ポルターガイスト3/少女の霊に捧ぐ… | KURI of the DEAD

ポルターガイスト3/少女の霊に捧ぐ…

ポルターガイスト3/少女の霊に捧ぐ…
超常現象としての「ポルターガイスト」という言葉を世間に認知させた『ポルターガイスト』シリーズ、シカゴの近代的なビルに舞台を移した第3弾。監督・脚本・製作総指揮は『ゾンゲリア』のゲイリー・シャーマン。

【STORY】
親元を離れてシカゴの超高層マンションに住む叔父夫婦のもとで新しい生活を始めたキャロル・アン。しかし、ある時ケイン牧師を見たことを機に、またしても超常現象に襲われ始める。一家が外出し、キャロル・アンが1人で留守番することになった夜、彼女を手に入れようとケイン牧師が再び襲いかかる…。

【REVIEW】
誠に残念なことに、この映画の撮影終盤に原因不明の奇病で命を落としてしまったキャロル・アン役のヘザー・オルーク。わずか12歳での夭折である。たしかに、ほっぺが常に赤かったような。関係あるかはわからないが。
そしてこの作品のサブタイトルには『少女の霊に捧ぐ…』との表記。少女の死を商業的に利用するとは何事かと、賛否両論入り乱れた作品である。

悪霊による2度の災難に見舞われてしまったキャロル・アン。心機一転、家族の元を離れ、シカゴの叔父ブルースと叔母パトリシアのガードナー夫妻宅へ預けられることに。ちなみに叔母パトリシアが母ダイアンの妹である。
ガードナー夫妻が暮らすのは、近代的な高層ビル。居住区に加え、商業施設やオフィスも入っている大規模複合ビルのようだ。叔父ブルースは、このビルを管理している不動産会社に勤務。オフィスもこのビル内にあるようだ。

このビルはとにかく鏡が多い、居住区の廊下やオフィスのエレベーターホールなど、全面ガラス貼りの場所が至る所に。撮影が大変そうである。だがしかし、この鏡の存在がこの作品の恐怖の演出にとても効果的に使用されているのである。

キャロル・アンは、その特殊な能力ゆえ、とある特殊な学校に通っている。その学校でキャロル・アンを担当する精神科医もしくは心理学者のシートン博士。キャロル・アンは霊的な現象に遭遇しているのではなく、集団催眠で周囲を驚かせているに過ぎないと言い張り、キャロル・アンの訴えを信じない。
鏡の中だけに現れた手がカップを掴み、こちら側に投げて鏡が割れても、これはキャロル・アンの仕業で集団催眠であると言っている。この作品における愚か者キャラ決定。

ある夜、ガードナー夫妻はキャロル・アンと娘のドナを置いてパーティーへ。2人が廊下へ出てエレベーターへ向かうシーン。廊下の鏡にはすべての部屋の玄関から2人を覗き込むケイン牧師の後ろ姿が。非常に印象的なシーン。
パーティー会場は、同じビル内のアート・ギャラリーのような場所。タカミツと名乗るロン毛の日本人アーティストの展示会のオープン記念パーティーのようである。演じるのは、ディーン・トクノさん。
オードブルの代わりに寿司をお盆の上に乗せたスタッフが歩き回っている。スタッフの服装は空手着。そして鉢巻きには「神風」と書かれている。どこまでステレオタイプな、というかバカにされてる?

一方、自宅でキャロル・アンのお守りをするはめになった娘ドナ。だがしかし、こっそりと友人のパーティーに参加することに。彼女が廊下へ出てエレベーターへ向かうシーン。廊下の鏡にはすべての部屋の玄関からケイン牧師が2人を覗き込む。先ほどとは逆に、今度はケイン牧師はこちらを向いている。なかなか怖い。
こちらもパーティー会場はビル内。どんだけいろいろあるビルなのか。父親が持つビル全体のマスターキーを持ち出していたドナ。友人たちとプールに忍び込むのである。

部屋で一人になったキャロル・アン。待ってましたとばかりにケイン牧師の攻撃が始まり、鏡を使った効果的な演出でいろいろと怖い目に遭っている。
そして恐怖のあまり部屋を飛び出すが、エレベータや駐車場でも怖い目に遭っている。ケイン牧師は「光へ導いてくれ」と執拗に追い回すのである。

そして駐車場。そこに不自然にあった水たまりの中から手が伸びて、引っ張り込まれるキャロルアン。だがしかし偶然にも監視カメラを切ろうとしていたドナとその恋人がその光景をモニターで発見。助けに向かうも、3人とも水たまり(=あの世の入口)に引きづり込まれてしまうのである。

ドナと恋人以外の友人は引き続きプールで遊び倒しているが、まんまと監視員に見つかり御用。そこへ責任者である叔父ブルースが話を聞く。友人たちを帰すと、直後、プールからドナの恋人が出現。ドナとキャロル・アンが連れ去られたことを告げる。

このあたりで我らが霊媒師タンジーナ登場。シートン博士の催眠療法でキャロル・アンが過去を思い出し、それによってケイン牧師も甦ってしまったと、分かりやすく説明してくれる。

前作でも述べたが、このシリーズにおいて、あの世の奴らに対向する唯一の武器は「愛」である。しかし叔母パトリシアは度重なる恐怖体験に参ってしまい、キャロル・アンは他人だから関係ないと叫んでしまう。というかあんただけがこの家族でキャロル・アンと血がつながっているんだが。

とはいえ、奴らを倒さなければどうにもならない現状、タンジーナが自分の命と引き替えに残した言葉「外から中に入って」。そとは悪霊の力は及ばないようだ。
ガードナー夫妻は言われたとおり、ビルの窓掃除用のクレーンに乗り込み、自分たちが住む部屋まで降りる。そしてシャベルで窓を叩き割り、部屋の中へ。超高層ビルの窓がシャベルで簡単に割れてはまずいと思うが。

そして最終バトル。再びタンジーナが現れ、ケインに「私が光へ導いてあげる」といってケインをあの世に連れて帰っていく。バトル終了。
犠牲になってもらってアレなんだが、その手があるならもっと早くそうしてほしかったと思わざるを得ない。ただ、キャロル・アン役のヘザー・オルークが亡くなったため、ラストシーンを変えたことが影響しているようだ。

ケインが去った後、この世に無事戻ってきた家族。最後はケインの笑い声が響き渡る。おしまい。
鏡に対する神秘的な、またある意味恐怖を感じている人にとっては、この作品は結構怖かったのではないか。自分も結構怖かった。
ストーリーに不可解な部分もあったが、前作のモンスター路線よりは今作の方がより「らしさ」が出ていたと思う。

ちなみに愚か者キャラのシートン博士は、エレベーターで無残にも殺されている。あんなはっきりした形で殺されたのって、シリーズ通して初めてじゃない?

●関連作品・記事
ポルターガイスト
ポルターガイスト2


【MARKING】
オススメ度:★★★★★5
えげつない度:★★★3
ケイン牧師がより怖い度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★★★★7

【INFORMATION】
・原題:POLTERGEIST III
・製作年:1988年
・製作国:アメリカ
・監督:ゲイリー・シャーマン
・製作:バリー・ベルナルディ
・製作総指揮:ゲイリー・シャーマン
・脚本:ゲイリー・シャーマン、ブライアン・タガート
・出演:トム・スケリット、ナンシー・アレン、ヘザー・オルーク、ゼルダ・ルビンスタイン、ララ・フリン・ボイル、キップ・ウェンツ、リチャード・ファイア、ネイザン・デイヴィス、ロジャー・メイ、ポール・グレアム

$KURI of the DEAD-POLTERGEIST3

















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