Lee Konitz『Some New Stuff』 | kumac's Jazz

Lee Konitz『Some New Stuff』

 2000年3月リー・コニッツが73歳の時の録音です。メンバーはピアノレスのトリオ、グレッグ・コーエンのベースにジョーイ・バロンのドラムスです。全収録作品がリー・コニッツのオリジナルです。何処から何処までが曲で、何処からインプロビゼーションが始まっているのか判然としない作品ばかりですが、リー・コニッツ節が好きな方なら、思わずほくそ笑む演奏ばかりです。
 昔の音の鋭さは演奏から消えていますが、その分丸みを帯びて、どんな曲でも自分の形にして、ノリノリで演奏するスタイルは磨きをかけてきてます。フォービートでミデアムテンポで進む曲を見事なまでに手なずけて、自分のスタイルにしてしまうのには、良い意味でも悪い意味でも年期を感じます。
 コニッツの演奏にはベースの役割が重要だと感じているkuamcにとってみると、ちょっと弱いかなと思いますが、ドラムスが放蕩息子のように勝手にぶっ叩くので、変な意味でも良い意味でもアクセントになっています。70歳代のリー・コニッツの典型的な演奏と言っていいのでないでしょうか。
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