ファイナル・デスティネーション
夏休み突入記念！
3夜連続『ファイナル・デスティネーション』シリーズ！
大事故を予知して死を逃れた主人公たちが、逃れられない死の運命に翻弄される恐怖を描く。『X-ファイル』や『ミレニアム』の脚本家として知られるジェームズ・ウォンの監督デビュー作品。
【STORY】
高校生のアレックスは、修学旅行でパリへ向かう離陸前の飛行機の中で夢を見る。その夢は、アレックスたちが乗っているこの飛行機が離陸直後に大爆破するというものだった。目を覚ましたアレックスは、恐怖のあまりパニックとなり、機内は大騒ぎとなる。その騒ぎに巻き込まれた生徒と教師の計7名は、飛行機から降ろされてしまい、飛行機は彼らを残しフランスに向けて出発する。ところがその直後、アレックスが見た夢の通り飛行機は大爆発を起こし、全員が死亡する。生き延びたアレックスたちは、ショックを隠せずにいたが、立ち直る間もなく生き延びた生徒や教師が次々と不可解な死を遂げる。本来は飛行機に乗って一緒に死ぬ運命だった「運命」に逆らった彼らを、死神が執拗に追いかけはじめたのだった…。
【REVIEW】
自分が夏休みというわけではないが、学校に通っている人などは本日から怖いものなしの夏休みに突入したと思うので、3夜連続『ファイナル・デスティネーション』シリーズを企画してみた。
というわけで、1作目の『ファイナル・デスティネーション』。とにかく導入部分がすばらしい。突然大騒ぎしだしたアレックスを止めようとした学生も一緒に飛行機を下ろされたため、空港のロビーでアレックスに対して怒りをあらわにしているところへ後ろの窓に見える離陸した飛行機が爆発。しばらく時間をおいて、爆風。唖然とする7名。冒頭からこの作品にぐっと引き込まれていく。
監督のジェームズ・ウォンは、さすがテレビドラマシリーズの脚本家。最初の「つかみ」をよく心得ている。
そしてあの『キャンディマン』役のトニー・トッドがさりげなく出演していたのもうれしい。
このシリーズの秀逸なところは、その死に様。多少強引さは否めないが、「なんか危ない」「そんなことしたら…」「おい！気づけ！」と思わせといてタイミングよくジ・エンド。まさに「志村、後ろ！の法則」である。
バスルームのくだりは、なぜか自分も一緒に苦しんだ。あんな死に方つらい…。
「誰がいつどのように死ぬか」がこの作品の大きな見どころだが、最初に設定した死の順番どおりに死んでいってはつまらない。しかし、席を替わったとか、変わらないとかで順番がややこしくなる後半の展開は少々理屈っぽい。他に観客の期待をいい意味で裏切るストーリーがほしかった。若干詰めの甘さが感じられる。
最後は、死の運命を逃れたかに思われた3人が、修学旅行で行くはずだったフランスを訪れるが、死神の魔の手からは逃れてはいなかった…。ラストも「志村、後ろ！の法則」発動である。3人も生き残ってるのおかしいと思ったんだよな。
あっけない感じではあったが、まだまだ「死神は追いかけるよ！」とばかりに存在を主張させたこのシーンは、自作へのよい前フリになったのではないか。
なんせ死神なんだから。
あるいは、リンゴを与えていれば事態は治まったのかもしれない。
ちなみに、DVDの特典映像にはもうひとつのエンディングが収録されている。試写で不評だったようで、本編のようなラストになったらしい。話のタネに一度観てみてほしい。
そしてこのほど、4作目が製作されているらしく、アメリカでの公開が来年の夏ごろらしい。いつになっても「ファイナル」にならないことが少々気がかりだが、おもしろいのでよしとしよう。
●関連作品
『ファイナル・デッドコースター（ファイナル・デスティネーション3）』
『ファイナル・デッドサーキット （ファイナル・デスティネーション4）』
【MARKING】
オススメ度：★★★★★★★★★9
えげつない度：★★★★★★★★8
フランスは贅沢だろ度：★★★★★★★7
禍々しい度：★★★★★★★★8
【INFORMATION】
・製作年：2000年
・製作国：アメリカ
・監督：ジェームズ・ウォン
・製作総指揮：リチャード・ブレナー、ブライアン・ウィッテン
・脚本：グレン・モーガン、ジェームズ・ウォン、ジェフリー・レディック
・出演：デヴォン・サワ、アリ・ラーター、カー・スミス、トニー・トッド、クリステン・クローク、ショーン・ウィリアム・スコット、アマンダ・デトマー
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