ディセント2
スティーヴン・キングが「2006年マイ・ベスト」の第5位に選び、低予算ながら話題となった『ディセント 』の続編。前作の監督ニール・マーシャルは製作総指揮で参加。
【STORY】
洞窟探検に出かけた6人の女性グループが行方不明になり、捜査当局は捜索活動を続けていた。しかしそこにサラが街道で地元住民に発見されたという報告が入る。病院に収容されたサラ。他人の血に染まった姿で発見されたサラを怪しむ地元保安官ヴェインズが尋問するが、サラは記憶をなくしており要領を得ない。業を煮やした保安官はレスキュー隊などの捜索チームを組織し、サラを連れて再びあの洞窟に向かうが…。
【REVIEW】
あのスティーヴン・キングが絶賛し、まだ21世紀になって10年くらいしかたっていないのに今世紀最高のホラーとまで謳われてしまった前作。「狭い」と「暗い」を効果的に利用し「志村、後ろ！の法則」連発の演出で、閉所恐怖症のみなさんをはじめ多くの人を恐怖のどん底に陥れたのである。
前作での疑惑のラストは置いといて、続編は劇場公開版の続きからはじまる。
無事生き延びたサラ。洞窟を脱出してさまよっているところを地元住民に保護される。一方、行方不明になっていたグループを捜索する捜査当局。サラ発見の一報を知り、収容された病院へ。他人の血で染まった格好で発見されたサラに、安易に物事を考えるキャラでおなじみの地元保安官は疑いの目をかける。しかし、サラに尋問するが要領を得ない。
そこで警察犬を使って発見場所周辺を捜索したところ、とある廃坑が見つかる。どうやらこの廃坑は未開の洞窟につながっているようで、行方不明の一行はそこにいるのではないかということになるのである。
というわけで、再び洞窟探検開始。もちろん記憶を失ったままのサラの連れて行かれる。
前作から3年たっているが、このあたりまでで前作から4日後の話である。
今回は続編なので地底人ありきで観ることになるが、記憶をなくしたサラと探検グループは地底人の存在を知らない。この設定で改めて「ディセント」を楽しんでもらおうということなのである。
そしてもちろん今回も「志村、後ろ！の法則」を惜しげもなく多用。行方不明者の死体も前作のまま残されていて、あのときの恐怖がよみがえる。しかも今回は即席捜索チームということで、チームワークの乱れや足の引っ張り合いなどが見られ、その隙を地底人に利用されるという場面も。銃を発砲して落盤を招いたり、音を立てずに怪物をやり過ごそうとしているのに無線連絡を入れたりという「お約束」もいくつか見られる。
それにしても保安官ポジションというのは、映画において悪徳か愚か者として描かれることが多いが、本物の保安官サイドは一体どう思っているのだろうか。
前作のようなドロドロした人間関係はないが、後半で意外なキャラクターが登場する。ジュノである。サラの旦那の愛人にして、前作のラストでサラと揉めに揉めた末、置いてけぼりを喰わされたジュノである。
負傷を乗り越えこの数日間何とか生き延びていたようだ。もちろんサラを恨んでいるジュノ。ここでまた揉めに揉めたあげくの友情復活という人間模様が描かれる。
そして終盤。
サラは自分が犠牲となり、大声で叫んで地底人をおびき寄せ、仲間を逃がす。
この後、またしても問題のラストである。パート3もあるのね…。
地底人は食料を狩るため、ちょくちょく地上に出ることがわかっているが、なぜ今まで人間に見つからないのか謎である。この問題のラストが何か関係しているのか。管理人さん？
また、ちょくちょく地上に出ているのに、聴力に頼らなければならないほど目は退化するものなのだろうか。あの地底人たちは、もともとあそこに住み着いていたのだろうか。
ちょっとした陰謀の臭いがするラストであった。
いずれにしても地底人の素性はこれから考える必要があるのだろう。
●関連作品・記事
『ディセント
』
【MARKING】
オススメ度：★★★★★★★7
えげつない度：★★★★★★6
地底人は何人いるのか？度：★★★★★★6
禍々しい度：★★★★★★★7
【INFORMATION】
・原題：THE DESCENT: PART 2
・製作年：2009年
・製作国：イギリス
・監督：ジョン・ハリス
・製作：クリスチャン・コルソン、イヴァナ・マッキノン
・製作総指揮：ポール・スミス、ニール・マーシャル
・脚本：ジェームズ・マッカーシー、J・ブレイクソン、ジェームズ・ワトキンス
・出演：ショーナ・マクドナルド、ナタリー・メンドーサ、ダグラス・ホッジ、クリステン・カミングス、ギャヴァン・オハーリヒー、ジョシュア・ダラス、アンナ・スケラーン、マイアンナ・バリング、ノラ＝ジェーン・ヌーン
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