伝言板【板外編1】「〜たり」の使い方〈4〉 「〜たり〜たり」 「〜たり、〜たり」 日本経済新聞「春秋」の場合
下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【18】
http://
mixi日記2017年07月23日から
直接的には下記の続きだろうな。
【伝言板【板外編1】「〜たり」の使い方〈1〉〜〈3〉 「〜たり〜たり」 「〜たり、〜たり」】
http://
FBでコメントをいただいた。
https:/
===========引用開始
本日(2017年7月23日)の日本経済新聞「春秋」に次の表現がありました。
(以下引用)
「諫(かん)」という字は最近では、見かけることが少なくなった。「諫(いさ)める」ともつかい、自分より目上の人に対し改めるべき点をあげて、忠告したりするという意味である。「諫言」のほか、自らの命とひきかえにし主君をただそうとする「諫死」の言葉も古典には見える。(引用ここまで)
http://
この「〜たり」は後ろの「〜たり」がないいわゆる「片たり」とは違うと思います。むしろ印象としては「前たり」が足りないような気もしないでもない。しかし読んでいて不自然には感じないのですが、これはどう考えればよろしいでしょうか?
===========引用終了
「片たり」に関しては、もうどうでもいい気持ちになりつつある。自分では原則的に使わないし、あんまりにも短い文に出てきたら指摘はするけど。
ただ、新聞系は相変わらず認めていない。『記者ハンドブック』は「誤用」にしている。先般発売された毎日本でも「ミス」扱いにしているらしい。でも〈なかなか徹底されないのが実態〉とか。ただ、いつも書いているが、この人の引用はウノミにできない。
https:/
それにしても、なんつー、微妙な例を(泣)。
これは「片たり」ではないと思う。
「改めるべき点をあげて」と「忠告したりする」は並列ではない。「忠告」の一例として「改めるべき点をあげて」をあげている、と解釈できる。
「片たり」と考えて「改めるべき点をあげたり、忠告したりする」とできるかなぁ……。
むしろ、「忠告したり」「(命がけで)注意したり」「(精一杯の)嫌味を言ったり」etc.……を「忠告したり」とまとめたのだろう。
じゃあ、原文のままでいいのかと言うと、疑問が残る。
「(対し)改めるべき点をあげ」るのと「忠告する」ってどう違うのよ。どっちか一方で十分じゃないかな。
「忠告したりするという意味」も相当クドくて無神経。「忠告する」のような熟語動詞(仮称)は「〜たり」と相性が悪いんだって。赤い本に書いてあるでしょ。解決するのがむずかしいときはメンドーなので使うけどさ。(←オイ!)
この場合、修正するのはむずかしくない。
【原文】
自分より目上の人に対し改めるべき点をあげて、忠告したりするという意味である
【修正案】
1)自分より目上の人に対し改めるべき点をあげて、忠告するという意味である
2)(「ほかにもある」と強調したいなら)漢字の意味なんてほかにもあるに決まっているからこっちが無難かも
自分より目上の人に対し改めるべき点をあげて、忠告するときなどにつかう
ただし、すでに書いたように「(対し)改めるべき点をあげて」の必要性は感じない。さらに言うと。「自分より目上の人」も重言っぽい。あ、そうか。2)は「つかう」が2度出てくるな(別にこれくらいいいと思うけど)。
ってことで、ファイナルアンサーは下記くらい? このテのコラムは文字数制限がきついんだから、もう少し文章を練りましょうね。(←何様!)
【修正案】ほぼ最終形
「諫(いさ)める」ともつかい、目上の人に忠告するという意味である。
【修正案】いじりすぎ
1)「諫(いさ)める」という読みもあり、目上の人に忠告するという意味である
2)「諫(いさ)める」という読みもあり、目上の人に忠告するときなどにつかう
#日本語 #敬語 #誤用 #慣用句 #言葉 #問題 #間違い #二重敬語
#日本語 #敬語 #誤用 #慣用句 #言葉 #問題 #間違い #二重敬語
語学(日本語) ブログランキングへ