2012-05-12 05:09:36
e.s.t.『301』
テーマ:2005-2009
e.s.t.の公式の遺作となった「Leucocyte」と同時期にオーストラリアで録音された音源を元に出来上がった作品です。表題は、オーストラリアの録音スタジオの名前のようです。冒頭「Behind The Stars」は、エスビョン・スベンソンのピアノソロと言ってもいい作品です。バックに、ベースと電子楽器の音がしますが、それは死者への祈りの残響のように聴こえます。途中から入ってくる(ここで2曲目「Inner City,Cyty Lights」に移る)、時計のようなカチカチとした時を刻む音に、流れ込んでくるベースや拍音(造語です、息を吐く、心臓の鼓動という意味です。)やスベンソンのピアノの音は、過去に辿り着く、死者を想う儀礼とも言える切なさを持っています。自己の死を、自らが悼んでいます。この、刹那は一体どこから来るのでしょうか。身につまされる迫真の静けさです。彼方へと飛び出そうとしている、彼らの音楽の地平は、どこまでも続きそうで、突然と断裂しました。細胞が壊されるように、音が破壊されたのです。その、衝撃音の生き残った欠片を拾い集めてできた作品とも言えます。悲しさだけが、先行してくるようです。かなり、切ないです。この冒頭の作品1作だけで、現代は意味を失い、彷徨うばかりになったと言ってもいいでしょう。それほどまでに、中心点を失った音と言えます。どこかに収束しそうで、そうではなくて拡散している音です。放射する音に、帰巣はありません。あまりにも、惨い、残酷な響きです。
3曲目「The Left Lane」は、オーソドックなピアノトリオ作品です。軽いハンマーのような投げやりな音の短な放物線が印象的な作品です。Dan Berglund のベースソロがたっぷりと楽しめます。
4曲目「Houston, The 5th」は、シンセサイザーの衝撃音から始まります。この手法は、「Leucocyte」と同じだと思います。5曲目「Three Falling Free Part I」は、多分想像ですが、題名から察すると、フリーインプロビゼーションで作られた曲ではないでしょうか。次の6曲目も同じ題名で「II」とクレジットされています。悲しみを含んだ、等身大の人形を祭る儀礼のような、断念を生きる男の静けさののような、美しい曲です。これほどまでに、美しく着飾る必要はないよ、それだけで(巣のままで)十分だよと、言ってやりたいようなもったいない曲です。Magnus Ostromのドラミングは心に響く最高のソロです。それから続く「II」の演奏は、筆舌しがたいのです。これぞ、e.s.t.ですという、迫真の演奏です。やばいですね。
これでクールダウンできるのかなと思ったのですが、その思いは果たせずに、ますますヒートアップしそうな気持ちです。この先、一体、どうしてくれるのでしょうか?

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301/Svensson Trio Est Esbjorn

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3曲目「The Left Lane」は、オーソドックなピアノトリオ作品です。軽いハンマーのような投げやりな音の短な放物線が印象的な作品です。Dan Berglund のベースソロがたっぷりと楽しめます。
4曲目「Houston, The 5th」は、シンセサイザーの衝撃音から始まります。この手法は、「Leucocyte」と同じだと思います。5曲目「Three Falling Free Part I」は、多分想像ですが、題名から察すると、フリーインプロビゼーションで作られた曲ではないでしょうか。次の6曲目も同じ題名で「II」とクレジットされています。悲しみを含んだ、等身大の人形を祭る儀礼のような、断念を生きる男の静けさののような、美しい曲です。これほどまでに、美しく着飾る必要はないよ、それだけで(巣のままで)十分だよと、言ってやりたいようなもったいない曲です。Magnus Ostromのドラミングは心に響く最高のソロです。それから続く「II」の演奏は、筆舌しがたいのです。これぞ、e.s.t.ですという、迫真の演奏です。やばいですね。
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