「ジャズと関わって、早30年、もう体に染み付いています。」なんて、書き始めたジャズ日記でしたが、1年半でもう、ネタ切れとなりました。これ以上、無理に土日の更新を続けると、書かなくていいことまで無理に書いてしまいそうです。そこで、ここらで小休止とやらにしたいと思います(いわゆるミクシィ症候群?)。でも、ジャズのことで、感動的なことがあったら、気ままに更新しますね。それに、今までの日記は、それなりにkumac的ジャズ・アルバム紹介となっておりますので、どうかご活用を。
 って、書いてもう4ヶ月くらい過ぎてますが、気分はまだ「小休止」です。でも、更新の頻度が何故か上がって来てます。
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2012-01-29 04:51:52

ジャズ喫茶「disk」

テーマ:ジャズ喫茶
 今、滞在しております。大雪の青森。kumacは5回も転びました。酔っ払って、すってんころりんと。そして、やっとの思いで言ってきました。ジャズ喫茶「disk」。iPhone 4S をナビにして行ったのですが、青森市役所裏に辿り着いても、まったくそれらしきお店はありません。昔は、disk は2軒経営していたそうですが、今は、駅に近い方の1軒だけの経営になっています。iPhone 頼りの方は、気を付けてください。

 とても静かに音を鳴らしております。マスターも、とても物静かで静かで、優しい方でした。場所がわからなくて5回も電話しても、親切に苛立つこともなく、教えてくれました。南郷ジャズフェスティバルを企画していた方なんですね。夜にもかかわらず、コーヒーだけでも注文はオッケーでした。マスターは、仙台と縁のある方で、話は結構させてもらいました。そして、声をかけていただいた若い男性の方とジャズ談義を2時間たっぷりとさせていただきました。あまり、人とジャズの話をしないkumacにとっては、とても嬉しい時間でした。

 それで、ついつい、2月10日に disk で行われる類家心平とハクエイ・キムのコンサートのチケットを買ってしまいました。また、青森に来なきゃ!!

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何故か画が横になっちゃいます。すみません。
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2012-01-28 04:35:04

Francesco Negro『Silentium』

テーマ:1945-1949
 とても素敵なジャケットです。ライナーノーツもいい感じに仕上がっています。イタリアのピアニスト、フランッチェスコ・ネーグロのトリオで2010年12月に録音した作品です。ベースは Lgor Legari、ドラムは Ermanno Baron です。ライナーノーツの最後の方に、フランチェスコのこの作品にに関する言葉が和訳されて載っています。引用すると

 「〈沈黙〉、それは音楽の真の意味を隠し持つものである。ありきたりな解釈によるとそれは
 〈無音状態〉ということになるが、実際に私たちが耳にしている音は、背後に流れる他の音と
  つねに重なり合っている。それゆえ、沈黙を聞くということは、ほかでもない、もっと自然
  な世界の音に耳を傾けているということなのである。」

 これは、ジョン・ケージの4分33秒に通じることかなと思いました。
 フランチェスコが、語っています。1曲目「Primo Frammento」と4曲目「Secondo Frammento」は、「拘束されることなく自由にインプロヴァイズに入ることが全く自然なことに思われた。この数分間の模様は・・・・2つに分けて収められている。」と。1曲目、「Primo Frammento」は思索するような音です。聞き耳を立てながら、何かを追い求めてゆくかのごとく、三者がそれぞれに、響き合っています。出だしの、ピアノの氷の輝きのように響きわたる音、鈴の音、やがて聞こえてくるずしりとした土の音。いい感じで、美しい世界を構築してゆきます。ここは、じっくりと彼らの音楽を聴くべきです。何もせずに、ただただ人間の五感を耳に集中して、すると様々な質感が心の襞を覆うでしょう。凄く耽美的な演奏です。無調ではありません。美しいです。

