日記を小説っぽく書いてみた話 | 脱力劇場

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日記を小説っぽく書いてみた話
/きむらの随筆手帖 番外





家からコンビニへ行く道は二通りある。
国道沿いをまっすぐ近道か、団地をぐるりと遠回り。


今朝は国道から向かって、団地をとおって帰ることにした。
主だった道の雪はすっかり溶けていて、
わたしの長ぐつは失敗であった・・・いやこれはお洒落長ぐつなのだ、だってヒョウ柄だから。
などと一人会議を繰り返しながらコンビニへ着く。


友人への荷物を送るために来たものの、店に入るとどうにも何か買わずにはおられない。
義理でもなんでもなく、飽くなき欲望のたまものである。


ペペロンチーノとロールケーキの入った袋を手に、雪の残る歩道の端を小走りで抜ける。
団地をなめるように進んでいくと、ところどころ茶色い土が見える。
少なくとも三ヶ月は雪につぶされて過ごすのに、春には何事もなかったように、
みずみずしい緑が顔を出してくれるのだね。大したもんだね。
立ち止まってにやにやしては、また歩く。


ふと、昔はこの先のドブ川を飛びこえて、うんと近道していたっけ、と
小学生時代の記憶がよみがえる。
あの川はまだあるのだろうか。危なかしい棒橋もかかっているだろうか。


あった。
棒橋はなくなっていたけれど、あのドブ川だ。
大人の自分なら、ほんの少し勢いをつければ飛びこえられるだろう。


ガードレールを乗りこえて、ぴょんとドブ川をまたぐ。
わたしは得意満面に空を見上げて、あたりを見渡す。
雪をざくざく踏みしめ、うす氷をつぶしながら家路についた。


-日記を小説っぽく書いてみた話・おしまい-



***
きむら日記きむらまさよ氏

エイプリルフールが来るたびに、あぁ・・・なんか壮大なギャグをかましたい・・・
と思うわだすですが、考えているうちに一日が終わります。
今日もドブ川を飛び越えた以外は至って平穏です。
さて、頑張ったからお買い得ロールケーキを食べるます。

きむらまさよ@とっても月曜な気分なのに日曜だなんて・・・。