキセイインコのお世話や、メダカのエサやりが日課となっている方もおられます。
【修正案2】2)3)を合体
1)生き物たちと暮らすことは、単に生き物とふれあうということだけではありません。
2)3)動物の存在が「動機づけ」になり、ご利用者の生活に潤いや生き甲斐が生まれることもあり、ご利用者の中には、セキセイインコのお世話や、メダカのエサやりが日課となっている方もおられます。
文章のねじれを直すという意味では、これで終了。個人的には【修正案1】をすすめる。
以下はほぼ余談。
原文を読んだときに、いくつか疑問が浮かんだ。
・「動機づけ」って……なんの? 生きることの「動機づけ」なら、それは「生きがい」とどう違うのか
・こういうことを「生きがい」とまで言っていいのだろうか
もっと細かいレベル。
・生き物と動物って何が違うの?
・「お世話」なのに「エサやり」なの?
仮に「ご利用者」の行為だから丁寧に……ということなら「お世話」と「エサをあげること」くらいにするべきでは。「エサ」って言葉はどうなんだ、ってインネンがつくかも。「エサやり」という由緒正しい言葉を生かすべきでは。
・「おられます」って……
「間違い」という人もいる。当方はそこまでは言わないが、「方言」「老人語」の印象がある。主語を「ご利用者」にしておいて、こういう妙な言葉を使うのはやめたほうがいい。「尊大語」と考える人もいるんだから。
【「おられる」「~ておられる」という言葉を使いますか?】
https:/
といったことを加味すると、とりあえず下記のようになる。最後の一文はなくてもよいかも。
【修正案3】
生き物たちと暮らすことのメリットは、単に生き物とのふれ合いが「潤い」になるだけではありません。その存在がご利用者の日々の「張り合い」になる一面もあります。ご利用者の中には、セキセイインコの世話や、メダカのエサやりが(大切な)日課になっている方もいます。なかには、「生きがい」に近いものを感じている方もいらっしゃるようです。
ちなみに、これを一文に戻すとどうなるか。
【修正案4】あえて一文にしてみる。
生き物たちと暮らすことのメリットは単に生き物とのふれ合いが「潤い」になるだけではなく、その存在がご利用者の日々の「張り合い」になる一面もあり、ご利用者の中にはセキセイインコの世話やメダカのエサやりが(大切な)日課になっている方もいて、なかには「生きがい」に近いものを感じている方もいらっしゃるようです。
こういうことをしてはいけません(笑)。