THE JUON/呪怨 | KURI of the DEAD

THE JUON/呪怨

大ヒットしたジャパニーズ・ホラー『呪怨 』のハリウッド・リメイク版。オリジナル版でも監督を務めた清水崇が自らメガホンを取り、日本人監督として初めて全米興行成績No.1を獲得した。製作総指揮で『死霊のはらわた 』『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミが参加。主演はTVドラマ『バフィー』シリーズのサラ・ミシェル・ゲラー。


【STORY】
東京で福祉を学ぶ留学生カレンは、郊外の一軒家に住むアメリカ人一家の介護を手伝うことになった。そこはビジネスマンのマシューと妻のジェニファー、マシューの母親で寝たきりのエマが住んでいた。家に着くとそこは物が散乱しており、エマは何も話さず天井を見つめていた。不審に思いながらも介護を始めるカレンだが、物音を聞きつけ2階に上がる。とある部屋に入るとガムテープで密閉された押入れを発見する。テープをはがし押入れを開けると、青白い顔の少年が閉じ込められていた。すぐにケア・センターに連絡するカレンだが、直度にさらに恐ろしい事態が待ち受けていた…。


【REVIEW】
さて、ハリウッドリメイク版の『呪怨 』だが、オリジナルの劇場版『呪怨』をベースに、ビデオ版のエピソードを少し盛り込んだ作品になっている。ようするにほとんどオリジナル版と同じ内容である。
ハリウッド版といっても舞台は日本で、登場人物の数人が外国人に変わっただけの日本映画という印象が強い。


宗教的な側面が強く善悪の区別がはっきりとしている向こうのホラー映画とは違い、どんな人間でもその家に足を踏み入れれば呪い殺されるという、ある意味日本的な幽霊ものがアメリカ人に受けたのか、全米興行成績No.1を獲得している。欧米かっ!
あのサム・ライミが参加したことの功績も大きいであろうが。


では日本人にとってはこの作品はどうなのか?


主人公とその周辺の人間が外国人であるが、伽椰子役・俊雄役はオリジナルと同じ俳優が演じており、新鮮さはあまりない。
ストーリとして変わっているところといえば、俊雄が押入れで母親に連れて行かれるという設定だが、この作品では風呂場で殺されるシーンが見られる。また主人公の女性がこの作品では生き延びている。

また伽椰子が片思いし、夫の剛雄の怒りを買った相手も外国人である。演じるのは『インディペンデンス・デイ』の大統領役でおなじみのビル・プルマン。
ビデオ版からの流れにかかわることであるが、オリジナル版では小林俊介という教師で、伽椰子が強引に命名した俊雄という名前にこの教諭の「俊」という字が使われているため、夫の剛雄は自分の子どもではないかもしれないという思いを抱き、さらに怒りを増幅させるのである。
この俊雄命名のくだりが出せないため、片思いしただけで嫉妬して殺すという強引さになってしまったが、アメリカ人にはどう映ったのだろうか?


オリジナル版とほぼ同じ展開のため、恐怖の仕掛けがわかってしまうので新鮮さに欠けることは否めない。
しいてあげれば、勝手のわからない異国の地で主人公たちが出会う恐怖という捉え方はできるが、いかんせん舞台が日本でおなじみの風景のため、なかなか感情移入できないのが残念。


それにしても、日本家屋や畳の部屋に欧米人が暮らしているのは違和感がある。


そしてこの作品は独自の続編として、伽椰子出生の秘密に迫る『呪怨 パンデミック』、アメリカへと舞台を移した『呪怨 ザ・グラッジ3』と続いて行くのである。



●関連作品・記事
呪怨
呪怨2


【MARKING】
オススメ度:★★★★★5
えげつない度:★★★★4
カップ麺は海外にもあるだろ度:★★★★★★★7
禍々しい度:★★★★4


【INFORMATION】
・原題:THE GRUDGE
・製作年:2004年
・製作国:アメリカ、日本
・監督:清水崇
・製作:ロバート・G・タパート、一瀬隆重、ダグ・デイヴィソン、ロイ・リー
・製作総指揮:ジョー・ドレイク、ネイサン・カヘイン、カーステン・H・W・ロレンツ、ロイ・リー、サム・ライミ
・脚本:スティーヴン・サスコ
・オリジナル脚本:清水崇
・出演:サラ・ミシェル・ゲラー、ジェイソン・ベア、ウィリアム・メイポーザー、ビル・プルマン、石橋凌、真木よう子、尾関優哉、藤貴子、松山鷹志


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