その時目撃者たちは 4 ~メロキュンプレゼンツ!!ハッピー♡プレゼント~ | お気楽ごくらく日記

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白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

期間限定!メロキュン♡リターンズ☆蓮誕&VDお祭り会場


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メロキュンプレゼンツ!!
お題《ハッピー♡プレゼント!!》

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*実施期間*
2014年2月1日~2月28日

*募集テーマ*
お題《ハッピー♡プレゼント!!》


当初、読み手に回るつもりだったのに、某様に甘~い言葉を耳元で囁かれ陥落しました(;´▽`A``



今回は、 『チャレンジャー?』   の続編です。



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【最上キョーコの場合 ①】


(敦賀さん、お弁当を少しでも食べてくれるといいな。)


連日40度近い酷暑日が続く中、蓮の夏バテを心配したキョーコがお弁当を持って蓮の控室を訪れた・・・・・・・のだが、そこで見てはいけない物を見てしまった・・・・気がした。


バタン


(・・・・・・・・今のは幻よ、幻!!控室とは言えど、あの敦賀さんがムニャムニャしているなんて!!この暑さのせいで夏バテしてしまったんだわきっと。今日は早く上がれそうだから、夏バテに効く料理を作食べて、早く寝て、夏バテを解消しなくっちゃ。)


と現実的なんだか現実逃避をしているんだか分からないことをキョーコが考えてると、中からガチャリとドアが開いた。


「最上さん?どうしたの?そんな怖い顔をして」頭上から降って来た聞き心地の良いテノールの声に、現実逃避していたキョーコは顔を上げた。


「あっ。敦賀さん、おはようございます。」 キョーコはいつもの様に綺麗にお辞儀をして挨拶をした。


「おはよう、最上さん。どうしたの?今日は別の局で仕事だよね?」この時間帯、キョーコは別の局にいるはずだと社から聞いていた蓮は、キョーコがここにいる理由を尋ねた。


「主役の方の都合で、前の仕事がキャンセルになりまして。次の仕事に行くまでにまだ時間があるので、敦賀さんにお弁当を作ってきたのでもって来たんです。」


「え?俺に?」嬉しさを隠そうとして蓮はいつもの如く無表情になってしまい、それを見たキョーコはシュンとしてしまった。


「敦賀さんの事だから、この暑さでほとんど食事を摂られていないと思って…・ご都合も聞かずに勝手な事をして申し訳ございません。」


最後の方の言葉は耳を澄まさないと聞こえなかったが、それでも恋する男には威力抜群だった。


「ありがとう、最上さん。今ちょうどお昼休憩でね、ありがたく頂くよ。まだ時間に余裕があれば、寄って行って?お茶位ごちそうするよ。」そう言って、蓮はキョーコを招き入れた。


「し・・・」テーブルの上に出しっ放しになっている物を見て、キョーコは絶句してしまった。


「あの・・・・敦賀さん。アレハイッタイナンデスカ?」見てはならない物を見てしまった者の心理なのか、最後はなぜかカタカナになってしまった。


「見て分からない?マフラーなんだ。ほら。」蓮はまだ短いそれをキョーコに見せたが…


どこうをどう見たってマフラーには見えなかった。形も長方形ではなく、直方体に近い。しかも蓮がそれを折り畳んだときに出るありえない音にキョーコは頭を抱え込んだ。


(どこをどうやったら、そんな音が出るんですかぁぁぁぁぁ!!!それにカッチカチの物。まかり間違ってもマフラーとは言いません!!)声にはならない声でキョーコは絶叫していた。



そして、落ち着きを取り戻したキョーコは、さっき見た物は幻でも何でもなかったらしいと悟った。背中を丸めてちまちまと何かの作業(おそらく編み物をしていたのだろう。)をしている蓮の姿なんて…

「編み物ってなかなか難しいね。気を緩めると、すぐにこの編み棒がすっぽ抜けるんだけど、なんとかならないかな?」


真剣に蓮は悩んでいるが、それ以前の問題である。



こんな板マフラー、どこをどうやったって使い物になるわけがない。蓮がどういうつもりで、これを編んでるのか分からないがついついキョーコは言ってしまった。


「もしよろしければ、編み物お教えしましょうか?」


その言葉に蓮は目を輝かせた。最近では、キョーコの人気も上昇し、社の手腕を持ってしても以前ほども会えないのだ。

これを口実に会えるのなら、本末転倒であろうと蓮には絶好のチャンスである。


「本当に?忙しくない?」


「大丈夫ですよ。いつまでに仕上げる予定なんですか?」


「12月25日に告白して渡そうと思ってるんだ。それまでに何とかしたいんだけど」


(きっと、”キョーコ”さんの事だ。きっとクリスマスプレゼントなんだわ。)

蓮が自分を好きだとは露にも思っていないキョーコは絶望感に打ちひしがれた。


キョーコの顔色が一瞬にして青ざめたことに気付いた蓮は心配そうに顔を覗き込んで、


「最上さん、大丈夫?無理なら」


ズキズキと痛む胸をキョーコはあえて無視して、無理やり笑顔を作ると、

「はい、大丈夫です。そう言うことでしたら、不肖、最上キョーコ。わずかながらでもお手伝いしますね。」


キョーコの心内など知る由もない蓮は笑顔で、「よろしくね。」と言ったのだった。


《つづく》


あと一話、キョーコ編続きます。