Yaron Herman『A Time For Everything』 | kumac's Jazz

Yaron Herman『A Time For Everything』

 イスラエルの新進気鋭のピアニスト、ヤロン・ヘルマンの作品です。メンバーはマット・ブルーワーのb、ジェラルド・クリーヴァーのdsです。ライナーノーツ氏は、盛んにポストe.s.t.を語るのですが、ノイズを使った演奏や、フリーモードでの3者の絡み合いなど似ている点はいくつかあるかもしれませんが、ポストe.s.t.は演奏が似ている点を言っているのではないと思います。その先鋭的な現代感覚が似ているのでしょうか。 1曲1曲曲調ががらりと変わります。ピアノ演奏に専念していない、というかピアノトリオとしての純粋な形を提示しないというか、不思議なアルバムですね。一番にピアノトリオらしい演奏と言えば11曲目の「Monkey Paradise」ですが、高音域でのソロが気持ちよいです。次の「In The Wee Small Hours」もバラード調の作品です。美しい演奏です。この美的センスは、現代の感覚に鋭敏な証拠でしょうか。
 とにかく、先鋭的な現代に対する触覚をうまく音楽的な表現に結びつけているというところは感服します。
ア・タイム・フォー・エヴリシング

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