下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【18】
http://
mixi日記2017年08月07日から
直接的には下記の続き。
【ご利用できます ご乗車できません】資料編
http://
まず資料編の用語に関して。
【資料3】に「漢語動作名詞」という言葉が出てくる。これは初めて見たかもしれない。正確な呼称はわからないが、よく使っている「熟語動詞」と呼ぶことにする。
【資料3】には「謙譲動詞」という言葉も出てくる。「可能動詞」はけっこう一般的だと思うが、謙譲動詞とか尊敬動詞はどうなんだろう。これは謙譲語の「特定形」(【資料2】 にも出てくる)のほう一般的だろう。
さて、【資料1】には「ご利用できる」は出てこないし、その理由も書かれていない。まあ、理由を書く必要もないんだろうな。
【資料2】&【資料3】の論法はほぼ同じに見える。世間でも、こういう論法しか見ない。
「お/ご~する」は謙譲語なので、それを可能形にした「お/ご~できる」も謙譲語。
「明日には(私から)ご連絡できます」という使い方なら問題がない。しかし、「お客様がご利用できます」と言うのは、客の動作に謙譲形を用いているから誤用……まぁ、そのとおりだろう。
当方の疑問の1つ目。
そもそも「ご利用する」なんて言葉を使うことがあるのだろうか。当方には想起できない。そもそも「ご利用する」と言わないのなら、「ご利用できる」なんていうわけがないのでは。
なぜ「ご利用する」と言わないのか。『敬語再入門』の言葉を借りるなら「慣習」としか言いようがない。いい加減な書き方だと思うけど、論理で考えてもどうにもならない例がいろいろあるんだから、そう言っておくしかない。
相手との関係性が云々で謙譲語になりにくという考え方もあるらしい。もしそれが本当なら、「利用させていただきます」(謙譲語I)も「利用いたします」(謙譲語II)も使えなくなるはず(この形にしても、どちらも「ご」はつきにくい)。
理由は「慣習」以外に考えにくい。「利用させていただきます」の形は何かと評判が悪いけど、それはまた別の話だろう。「お/ご」がつきにくい動詞に関しては後述する。
仮になんらかの特殊な状況で「ご利用できる」と言ったとする。そのときは一般的な論理が当てはまるのだろう(どんな特殊な状況なのかは知らない)。
『敬語再入門』は、もうひとつ別な考え方も解説している。
ある動詞を尊敬語&可能形にする場合、先に「尊敬語」にしたうえで「可能形」にするものなんだとか。
たとえば、「読む」と言う動詞を例にとると、尊敬語の「お読みになる」にした上で可能形にして「お読みになれる」になる。
先に可能形の「読める」にした上で尊敬語にして「お読めになる」にするのは間違い。
同様に、「利用する」なら、先に「ご利用になる」にした上で「ご利用になれる」になる。
先に「利用できる」にした上で「利用おできになる」にするのは間違い。
本動詞の「(勉強が)できる」の場合は、可能形の「(勉強が)おできになる」と言えなくはないけど、それは別の話。
「ご利用できる」がヘンな理由はこれでいいだろう。
いろいろ見てみると、「ご~できます」の例文として出てくるのは、ほとんどが下記のような形。
「この電車にはご乗車できません」
「○○がご利用できます」
「○○はご利用できません」
うーむ。やっぱり、否定文にはハか、と関係のないことを書いてみる。
なぜか「この電車にご乗車できます」という文はほとんど出てこない。文法的にはおかしくなくても、現実的には……ってことなんだろう。「この電車は、パスモでご乗車できます」ならありそうだけど(正確には「この電車は、パスモでご乗車になれます」にするべき)。
慣例で「お/ご」がつきにくい動詞はいくらでもある。
詳しくは『敬語再入門』のリストを見てほしい。
同書が何度か例にあげているのは「運転する」。「ご運転する」とは言わないが、「運転いたします」はフツーだろう。「運転させていただきます」だと、用途はかなり限られる。
ほかには、たとえば「実感する」「重視する」あたりは、「ご」はつきにくいだろう。
ここからさらに微妙な領域に踏み込む。下記のうちヘンな感じがするのはどれだろう。
「ご利用いただけます」
「ご乗車いただけます」
「ご運転いただけます」
「ご実感いただけます」
「ご重視いただけます」
個人的な語感では、「運転」「重視」は相当ヘン。あとの3つはアリって気がするが、どうも厳密には問題があるらしい。
ちなみに当方の疑問の2つ目は「敬語の指針」の下記の部分に関して。