 10曲全部、フランッチェスコ・ネーグロのオリジナルです。作曲された音楽も、メランコリックな感じがしたり、リズミカルだったり、様々な印象の音が流れますが、基本的にどれも美しいです。それは、彼らが自然の音に従順だからでしょう。自然は調和しています。違和を嫌います。でも、人生は違和ばかりですね。先日、銅版画家駒井哲郎の一番弟子の中林良忠氏の講演を聞いていて、彼がなぜ駒井哲郎は銅版画を選択したのかという質問に対して、こう(生前には)言っていましたと、応えました。それは、「(銅版には)抵抗があるから」と。そう、このフランッチェスコ・ネーグロの演奏には、ぎくしゃくした抵抗が潜んでいます。kumacは、すらりと流れる水のような音楽も好きですが、ごつごつと岩にぶつかって飛沫を上げて流れる水のような音楽も好きです。どちらかと言うと、このトリオの演奏は後者ですね。そんなに、激しくはないですが、そう、内に秘めているという感じです。それが、彼らなりの〈沈黙〉ということなのかなと感じたりします。

 ついつい、聴くことに集中してしまいそうになる(それでいいのですが)綺麗で観念的な音楽です。

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Silentium/Francesco Negro

¥2,790
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追記:

 長くなりますが、今日の清水哲夫の「新・増殖する俳句歳時記」に載っていた文章がとても、この作品を聴くよいヒントになるので全部引用(すみません)します。

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いつさいの音のはてなり雪ふるおと

今週月曜日の夜九時過ぎ位か、障子を開けると雪になっていた。雪の予報は出ていたのでやっぱりと思ったが、それにしても久しぶりに見る霏霏と降る雪だった。また大げさなと、忠栄様の母上に叱られそうだが、つぎつぎに落ちる雪に、つい口を開けて見とれてしまった。雨音が聞こえなくなると雪になっている、というのがふつうだけれど、降る雪を見ているといつも、雪を聞いている、という気分になる。その、おと、は確かに、耳に届く音ではなく、全身で感じる静かで賑やかな気配のようなものなのかもしれない。その夜の雪はすぐにまばらになり、それでも我が家のベランダには数センチ積もった。そして静かに眠ったまま、朝日に光りながら消えてしまった。『妣の国』(2011)所収。(今井肖子)

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2012-01-21 09:09:27

Thomas Chuck Kresten『For Bill』

テーマ:2000-2004
 デンマークのピアニスト、トーマス・クラウセンがベースのチャック・イスラエルとドラムのクレステン・オズグッドとのピノトリオで録音した作品です。題名のとおりビル・エバンスに捧げた作品となっております。トーマス・クラウセンの新作のような書き方をしているサイトが多いですが、CDのクレジットを見ると録音は2006年10月になっていますから、結構前の録音です。エバンスが好んで演奏した楽曲を取り上げて演奏しています。とてもやさしが溢れた雰囲気のある作品です。
 kumacは、トーマス・クラウセンは、初めて聴くピアニストです。とても、音色が美しくです。録音の製がある野かもしれませんが、ピアノタッチが綺麗です。整理された無駄のない演奏と言ってもいいかもしれません。三者のインタープレイを聴くのでしたら、4曲目「I Fall In love Too Easily」や5曲目「People Will Say We're In Love」などでは三者が絡み合う演奏を繰り広げています。互いに、互いの演奏に耳を傾けているような感じです。ちょっと静かになっちゃいますが。そう、勢い(推進力)はあまりないかな、その代わりより幾分耽美的な表現になっています。静寂をより求めるような演奏です。全体的には、トーマス・クラウセンが主導権を握って、彼のペースで演奏が進められます。そういう意味では、三者同等の名義の作品というよりもトーマス・クラウセンの作品かなと思います。
 6曲目「Somertime」は、スローテンポじゃなくて、リズミカルな演奏をしています。トーマス・クラウセンは高音域の音使いが好きなようですね。美しく飛び跳ねたような、ソロを披露します。それにドラムのクレステン・オズグッドが微妙な間を入れて絡んできます。その流れから、どんどんと演奏が進みます。なかなか好きな演奏です。チャック・イスラエルのソロも、勢いを殺さず、必至に音を繋いでゆきます。ここいらの演奏は、あまり、っていうかほとんどビル・エバンスとは関係ないですね。この曲の演奏を聴くだけでも買う価値ありです。アクセルとブレーキのペダルの操作が絶妙です。7曲目マイルスの「Solar」です。ラフなスケッチって感じの演奏でしょうか。最終曲「For Bill」は、切々と何かを訴えるようなテーマを持つミデアムナンバーの作品です。ビル・エバンスへの思いを込めた演奏だと強く感じます。三者の演奏も、エバンス・トリオ風に感じるのは聴きすぎかな。この曲だけトーマス・クラウセンのオリジナルです。それだけ、思い入れがあるのかな。作品のタイトルにまでしてますからね。
 トーマス・クラウセンはとても透明感があり、高音域の美しいピアニストです。冬景色の外を見つめながら、温かいコーヒーでものんで部屋の中でまったりと彼らのガラスのように響き合う演奏を聴くのは至福の時間ですね。

