どうも鼻がむずむずする。
鼻血がちょっと出る。
そういえば、去年もこうだった。
この時期だけ、こうなる。
鼻血といえば、「美味しんぼ」での騒動がある。
主人公たちが福島に行って、その後鼻血が止まらないという会話。
これが物議をかもしだした。
元双葉長町長の発言も加えてあったので、よけい大騒動になった。
この元町長さんとは、お会いしたこともあるし、福島出身のスタッフツヅラなど、もっとお会いしていたと思う。
だから、なんだか困ってしまった。
お会いしたときの、やわらかい笑顔を思い出しては、困ったなあと思う。
何が困ったなあなのか。
それは、理路整然と書けない。
書いてはいけないことのような気もする。
それだけナイーブなことごとになっている。
だから、よけいに困ったなあと思う。
でも。
除汚のこととか、汚染水のこととか。
やっぱり困ったことばかりだ。
ナカッタコトにして前に進みたい、じゃないと生きていけない。
そんな気持ちになるけど、やっぱりナカッタコトにはできない。
そんな困ったことごと、みんなのココロにしまわれてる困ったことごとが、ちょっとしたことで噴き出す。
スタッフツヅラは、時々「いわき」に帰る。
そこには家があり、両親がいる。
あの修羅場を経験したおばあちゃんは、昨年亡くなった。
「クミコさん乗せてるんだから、気をつけて運転しなさいよ!」
訪ねたスタッフツヅラの家からの帰り。
運転席の彼女に、おばあちゃんはそう叫んだ。
強いしっかりとした声だった。
その地その地に、強くしっかりと人は生きている。
何があってもココロを強く持とうとしている。
この先のことは、見当がつかない。
ただ、他人のことではない、ということだけがわかる。
私の鼻血は、メンソレをつける。
すうすうして気持ちがいい。