===========引用開始
なお 「御乗車はできません」と言った場合には 「御乗車」と「できません」のつながりが,助詞「は」によって分断されるために 「お (ご)……できる」の否定形とはならず,敬語の形としては問題のない表現となる。 また,特に接客業・ビジネスなどの場合 「 客 ,( である)あなたができる」というこ とを客観的に「可能だ」と言うだけでなく 「あなたにしてもらえる」というように , 自分が恩恵を受けるような表現に変えることで,敬意を表す形にすることがある。それが ,「お(ご)……いただける」という敬語の形である。この形を使えば 「御乗車いただけません」という言い方になる。
===========引用終了
「敬語の指針」にたまに出てくる意味不明の記述と考えるほうがよいのだろう。
だって、「ご乗車する」も「ご乗車できる」も使用場面が不明なんだから、「ご乗車はできません」だって使用場面が不明になるでしょ。「敬語の形としては問題のない表現」か否かは不明だけど、いったいどんなときに使うの?
そいでもって問題は、「お(ご)……いただける」ですか。
【ご利用できます ご乗車できません】〈2〉
【ご利用いただけます ご利用いただけません〈6〉なのか?】として書きはじめたが、この内容はどう考えても【【ご利用できます ご乗車できません】〈1〉】の気がして改題。
〈1〉は下記です。
https:/
当方の考えをまとめる前に、もう1件だけ(ほとんど狼少年?)寄り道。
nhkの見解がアップされていることに気づいた。
9月1日のアップだから検索しても見つからないのはしかたがないかも。
【ご利用いただけ】で検索してもダメ。【ご利用いただけ nhk】で検索すると、nhkのサイトの使用例が山ほど引っかかる。ほとんどが、厳密に考えれば誤用の可能性が高い気がする。そいでもって【ご利用いただけ nhk 誤用】で検索すると、トップに来る。なんでだ?
【「ご利用できます」は敬語の誤用?】
http://
===========引用開始
Q
「ご利用できます」「ご参加できます」「ご乗車できません」は誤用でしょうか?
A
「ご(お)~できる」は、謙譲語「ご(お)~する」の可能を表す言い方なので、尊敬語として使うのは、誤用とされています。放送では避けるべきでしょう。尊敬語にするなら、「ご(お)~になる」の可能表現である「ご(お)~になれる」を使うのが正しい用法です。
<解説>
「ご(お)~できる」を尊敬語として使うのは、一般的には誤用とされていますが、日常の場面では、以下の様な言い方を、よく耳にするのではないでしょうか。
「今なら、すぐにご利用できます」
「ご乗車できませんので、ご注意ください」
「こちらのメニューは、お持ち帰りできます」
「どなたでもお気軽にご参加できます」
「今なら、安値でお求めできます」
こうした言い方は、世の中で使われているうちに、耳慣れてしまった表現だと言えるでしょう。平成16年度の文化庁の「国語に関する世論調査」でも、「ご乗車できません」について「正しく使われていないと思う」と答えた人は、3割弱(27.4%)でした。平成9年度の調査(30.5%)との比較から、「誤用」と捉える人は次第に減る傾向にあると見ることができます。
(図入る)
(「平成16年度 国語に関する世論調査」(文化庁)より ※()内は、平成9年度調査結果
では、なぜ、こうした誤用の表現がよく使われるのでしょうか。理由の1つとして、「利用する」「参加する」「乗車する」などの動詞の性質が挙げられます。これらの動詞は、「ご(お)~する/できる」の形の謙譲語としては、一般的には使われません。それに対して、「説明する」「案内する」などの動詞は、「ご説明する/できる」「ご案内する/できる」という謙譲語の形で使われます。「説明する」「案内する」は、「だれに対して」という、その動作が及ぶ先の相手がいる動詞ですが、「利用する」「参加する」「乗車する」は、その動作が及ぶ先の相手がいないタイプの動詞だという違いがあります。謙譲語として使うべき「ご説明する/できる」を尊敬語として使った場合、その対比から「誤用」だとわかりますが、「ご利用する/できる」はそもそも謙譲語として使われないので、尊敬語として使ってしまっても、誤用とは感じられにくいのだと考えられます。今後、次第に使用が広がる可能性もありますが、敬語の「誤用」であることには変わりないため、放送で使うことばとしては適切ではないでしょう。
