皆さんは、キツネが改良されると、犬みたいになることを知っていますか?
今日は家でもペットとして飼えちゃう、ナレギツネのお話です。
ギンギツネはアカギツネの色違いのものを固定したキツネで、もっぱら毛皮用に養殖されてきました。
この尻尾も飾り物としてかなり重宝されてきたんだよな。
キツネは本来、獰猛な生き物です。
これの性格を穏やかにして、より養殖させやすく出来ないものか・・・。
実はナレギツネは、こんな商魂をもとに生み出されることになったんです。
やれるもんならやってみろよ!
それでこの作戦を担ったのが、ロシアの生物学者、ドミトリ・ベリャーエフでした。
彼ははまず、適当に100匹のギンギツネを集め、これの最も人を恐れない(襲わない)個体を数匹選んでそれ同士を掛け合わせることにしました。
チェック方法はいたって簡単。
キツネの頭へ、人の手を模した模型を近づけるだけです。
犬であろうとキツネであろうと、これはかなり怖いでしょう。
でも、それをなんとも思わないキツネもいました。これらを選別し、掛け合わせします。
そうして生まれた仔狐を、また同じようにチェックして、また最も人を恐れない個体を選んで掛け合わせ・・・。
そうやって家畜化させていきました。
すると・・・。
10~20世代で、普通のギンギツネとは全く違った家畜化ギツネ、ナレギツネが誕生しました。
人によく懐くだけでなく、単独行動より集団行動を好むようになり、犬のように尻尾を振るようになりました。
しかも・・・。
あと、写真見つからなかったのですが、耳が垂れ、尾が短くなって巻き上がるという変化も見られたそうです。
尚、ナレギツネは先にも書いたように商業目的で考案されたものの、
あまりにも興味深い変化を遂げたため、そうはせず今後は研究材料として、ペットとして飼育されるようになりました。
ロシアの一般家庭で、ナレギツネが普通の犬のごとく飼育されています。
ただし譲渡倍率等はわかりません。
ナレギツネを更に研究することで、犬の起源を紐解く重要なデータが見つかるんですって!
また、実は犬とキツネの間に交雑種、ドクスが生まれるのですが、これが本当に実在するのか、ブリード能力はあるのかなど、まだまだ調査中らしいです。
ドクスが成立するということは、犬とキツネは近い生き物であることがわかります。
キツネが家畜化されてナレギツネになったとき、犬に似ているということは、やはりそうなのでしょうか。
こっちに関するデータも取れるということもあって、ナレギツネは今日非常に大切にされています。
日本にもナレギツネは輸入できるのですが、彼らに関する扱いはまだ未定のため、雑種犬として輸入・飼育するのが妥当でしょう。
ナレギツネはキツネですがキツネではなく、犬みたいだけど犬ではない存在だからです。
日本じゃキツネは許可が無ければ飼えませんが、正式に飼うとすると、どうなるのかなあ。
今後日本でも飼えるようになるのかな?
それとも、できないのかな?
それはまだまだ未知数ですが、アライグマのときのように知識が無いのに安易に手を出すような人はいないでしょうね。
ぜひ飼ってみたいものです。