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2012-01-15 10:39:52

Jos Van Beest『The Ginza Shuffle』

テーマ:2010-2014
 あまり、っていうかあまり「銀座」のイメージとは関係の無い作品です。でも、表題曲が3曲目に入っています。ブルージーでオシャレな曲です。これ、オランダのピアニスト、ヨス・ヴァン・ビーストのピアノトリオ作品です。とても、エレガントな作品です。濃くのある極上のワイン(5円以上のワインを kumac は飲んだことはありませんが)が、音楽になったような、この世の至福を五感で味わう楽しさがあります。
 全11曲、ゆったりとしたテンポで、ほんのりと香る、この世のものとも思えぬ芳醇な空気に包まれ、一音一音が心に染みてきます。最終曲「Ben」の溢れる思いを語りかけるような、切々とした音色は、この世の残りの時間を惜しむような、切なさがあります。人間の喜怒哀楽を語り尽くした後の、潔さというか、生きているという実感を幸福という言葉にに置き換えてもいい、とても美しく輝く生命を感じさせてくれます。ライナーノートもそうですが、何故か、食べ物や飲み物に喩えたくなる演奏ですね。不思議。
 先日、ジャズを全く聴かない妻に、ジャズが聴きたくなったと言われました。「気持ちが落ち着く演奏」を聴きたいようです。何をジャズに求めているのか、わからなかったので、これと言って彼女に差し出す作品は思い浮かばなかったのですが、この、ヨス・ヴァン・ビーストの演奏は、まさにそれに相応しいのかなと思った次第です。これを、心地よく決めない人は、人生になにか大きな悩みを抱えた人に違いありません。そう、人生を謳歌する作品です。けっして、真摯に人生を生きようという勇気を与えてくれる作品ではないと思います。kumacはこの作品に出会えて幸せです。
 メンバーは、ヨス・ヴァン・ビーストのp、Evert J. Woudの b、Nanning Van Der Hoop の ds です。録音は、2010年です。

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2012-01-14 13:31:16

Hal Galper『Trip The Light Fantastic』

テーマ:2010-2014
 ハル・ギャルパーの2011年2月20日に録音されたピアノトリオによる新作です。ハル・ギャルパーって、正直、どんな人かわかりません。なので、ググると、HMVのサイトに

 「1938年4月18日米国マサチューセッツ州サーレム生まれ。ジャズ・ピアニスト。7歳のときにクラシック・ピアノを習い始める。55年にはバークリー音楽院に入学、在学中にジャッキー・バイアードに師事。ボストン時代にサム・リバース、トニー・ウィリアムスらと共演し、その後、チェット・ベイカー、ジョー・ヘンダーソンを経て、クリス・コナー、アニタ・オデイの歌伴もこなす。スティープル、センチュリーにリーダー作を残す。(CDジャーナル データベースより)」