とはいえ、尊敬語の「ご乗車になれません」は、やや堅苦しいと感じる場合もあるかもしれません。これにかわるほかの言い方として、まず、「乗車」を動詞ではなく名詞と捉え、助詞の「は」を加えて、「ご乗車はできません」とすれば問題ありません。また、場面によっては、相手の動作によって自分が恩恵を受けることを示す「いただく」の可能の形「いただける」を使って、「ご乗車いただけません」と言いかえることもできるでしょう。
言い方は1つではありません。実際に表現する場面の具体的な状況にあわせて、よりふさわしい表現を探していくことで、よりよいコミュニケーションにつなげていきたいものです。
(参考)『敬語表現』蒲谷宏・川口義一・坂本 惠(1998)大修館書店
メディア研究部・放送用語 滝島雅子
===========引用終了
「本線」は「ご利用できます」の話。「誤用」と断言している。注目すべきは下記の部分。
===========引用開始
では、なぜ、こうした誤用の表現がよく使われるのでしょうか。理由の1つとして、「利用する」「参加する」「乗車する」などの動詞の性質が挙げられます。これらの動詞は、「ご(お)~する/できる」の形の謙譲語としては、一般的には使われません。それに対して、「説明する」「案内する」などの動詞は、「ご説明する/できる」「ご案内する/できる」という謙譲語の形で使われます。「説明する」「案内する」は、「だれに対して」という、その動作が及ぶ先の相手がいる動詞ですが、「利用する」「参加する」「乗車する」は、その動作が及ぶ先の相手がいないタイプの動詞だという違いがあります。謙譲語として使うべき「ご説明する/できる」を尊敬語として使った場合、その対比から「誤用」だとわかりますが、「ご利用する/できる」はそもそも謙譲語として使われないので、尊敬語として使ってしまっても、誤用とは感じられにくいのだと考えられます。
===========引用終了
「ご利用できます」は「誤用」としているサイトなどは多い。根拠になっている論理は、「ご利用する」が謙譲語だから、それを可能形にしてもXってこと。そもそも「ご利用する」とは言わない、ってのは初めて見た気がする。これに関しては〈1〉で書いた。
その点に関しては〝一応〟賛成。
ただ、〈ご利用する/できる」はそもそも謙譲語として使われないので、尊敬語として使ってしまっても、誤用とは感じられにくい〉ってのはどうなんだろう。いささか強引では。
ハッキリはしないが、「使う」に類するものは「お/ご~する」にしにくい感じがある。
「使う」「使用する」「利用する」「活用する」etc.……。
その理由を〈「利用する」「参加する」「乗車する」は、その動作が及ぶ先の相手がいないタイプの動詞〉とするのはどうなんだろう。
以下、屁理屈をこねる。
恩師の著書を読む場合。「お読みする」はかなり不自然だけど、同義の謙譲語に「拝読する」がある。厳密にはちょっと違うが「拝見する」というのもある。
じゃあ恩師が編纂した辞書を使う場合はどう言うか。「お使いする」と言えないのはなぜ。
恩師の著書を拝読する
恩師の著書を拝見する
恩師の(編纂した)辞書をお使いする
〈その動作が及ぶ先の相手がいないタイプの動詞〉で理由になっているのだろうか。なっていないよ。
これは所有者敬語の一種だろう。尊敬する人の所有物を「立てる」ことによって、間接的に所有者を「立てる」用法。どんなにボロ鞄でも、「先生のお鞄をお持ちする」と言える。別にお鞄様を「立てる」気はない。あくまでも恩師を「立てる」用法。
同様に、恩師が主催したセミナーに「ご参加する」、恩師の設計した豪華列車に「ご乗車する」と言えないのはなぜ。
このあたりは「慣習」としか言いようがないはず。
仮に「使う」の謙譲語に「拝使」という言葉があったとしたら、「恩師の(編纂した)辞書を拝使する」で何も問題がないはず。実際にはそういう言葉がないので「恩師の(編纂した)辞書を(ありがたく)使わせていただく」という謙譲語にするしかない。こちらのタイプの謙譲語なら使えるのだから、〈その動作が及ぶ先の相手がいないタイプの動詞〉は理由になっていない。
このnhkのサイトは、「敬語の指針」http://
別にこのくらいの類似は構わないだろうが、【ネタ元】 の記述がヘンだったら、それに寄っかかった記述も当然ヘンなことになる。そういうのは、よく言っても「孫引き」だろう。悪く言うと……こういうときの語彙がいろいろあるのが情けない。
当方が疑問を感じたことを、少し詳しく書く。
●「ご乗車はできません」はOKか
限りなくグレーだと思う。
「乗車しません」と「乗車はしません」って同義?
