L型ポート研磨仕上げ③(フル機械加工済み品)
さて今回で最終局面の肝心要のマニ側からの研磨に入る訳だが・・・
その前にどれだけ危険個所が有るのか。
それに対してのフル機械ポート加工のメリットをカットモデルと現物で解説。(▼∀▼)
ノーマルのINポート入口口径は36φ。
それに対してフルチューンの口径は41φ。
最少スロート38φ部分を入口から25mmの所に置く形にすると視覚的な断面図はだいたい画像の様なライン取りになる。
最もパワーに直結する部分なので理想から言えば上から落とし込む様な形状にしたい所だが入口から20mm付近に既に水穴が有るのでそのギリギリを狙う必要性が出てきます。
更にその延長線上にはバルブスプリングの座面が掘り込まれてるのでココもギリギリ・・・
理想形状を狙うとポート上面は全く余裕が無いのが判ると思います。
今度は側面側。
マニ面から35mm奥にヘッドボルト穴が居ます。
入口41φから絞り38φで通した場合その間隔は計算上僅か0.5mm!!
更にハズレヘッドだと穴に切子等を噛み込んだ状態で開けられてる場合が有り中央部分が樽状に膨らんでしまってる場合も有ります。
こんな訳で入口41φ位置が決まってるのでそこから全てフリーハンドで通した場合6か所全てを正確に均等に削り取るのは相当熟練したマニアで計測治具でも持って無い限りはほぼ不可能。
水穴に当たったら当然ほぼオシャカ・・・
ヘッドボルト穴ならピンホール程度ならまだ何とかなりますが1~2番間、5~6番間は隣り合ったINポート中央間にボルト穴が走ってるので両側に穴が開いてしまうと各気筒間で負圧の干渉が発生してしまいアイドリング&低速不調、他の気筒でもボルト穴に負圧が発生してしまう為ボルト座面からオイルを吸い込んでオイル下がりと同じ症状が発生します。
いずれも対策&修理方法は有りますが必ず助かるとは言い切れず修復費用も莫大になります。
スプリング座面&ガイド付近を取り過ぎると稼働後にクラックが入ってしまいます。
その場合修復の手立ては有りません。
その危険個所を全てクリアーしつつ最適な形状にデーター化したのがフル機械ポート加工です♪
前フリはココまで!
加工を始めます♪
先ずはヘッドボルト逃がし部分を確認しておいて下さい。
画像の部分が真円形状から潜水艦の様な形状で出っ張ってるのが判ると思います。
この残し彫り加工でボルト穴から1mm逃がした状態になってます。
『ココはヤヴァいぞ!気を付けろ!!』
と言う意味になってます。
それを踏まえてマニ側からの加工開始!(▼∀▼)
燃焼室側からやるのと同じ様に測定バルブを突っ込みます。
取り代を見て機械加工は最少スロート部は0.2mm程小さく仕上げてあるのでその部分を広げて行きます。
その際削るのは側面と下側がメインでガイド側上面はほぼ寸法になってるので一切手をつけないよう!
下から明かりをかざして影の出来た部分を燃焼室側と同じ様に15mm程度奥から引く様に削り取って行きます。
ペイントしてわざと傷を付けて削り取る部分を判り易くしてます。
慣れないうちはプラハン等でかる~~く叩いてやると画像の様に引っ掛かる場所が判り易いです。
但しガンガン叩いてしまうと傷が消えなくなってしまうので注意!!
前回と同じ要領でモノサシを入れ指で確認しながら慎重に切削していきます。
最初のうちは全く進んでないように感じますが繰り返してるうちに確実に進んでるので。
何度も言いますが慎重に!(▼Д▼)y-~~~
途中で最初に確認したボルト逃がし部分に到着します。
この部分は全て取り払ってしまっても0.5mm残る計算ですが個体差が有るのであまり手を付けないようにします。
ヘッドボルト穴付近の35mmを過ぎると少し削るだけで一気にバルブが入る感触になってきます。
同時にRがきつくなってくるので側面をメインに削る様に心がけます。
測定バルブが燃焼室側に貫通するとこんな感じになります。
37.9φのバルブがちょっと傾けるとスルっと通る感じに仕上げてやるのがコツ。
そうすると磨き仕上げまでやると38φがスコスコ通る感じに仕上がります。Ψ(`∀´#)
慣れていれば6本通すのに1時間~2時間程度ですが・・・
初心者の方は数日間掛けて慎重に進めるのがコツです。(▼∀▼)
ココまで出来ればもう峠は越えた感じ??
次回はガイド付近の切削です♪(UP予定は未定w)
※ポート研磨初心者向きの加工方法を紹介しております。(フル機械ポート加工済み品に限る)
※あくまで参考程度でお願い致します。