 と、出ています。1938年生まれなので、録音時には73歳です。唄伴もしているので、スタンダードな演奏をするのかなと思いきや、これがかなりフリーキーな躍動する演奏です。
 冒頭「Alice In Wonderland」は、ハイテンポのフリーフォームな演奏です。かなりアグレッシブに曲に接近しています。テーマは聞こえてきますが、アドリブになると、全くその欠片も聞こえてきません。ソロは、流れるような、一聴するとメリハリのないタッチです。スピードについて行くのがやっとって感じに聴こえてきます。でも、良く聴いてゆくと、一音一音にくっきりと輪郭があるのがわかります。心地よいメロディーを奏でるわけではありません。彼なりの、音の言語を持っている感じです。核心をピアノで撫でるようにして輪郭を作ってゆく感じです。2曲目「Babes Of Cancun」は、ガラスの欠片をキラキラ光らせたようなイメージを持つ演奏です。美的感覚がいい意味で硬質ですね。3曲目「Get Up & Go」は、機関銃のような連続音を使ったテーマを持つ作品です。ソロに入ると、ミデアムテンポでの演奏になり、三者による対等なインプロビゼーションが繰り広げられます。表題曲は、ゆったりとしたテーマのこの作品の中では、柔らかなメロディーを持つ曲です。ハル・ギャルパーのオリジナルですね。音を突き詰めるようなソロを弾きますね。何かを追い求めているような、執拗な粘りのあるタッチです。これで、自分の世界を作り上げてゆくのでしょうね。精神性の高い演奏です。これ、全体にわたって言えるかもしれません。
 一朝一夕では語れない、かなり骨太の作品です。

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Trip the Light Fantastic/Hal Galper

¥1,311
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2012-01-09 11:21:59

Bosso・Marsico・Minetto『Spiritual』

テーマ:2010-2014
 今年最初の一枚は、ジャケットで決めました。って、噓です。でも、辰(多分そうだと思うのですが)の身体になりすました3人のミュージシャンが奏でる演奏は、晴れやかで、年の門出に相応しいと思った次第です。クレジットは、演奏している3人のミュージシャン、Fabrizio Bosso (tp)、Alberto Marsico (org)、Alessandro Minetto (ds) の頭文字をとって付けられています。このピアノレスのトリオでボッソがどんなトランペットの演奏をしてくれるのか(多分、ぶんぶんと吹いてくれることを期待して)楽しみで購入しました。結果、とても気持ちよい吹きっぷりです。今、彼、乗っていますね。
 とても、シンプルな演奏です。難しいことは全然していません。その分、素がもろ出しになるって感じです。1曲目「Joshua Fit The Battle Of Jericho」、「ジェリコの闘い」ですね。黒人霊歌、ついまり表題となっているスピリチュアルです。Minetto のドラミングで始まり、ボッソが朗々とスピーディーにテーマを吹きます。聞き慣れたメロディーで直ぐに音楽と精神がシンクロできます。で、ボッソの火花を散るような素早いパッセージのソロが続きます。次に、Marsico の暖かみのあるオルガンのソロです。で3者でソロの交換、勢いを殺さずに一気呵成に鳴らし切ります。次「Down By The Riverside」は、ゴスペルナンバー。ボッソが、ちょっとコミカルにミュートでテーマを吹き、その調子でワウワウを所々に使いながら、エレガントなソロを吹きます。Marsico のソロも、間を上手にいかした気の利いた歌い方をしています。いいですね。次「Oh Happy Day」 、これもゴスペルソングです。シャッフルするドラムのリズムに乗って、テーマが表れます。とても明るい、光り輝く演奏です。ここでは、Marsico のキャラメルマキアートのような(意味不明)コクのある演奏が聴きどころです。ボッソは、チョコレートが入ったチューブを絞り込んだような、むぎゅっとした演奏をします。緩急使って、まるでジェットコースターのようです。大盛り上がりですね。4曲目「Good News」は、3人共作のオリジナルナンバーです。スキップするような軽快なリズムで、慣れ親しんだような粋なメロディーラインの演奏です。オルガンの響きのせいかもしれませんが、これゴスペルナンバーだとしても、全く不思議じゃないメロディーです。彼らなりの、スピリチュアルですね。後半、突然、リズムが激しくなり、吹き、弾き、叩き争いとなり、極みまで達したところで、シャッキッと終わります。格好いいです。てな具合で、全10曲が続きます。一曲一曲、趣向を凝らし、とても楽しませてくれます。そして、最後に「Amazing Grace」で終わります。ボッソの、起床ラッパ(ちょっと下世話っぽい喩えですが)の音色が鮮やかです。感極まるとは、こういうことを言うのでしょうね。ずっと聴いてきて、この最終章。とても粋です。そのアレンジ&アドリブなしのストレートな演奏に感服。合掌です。