「乗車できません」と「乗車はできません」って同義?
この場合の「ハ」の働きは「限定」では。「乗車はできません」なら何ができるの? 実際の駅のアナウンスは、終点などで降車はできても乗車はできないときに使うだろうからOKかもしれない。
でもそれを大目に見ると「ご乗車はできます」もOKになるのでは。それはどんなときに使うのだろう。「ご乗車はできますが、発車はしません」とか(笑)。
どうしても尊敬語を使いたいなら「ご乗車になれます」を使うべきでは。
●「ご乗車いただけません」はOKか
===========引用開始
場面によっては、相手の動作によって自分が恩恵を受けることを示す「いただく」の可能の形「いただける」を使って、「ご乗車いただけません」と言いかえることもできるでしょう
===========引用終了
で、具体的にはどういう「場面」ですかね。
「ご乗車いただけます」ならまだしも「ご乗車いただけません」で、「自分が恩恵を受ける」場面なんて……当方には浮かびません。ぜひ教えていただきたい。
【ご利用できます ご乗車できません】資料編
mixi日記2017年08月07日から
直接的には下記の続きだろうな。
【ご利用(して)ください ご利用できます ご利用になれます ご利用いただけます〈1〉〈2〉】
http://
「ご利用{できます/できません}」
「ご乗車{できます/できません}」
がXらしいことは、なんとか理解できている気がする。でも、それを説明するのはけっこう難物。ネット検索しても、例によって何がなんだか。
世間ではどうなのか気になって、2カ所で質問してみた。
1)「ご利用できます」は○ですか△ですかXですか
https:/
2)ご利用できます ご乗車できません
https:/
2)はFBのグループでの話なんで、読めない人がいたらごめんね。
どのコメントが適確で、どのコメントがホニャララなのかは、各自ご判断ください。
で、2)のほうで、有力な資料をいくつか教えていただいた。
当方の考えを云々する以前に、これをそのままご紹介するほうがよほど有意義だろう。投稿者の許可をいただいて転載する。用語の問題などいろいろ疑問もあるが、それはまた今度。
【資料1】『敬語使い方辞典』(蒲谷宏 編,新日本法規出版株式会社,2009年)より。
凡例【尊】尊敬語 【謙】謙譲語 【重】丁重語
【謙重】謙譲+丁重語
【資料2】
『研究社 日本語教育事典』(近藤安月子・小森和子 編)167ページより。
動詞の謙譲語Ⅰの主な形式には、次の ①「特定形」、②「 お(ご)~する」、③「 お(ご)~いただく」などがある。
① 「伺う(訪ねる/聞く)」「申し上げる(言う)」「存じ上げる(知る)」「差し上げる(あげる)」「いただく(もらう)」「拝見する(見る)」
※「 拝~」の形式をとる謙譲の動詞には、「拝見する(見る)」のほかに「拝読する(読む)」「拝借する(借りる)」「拝察する(察する)」などがある。
② 「お届けする」「お伝えする」「ご報告する」「ご案内する」
※「 ?ご利用される」のように、「お(ご)~する」という謙譲語Ⅰに尊敬語の「~(ら)れる」を組み合わせた形は誤用とされる。「利用する」を尊敬語にする場合は、「ご利用になる/利用される/利用なさる/ご利用なさる」が適切となる。
※ 同様に、乗客に対する「?ご乗車できません」というアナウンスも適切な形式とは言えない。乗客(=高く位置付ける人物)の行為に言及しているので、謙譲語Ⅰではなく尊敬語の形を用いて「ご乗車になれません」とするか、「ご乗車」という名詞の尊敬語を用いて、「ご乗車はできません」とするのが適切である。なお、「お(ご)~できる」(例:「商品は明日お届けできます」)は、謙譲語Ⅰに可能の意味を添えた形式である。
<以下略>
【資料3】
『現代日本語文法 7』(くろしお出版):251-252
