「ちっちゃい男だって思われたくないんですよね。」


これは、先日、ある企業研修にて 「職場で言いにくい事は何?」というテーマで考えていただいた際、


男性受講者(20代後半位)の方 A君が言ったこと。


どういうことかと言うと…


A君の部下の新入社員(男性)は、自分から挨拶をしない。


先輩である彼が挨拶しても なんだかあまり反応がない。無表情で頷くだけ…。


それがとっても気になり…というか不快。


「挨拶をしてほしい!」 と言いたいのだが、 そんな 挨拶ごときのことで、当たり前のことで注意をするなんて ちっちゃい男だって思われるに違いない。


だから言えない…でも  と~っても気になる!とのこと。


それを聞いて私がA君に伝えたことは、


挨拶ごとき… って言うけど、挨拶はとても重要なこと。


人間関係を築く コミュニケーションの第一歩。


職場というチームで仕事をしていかなくてはならない場において 新人は その職場の誰かの協力なしでは仕事がすすまないこともある。


できあがった人間関係に入りこみ、受け入れてもらえる環境をつくるためには、 自分から挨拶するのが第一歩。


相手の存在を認める働きかけが挨拶。それができなくては自分も認められないし、相手にも不快感を与える。


実際にA君だって かなり不快感を抱き、その新人と一緒に仕事をしていく気持ちがもてなくなっている訳だし。



挨拶ごときで…  ちっちゃいこと、  ではないのではないか。


当たり前のことこそ、当たり前のようにできることが大事なのではないか。


という話を彼を含むグループの皆と話しました。



そして A君に、 「挨拶をしてほしい!」 と新人に伝えるには、どのように伝えたらいいと思う?


と問いかけ、ロールプレイングで演じていただくと…

 相手の新人役は同じグループの方に担当していただいました


A君 「あのさあ、なんで挨拶しないの?」


新人役 「…  」


A君 「わかってる? いつもしないよね。 」


新人役 「はい、  これからするようにします…」


A君 「本当にわかってる? ねえ!」


と、こんなふうに 新人を責める口調が続いたのです。


これでは挨拶は重要、だから挨拶をしよう!という思いは伝わらず、責められている…という思いしかない。


実際に新人役を担当した方にも聞いてみると、ロールプレイングだとわかっていても、「なんであなたは~しない」「本当にわかってる?」なんて言い方をされると、


なんだか責められているとしか思えず、挨拶を見なおそうなんて気持ちは少しもなく、ただうるさいな…と思うだけだったとか。


そのことを伝え、A君にはその後 新人さんと 対等に向かいあい、率直に 自分が伝えたいメッセージを 「私は ~ と思っている」という伝え方にしてもらったところ、


「○さんに 話したいことがある。 挨拶をしてほしいんだ。 私が新人のとき、挨拶ひとつで~ な良いことがあったんだ。だけど挨拶ひとつできないと~こともある。  一緒に働く○さんには 是非そのことをわかってもらいたくて。 」


というように 伝え方に変わりました。


そのA君の伝え方には ちっとも「ちっちゃい男」という印象はなく、真剣に「挨拶をしようよ!」という思いが伝わった。  それは同じグループの皆も同意見。



「なんで 君は挨拶しないんだ。  だいたいいつもそうだよね。  本当にわかっているの? ねえ!」


と相手を責めながら 過去のことも引っ張り出し、 「本当にわかってる?」 とずっとネチネチ言うのがよっぽど ちっちゃい男の印象でした(^_^;)



注意をした時、その相手に 自分はどのように思われるか気になるところ。


最近、アサーティブコミュニケーション研修で よく相談にのるテーマです。