以前も書いたことがあったかもしれないが、知り合いに、A氏という人がいた。大手会社のエンジニアで管理職、スポーツタイプのBMWに乗り、ストックホルムの市内に一軒家を持っていた。見た目もなかなかかっこいいのに、50歳まで独身だった。
A氏には、もちろんこれまで何人も彼女がいたことはあったが、結婚したことがなかった。50の大台に乗り、子供が作れる結婚相手を真剣に探していた。
30代半ばの女性エンジニアとか、13歳の一人息子のいる女性とかとデートをしたけれど、上手くいかなかったらしい。


「今のスウェーデン人女性はね、結婚よりキャリアを選ぶんだよ。男なんて必要ないと思っているんだむっ


と彼は嘆いたが、私はそうは思わなかった。スウェーデンの日系女性が数年前、「今の日本女性は結婚よりキャリアを選んでいる」というようなレポートを発表したが、私はそれもちょっと偏った調査をしていると思う。
日本人だろうが、スウェーデン人だろうが、今でもたいていの女性は恋愛とか結婚に夢を抱いているものだと思う。

こんな記事があった。

モテようと思って頑張ってみたこと

これを書いているのは27歳の日本人男性だが、スペックがいいのにモテない。なんだかA氏を見ているようだ。

ただ、数人からのコメントにもある通り、いくら自分磨きをしても相手のために何かしてる、ってことはないのかも。また、告白しても、その相手のことを心から好きってこともないのでは?

A氏は、出会い系のマッチングに参加したり、人々がナンパするのに活用するヘルシンキ行きのクルーズに一人で乗船したりして、出会いを求め続けた。
しかし、結局、出会い系で出会った18歳年下のタイ人女性と結婚した。スウェーデンでどうしてもどうしても女性が見つからなかったので、「NOと言わないであろう相手」を選んだと・・・しか思えないのだな。

私は今もうA氏と交流はない。奥さんがすごく焼きもちむかっ を焼くので連絡しないで欲しいと言われたからだ。彼女はきっと家庭的で何でも言うことを聞いてくれるのだろうが、片言の英語でコミュニケーションを取る結婚生活が楽しいのかどうか知らない。それからA氏は長年勤めた会社をリストラされた。「俺、孤独だよ」 と最後に話したときぽつりと言った。

結婚したいというのはわかるし、セックスは必要だ。だけど、誰にでもモテればいいというものではないと私は思う。
自分磨きをすると同時に、 「本当に自分が一緒になりたい条件を満たした人」 を見つけて、恋をしなくては。

皆さんはどう思いますか?