【連載⑰】国立ランブリング
国立駅南口
賢しらなことを話すひとがマイクロフォンを片手に
三月の話をしている
藤原業平というのか
ぼくは
いろんなふりが、いよいよできなくなって煮詰まる
リダクションっていうのかな
赤ワインを静かに煮詰めていくと
やがてキラキラひかる
鏡のようになって
世界の醜さ
狡さを映し出していく
そんな物言いさえも立派すぎるのだと
現在を生きる詩人になじられて
国立駅南口の
三月も終わろうとする
この列島の沈丁花
くしゃみに紛れながら
振り回された歌の千数百年が過ぎ
悪いけどぼくたち縄文だから、って
うそぶいていた連中の影も消えてしまった
くにたちの三月
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
◎国立ランブリング「創作ノオト」
あっという間に逃げて行った
二月を追いかけるようにして
国立の三月がやって来て、
そして、消えようとしています。
三寒四温も激しいこの季節、
大学通りは、花の季節も近づいて、
そわそわ落ち着きません。
そんな三月の詩は、ちょっと短めに。
このやっかいな時代に、
縄文の風でも吹いてくれたらなあ、なんて。
<プロフィール>
小山伸二
国立在住。詩人。福間塾に参加。
最新詩集『きみの砦から世界は』(思潮社・刊)
http://www.shichosha.co.jp/newrelease/item_1189.html
クラウドナイン
小山伸二と清水美穂子による詩と写真のコラボユニット。
https://www.facebook.com/cloudnine.sm
国立情報WEBマガジン くにたちハッピースポット
http://happyspot.jp/