西天塩岳-旧道ルートー2017.6.10
天塩岳-旧道ルートー2017.6.10 (単独)
春の天塩岳エリア第二弾。
雨予報も気にせずに、登山口に向かう。
登山口約2km手前で親子熊に遭遇。
さすがは天塩岳。ヒグマの密度が濃い。
登山口に着くと、土曜日というのに車は無かった。
先程の生々しい親子熊が頭に焼きついて離れず、微妙な精神状態に陥ったままだ。
こんな日は何かが起きそうで怖いが、気乗りしないままに出発する。
新緑の白樺並木は気持ち良い。
旧道ルートを歩くべく沢筋に入る。
沢はすぐに雪渓に埋まり、正面には本峰が見える。天気は思いの外悪くないようだ。
こりゃ天塩岳独り占め!などとテンションも上がってきたところで撮影のためザックを下ろす。
すると斜面の方から、「シー、シー、ウー、ウー」と変な音が・・・。ハア??何の音だ?
「ウー、ウー、グウウウウウ、シー、シー、グウウウウウウウ」
良く見ると目の前の斜面に、巨大羆のまんまる顔(怖)。
嫌な予感は的中だ。1時間で3頭の羆に遭遇するとは・・・・。
距離は7-8mで全く逃げる様子がなく、激しく威嚇してくる。
ヤツの方が高い位置にいるため、見下ろされる自分が明らかに劣勢だ。
これで羆に遭うのは12回目だが、過去最悪にヤバい状況だ。
降りてきたら終わりかも・・・などと思いつつ、割合冷静に睨み合う。
逃げる様子は無いので、仕方なく自分からゆっくりと離れることにした。ヤツを刺激しないように。
結局は100m位離れるまで威嚇は続いたが、追いかけて来ることはなく命拾いした。
1100m二股はラクダ岩へは向かわず、右股へ入る。
今回は天塩岳ではなく、旧道から西天塩岳に向かうものである。
沢はびっしりと雪渓で覆われていた。
雪渓は登山道と交差後も、1470P近くまで続く。
1470P付近から見る天塩岳(右)と前天塩岳(左)
1470Pからちょいヤブを進んで・1465まで到達。
西天塩岳山頂は、1470Pと・1465のどちらかは不明。
後悔しないためにも、両方踏んでおけば間違いない。
天気予報は生憎当たってしまい、雨が結構な降りとなった。
雨具を装着して新道を下山する。
雨に濡れて新緑は一段と鮮やかだった。
しかし今回の山行の印象は羆のことだけしか残っていない。
目に焼き付いた羆の姿、そして耳に残る唸り声。暫く頭から離れそうにない。