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$kumac's Jazz-spiritual
2012-01-07 06:18:57

Jason Stein『The Story This Time』

テーマ:2010-2014
 2011年6月27日、28日にシカゴのスタジオで録音された作品です。リーダーのジョン・スティンは、バスクラリネットの奏者です。かなり骨太のフリージャズを演奏しています。バスクラリネットでフリージャズとなると、ドルフィーを思い起こすわけですが、ドルフィーほど感情表現をもろ出しにはしないですね。いわゆる、馬の嘶き状態にはなりません。全11曲中5曲がオリジナル、モンクの曲が3曲、あとはリー・コニッツの曲が2曲、ウォーン・マーシュの曲hが1曲、トリスターノの曲が1曲です。トリスターノ派のミュージシャンの曲が3曲あることでもわかるように、音楽への接近の仕方は、トリスターノの音楽に近いように感じます。いわゆる、メロディーに抑揚を付けて、時間を引っ張ってゆく感じです。
 メンバーは、Jason Stein の b-cl、Keef Jackson の ts & contrabass cl、Joshua Abrams の b、Frank Rosaly の ds です。ベースの Joshua Abrams がどっしりと構えて、きちっとしたベースワークを聴かせてくれます。なので、結構、自由にソロをみなが取りますが、芯はしっかりとしていてぶれていません。そこが、この作品の救いかなと思ったりします。
 雰囲気はどこか、ドルフィーの『アウト・トゥー・ランチ』を思わせます。『時間の物語』といった感じの表題からも察しがつくように、空間を埋める作業を延々と行っている感じです。かなり意味を抽象化した演奏ですが、説得力はあると思います。久しぶりに、ごっつい演奏に出会いました。

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Story This Time/Jason Stein

¥1,393
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2012-01-07 06:18:57

Jason Stein『The Story This Time』

テーマ:2010-2014
 2011年6月27日、28日にシカゴのスタジオで録音された作品です。リーダーのジョン・スティンは、バスクラリネットの奏者です。かなり骨太のフリージャズを演奏しています。バスクラリネットでフリージャズとなると、ドルフィーを思い起こすわけですが、ドルフィーほど感情表現をもろ出しにはしないですね。いわゆる、馬の嘶き状態にはなりません。全11曲中5曲がオリジナル、モンクの曲が3曲、あとはリー・コニッツの曲が2曲、ウォーン・マーシュの曲hが1曲、トリスターノの曲が1曲です。トリスターノ派のミュージシャンの曲が3曲あることでもわかるように、音楽への接近の仕方は、トリスターノの音楽に近いように感じます。いわゆる、メロディーに抑揚を付けて、時間を引っ張ってゆく感じです。
 メンバーは、Jason Stein の b-cl、Keef Jackson の ts & contrabass cl、Joshua Abrams の b、Frank Rosaly の ds です。ベースの Joshua Abrams がどっしりと構えて、きちっとしたベースワークを聴かせてくれます。なので、結構、自由にソロをみなが取りますが、芯はしっかりとしていてぶれていません。そこが、この作品の救いかなと思ったりします。
 雰囲気はどこか、ドルフィーの『アウト・トゥー・ランチ』を思わせます。『時間の物語』といった感じの表題からも察しがつくように、空間を埋める作業を延々と行っている感じです。かなり意味を抽象化した演奏ですが、説得力はあると思います。久しぶりに、ごっつい演奏に出会いました。