▽は例文、*は不自然な文、?は多少不自然な文を表す。
■2. 動詞述語の謙譲語の用法
2.1 「お・ご~する」「お・ご~いたす」
「お+和語動詞連用形+する/いたす」「ご+漢語動作名詞+する/いたす」の形で用いられる。
▽順番がまいりましたら,{ お呼びします/お呼びいたします} ので,しばらくお待ちください。
▽その件につきましては,のちほど {ご連絡します/ご連絡いたします}。
なお,漢語動作名詞のなかにも「お」がつくものがある。
▽その件につきましては,のちほど {お電話します/お電話いたします}。
「お~する」「お~いたす」は,連用形が1 音節の語「いる」「する」「来る」「見る」「着る」「寝る」「得る」「出る」などには用いることができない。このうち,「来る」には「伺う」,「見る」には「拝見する」という謙譲動詞がある。そのほかの語については,そもそも当該の行為が他者に向かうことが想定しにくい語であるため,通常は謙譲語の形を必要としないのであるが,「~(さ)せていただく」を用いて行為の方向性を明示すれば,謙譲語の形を作ることは可能である(⇒「~(さ)せていただく」については,2.2 を参照)。
また,「もらう」「言う」は「おもらいする/おもらいいたす」「お言いする/お言いいたす」のような「お~する」「お~いたす」の形にはならない。それぞれ,「いただく」「申し上げる」という謙譲動詞を用いる。
「お・ご~する」の可能形「お・ご~できる」は謙譲語としての意味をもつ。したがって,次の(1)の例は正しいが,(2)(3)の例のように尊敬語を使うべき場面での使用は誤用である。
▽(1)この件につきましては,私の方からはご返答できません。
▽(2)* この電車にはご乗車できません。
▽(3)* このATM機は午後7時以降はご利用できません。
(2)(3)は,「ご乗車になれません」「ご利用になれません」などのように,尊敬語の可能形を用いて表現するのが適切である。
<以下略>
【資料4】
「敬語の指針」P36
http://
===========引用開始
【8】 駅のアナウンスで「御乗車できません 」と言っているが,この敬語の形 。 は適切なのだろうか。
【解説1】この場合には 「御乗車できません」ではなく 「御乗車になれません」が適切 な形である。あるいは 「御乗車いただけません」や「御乗車はできません」という敬語表現も可能である。
【解説2 「お(ご)…… 】 できる」というのは,謙譲語Ⅰの形である「お(ご)……する」の 可能形である 「自分が届けることができる」ということであれば「お届けできる , 「自分が説明できる」ということであれば「御説明できる」で良いが,ここは,相手 (=乗客)の行為なので尊敬語を使うべきところである。尊敬語の可能形は「お(ご) ……になれる」であり,ここでは,その否定の形を使った「御乗車になれません」が 適切な形だということになる。なお 「御乗車はできません」と言った場合には 「御乗車」と「できません」のつながりが,助詞「は」によって分断されるために 「お (ご)……できる」の否定形とはならず,敬語の形としては問題のない表現となる。 また,特に接客業・ビジネスなどの場合 「 客 ,( である)あなたができる」というこ とを客観的に「可能だ」と言うだけでなく 「あなたにしてもらえる」というように , 自分が恩恵を受けるような表現に変えることで,敬意を表す形にすることがある。それが ,「お(ご)……いただける」という敬語の形である。この形を使えば 「御乗車いただけません」という言い方になる。
===========引用終了
#日本語 #敬語 #誤用 #慣用句 #言葉 #問題 #間違い #二重敬語
#日本語 #敬語 #誤用 #慣用句 #言葉 #問題 #間違い #二重敬語
語学(日本語) ブログランキングへ