先日、スウェーデンの地方都市郊外に住むゲイカップルのお宅を訪問した。

彼らは現在年齢アラフィフぐらい、付き合い始めて20年、同性の結婚(パートナースカップという)がスウェーデンで認められるようになって正式に一緒になり、15年ぐらいなのだそうだ。

二人の愛の巣は、片方の夫が祖父母から受けついだ農家だった。
よく手入れされた素晴らしい庭に、馬やアヒルを飼い、改装した古い木造の母屋には本や絵画がいっぱいの、センスのよいインテリア。アンティークのグランドピアノまであった。
といっても、写真がないのでどんなのだとお見せすることができないのが残念なのだが。


片方の男性は画家で、厩の隣に自分のアトリエを持つ。
庭を整備するのも彼の役目。彼の夫はまったく分野の違う仕事をしているが、芸術にかなり感心が高く、休暇がとれると二人で国内外の美術館やコンサートに度々訪れるのだそうだ。そして、お互いに「ダーリン」と呼び合っている。二人には子供はいないが、四匹の猫を飼っている。

きゃーっ。
BLにはまったく興味にないはずの私だけど、この二人を見てると、「やっぱり私の奥底にはやおいの血が眠っていた?」と思えるぐらい興奮してしまった。

片方の男性の甥二人も遊びに来ていて、このカップルに相当懐いている様子だった。そりゃそうだよね、今10代の甥たちが生まれる前から二人は一緒だったんだもの。

この年月の間に色々あったかと思うけれど、それでも二人で暮らすことを選びそれを実践している男と男。スウェーデン人同士の男女は、結婚後6年以内に半数以上が離婚することを考えたらすごいや。
食事も二人の手作りの魚料理にサラダをいただき、普通のお宅を訪問したときと変わらぬ・・・ って思うこと自体偏見だね。

だいたい、私がどうしてこのカップル宅を訪問することになったかというと、片方の夫が私の友人の幼馴染だったからである。友人たちは成人してもその関係がずっと続いていたのだが、彼が男性と結婚して以来なんとなく音信不通になっていたのを、たまたま私たちが二人の愛の巣の近くを通りかかることになったとき、「久々に連絡を取ってみなよ」と私がけしかけたのである。

帰りには、「また彼に会えてよかった」と言っていた友人だが。

だけどあの羨みたくなるほどのセンスの良い暮らし、これが異性婚だったらありえるか?と思ってしまった。二人が二馬力で同じベクトルを持っているからこそ可能なんじゃないかと思ったし、これで子供でもできてしまえばまた全然違った、俗俗した雰囲気にならざるをえないだろう。

ちなみに、ゲイカップルは男女問わず、二人がとても似ているのが特徴的だと思っているが、この人たちも背の高さ以外はそうでしたねえ・・・。