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2011-12-31 11:03:10

今年1年を振り返って

テーマ:独白
 今日は誰の作品を書こうかなと思って、新しく宅急便で届いたHMVのパッケージを開いたら、出てきたCDが昨日レビューを書いたハクエイ・キムの『Break The Ice』だった。がっくんちょ。おなじCDを2枚買っていました。忘れていました。ダメね。DVD付きやつとSHM-CDだけのものとの違いはありますが、無駄買いでした。

 そんなこんなで、今日は、今年1年を振り返って、つらつらと書きます。

 一番印象的だったのは、東京ジャズでのトルド・グスタフセン・アンサンブルの演奏でした。あそこまで透徹した世界を作り上げる演奏する彼らの姿を見れたのは収穫でした。
 二番目は、これも東京ジャズでの、上原ひろみと熊谷和徳のコラボ、感動的で涙が出ました。仙台での彼女のライブでは、寝てました。この違いはなんだろうなと、いまでも不思議です。
 3番目は、サカナクションを知ったこと。これジャズとは関係ないのですが、自分の音楽との付き合いの中では、かなり重要です。聞き始めてもう3ヶ月過ぎますが、まだ飽きていません。ミスチルのコンサートもよかったです。
 あとは、福島プロジェクトで聴いた渋さ知らズですね。迫力があり、ドラマ性もあり、感動的でした。

 そんなこんなの1年でした。

 来年は、再度、定禅寺ストリートジャズフェスティバルにでれるように精進したいと思っています。では、よいお年をお迎えください。

$kumac's Jazz-20111231

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2011-12-30 07:08:23

Hakuei Kim『Break The Ice』

テーマ:2010-2014
 ハクエイ・キムの2011年8月22日、23日録音のピアノソロ作品です。東京ジャズのビル・エバンスかフェで彼を聴いたほんの10日前の録音ですね。そんな訳ではないでしょうが、エバンスの演奏で有名な曲「枯葉」と「My Foolish Heart」が入っています。2枚組なんで、超大作と思いきや、一枚はDVDだったんですね。
 kumacは、ハクエイ・キムに対しては、硬い音(響き)というイメージをずっと持っています。その硬さが大陸的というか、北の国というか、なんとも言えないハングルの声なんですね。つまり、完全なる一個の表現者になり得ていると思っています。
 一曲目「Give Us The Sun (Improvisation)」は、プロローグですね。アルバムのイメージを静かに、心の内奥に刻み込む感じです。とても美しいメロディーが出てきます。訥々と語りかけてきますね。彼本来の氷の欠片のキラキラと光るイメージが浮かんできます。素敵な朝です。指の運行がとてもくっきりと見えてきます。この作品だけでも十分に買った価値ありですね。2曲目「The Icebreaker 1」は、氷を粉々に砕くイメージですね。32秒の小さな作品です。3曲目「Winter Festival」勢いのよい溌剌とした鼓動が、小気味よく生命感を持って聴こえてくる作品です。真夏に、真冬のイメージで録音するってどんなものなのかな?次4曲目「Autumn Leaves」は、中音域思いっきり使った力強い音で始まります。ハクエイ・キムらしい音です。その流れで、曲のイメージが現れてきます。さらっと、印象を空に放ったような音です。5曲目「Under The Bridge」は、静かな水際の語らい、ってな感じの音楽です。人は橋の下で暮らします。誰でも、時代という橋、世間という橋、人と人の繋がりという橋、いろんな橋の下で生活しています。そう、しみじみとヒトの人生を感じさせるような演奏です。6曲目「Mike Nock」は、お師匠さんであるオーストラリアのジャズピアニスト、マイク・ノックに捧げた曲ですね。フリーぽい出だしは、お師匠さんへの挨拶ですね。色々な音のイメージをつなぎ合わせています。ミニマルミュージック的な音が響きます。その上を、気持ちよく即興で音をならしてゆきます。自由奔放で気持ちよいです。ってなことで、全部書いていると大変なんでこれくらいにします。
 ハクエイ・キムの個性がとても明瞭に現れる、透徹されたイメージの美しい作品だと思います。とても、説得力があります。

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ブレイク・ジ・アイス(初回限定盤)(DVD付)/ハクエイ・キム

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