大阪は夏空。
ついこの前まで、工事中だったところや、何もなかったところに、新しいビルができて街ができる。
その新しいビルの中に蔦屋書店があって、本やバッグや、メガネや万年筆や、エッセンシャルオイルや、そしてイベントスペースやらがある。
事務所に近い東京代官山の蔦屋にも、行ったことのない私は、まさに浦島太郎状態。
へええ、へええと、だらだらと舌を出した雑種犬のようにうろうろする。
へええ、へええ、こんなにすごいんだ、今の書店は。
へええへええへええ。
へええへええばかりいってる場合じゃなく、松本さんとのトーク&ライブ。
「クミコwith風待レビュー」の4曲を唄い、おしゃべりをする。
松本さんのファンの方々も多く、その眼差しは、神さまを見るように熱い。
一回でいいから五日間くらい「松本隆」やってみたい。
と、松本さんに言ったことを思いだした。
「そんなの、ぜんぜん良くないよ」
松本さんは、にべもなかった。
でも、クミコを五日間やるより、やっぱりいいと思う。
ガーデンスペースというだけあって、緑の囲まれたステージの後ろには絵本もあって、谷川俊太郎さんの本もある。
ああ、俊太郎さんも五日間やってみたい。
俊太郎さんだったら、なんて答えるだろう。
それでも、私は私のままで、歌をうたい、これはこれでいいかもしれないなあと思う。
ときどき、他の世界のことが気になったりして、自分が見えなくなりそうになる。
自分の芯がどこにあるのか、さまざまな体の機能の衰えに乗じるように、頼りなく思えてきてしまう。
でも、日々、衰えるのではあるけど、これは王国なのだと思うことにした。
自分という王国なのだ。
自分がこれまで築いてきた世界。
ちっぽけなものかもしれないけど、これは、私の王国なのだ。
王国の主は、毅然としにゃあならぬ。
どんなものにも、へつらわず、こびず、でも、広く親しく。
今年で建国63年の王国なので、ちょっとはカッコよくありたいものであります。
てなわけで、大阪帰りに、ラジオ深夜便に出演。
大好きな後藤アナウンサーの、後藤王国にもおじゃまし、深夜帰りました。
蔦屋ライブ、暑いなか、来てくださった皆さま、おおきに。