Nicholas Payton『#BAM Live At Bohemian Caverns』 | kumac's Jazz

Nicholas Payton『#BAM Live At Bohemian Caverns』

 録音の日付がクレジットされていないので、定かには分かりませんが、CDの発行が2013年ですから、最新版でここ1,2年の間の演奏だと思います。ニコラス・ペイトンのライブアルバムです。これをチョイスしたのは、メンバーをみて、トランペットとベースとドラムのトリオ構成が気に入ったのでした。バリバリのトランペットの音を聴けると思い、期待した訳ですが、実際に聴いてみるとニコラス・ペイトンの名前の後に続く担当楽器が、Trumpet そして Fender Rhodes と書かれているように、フェンダー・ローズの音が加わります。つまりは、実際に演奏を聴くと、4人の奏者がいる錯覚に陥ります。だって、ニコラス・ペイトンのトランペットの演奏中も、ほぼ同時にフェンダー・ローズの音が鳴り止まないのです。そして、ニコラス・ペイトンのトランペットと同じくらいの、ソロの機会もあたえられています。思わず、多重録音と持ってしまうのですが、ライブアルバムですし、何よりもジャケットの中を開くと、そこにはフェンダー・ローズを前に置いて座り、片手は鍵盤に、片手でトランペットもって口に充てて吹いているニコラス・ペイトンのお姿が映し出されて入るではないですか。自分でトランペットでアドリブをして、それにアドリブのバッキングをしている演奏は、なにやら面白いというか、大道芸人を見ているような気になりました。
 で、肝心の演奏は、なかなか小気味よりトランペットの演奏です。やっぱり、どうしてもトランペットを自分の身体の一部として、集中して音を響かせる、という空間を支配する力には、方やフェンダー・ローズにも意識がいっていなければならず、少々欠けるのですが、朗々と吹いている音はお見事です。
 収録曲は、全7曲ですが、そのうち5曲が10分以上の熱演です。全部で80分ほどの演奏が録音されています。トランペッターとしては、どちらかというとスマートな吹き方をしますね。エネルギッシュというよりも、情感を重んじる感じです。ここのところは好き嫌いが分かれますが、アメリカのグレートな雰囲気が溢れた(意味不明)気持ちよい作品です。
 メンバーは、ニコラス・ペイトンの tp & Fender Rhodes、 Vicente Archer の b、レニー・ホワイトの ds です。

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The Backward Step (Live)/Bmf Records

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