以下の画像、全て居住制限区域。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

警戒区域を解かれ、居住制限区域となった場所で

今日も、たくさんの猫と出会う。

クルマを乗り捨て、後を追いかけてみる。





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

おや~、

この子は、3月31日に会って、バイバイした子だと思う。

まさか、また会えるなんて思いもよらなかった。


今日は3台の捕獲器を、

三本足ちゃんの居た帰還困難区域、浪江町酒井と、

警戒区域の双葉町長塚に、

それぞれ掛けてきた。

一台は緊急保護のため持ち歩く。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

給餌依頼の飼い主さん宅にて


中は空っぽ。

にゃんだ~さんのこの給餌機、

福島の工業高校の学生さんを巻き込んで

作ったのだと、先日ブタまるさんから伺った。

ただ、このプロジェクト、簡単に出来たことでは

無かったらしい。


だから、たくさんの愛情が詰まってる。

高校生が作ってくれたこの給餌器が

たくさんの小さな命を繋いできた。

殆どの大人が、動物の命など関心もない中、

自分達の出来るところで動いてくれた。

そいう子達が大人になった時、

動物福祉に関して前進があればと

願ってやまない。


日本って教え込む教育はするけれど、

こういう大事なことを伝えてくれる大人って

ちょっといないと思う。


大急ぎで、次のポイントに向かう途中・・・。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

田んぼから、ねずみのようなものをくわえて

よろよろ出てきた痩せ細ったチビ猫ちゃん。


消えてった場所に緊急保護用の捕獲器を

掛けてその場を去る。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

よほど、おなかが空いていたんだね。

短い時間で入ってくれた。

一緒に帰るはずが、授乳の確認をして

言葉がなくなる。

こんな小さな身体で、もう仔猫を育てていたんだね。


さっき、くわえてたのはネズミじゃなくて

仔猫だったのかもしれない。

それなら、仔猫を探して一緒に連れて帰ろう!

そう思って辺りを探すが、何処にも仔猫の姿が

見当たらない。


連れ帰るのも涙、

リリースしても涙。


決断して捕獲器を開けるが、

なかなか出て行かないキジトラちゃん。

一緒に帰れば、きっと幸せになれること

分かっていたのかもしれない。


捕獲器を開けては閉めてを繰り返し、

今度出て行かなかったら連れて帰ろうと思った瞬間、

こころを決めたように出て行ったキジトラちゃん。

大きな声で泣き出しそうになった。

もう、助けてあげられる確証など無いのだから。


警戒区域が解かれて、居住制限区域になった場所だけど

何も変わらない。

誰も助けてくれない。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


どこを見つめているの?


人知れず生まれ、人知れず死んでいく。

どれだけ空腹だったのだろう。

ぺったんこのおなか。


助けられなくて、ごねんね。


これが、日本がごく日常、平気でしていること。

罪の意識などなく、双葉町の新たな再編に向けて

鉄のバリケードを今度は何台設置したのだろう?

これで、予算は使い果たせたのだろうか?

その鉄のバリーケード一基のお金で

どれだけの動物の命を救えただろう。


いい加減、狂いだしそう!