菊野克紀 突きセミナー 「濃縮された伝承」 | かつてのこと。

かつてのこと。

2008〜2020まで起きてたこと。

 私は、沖縄拳法空手道師範 山城美智先生に出会えてから8年を過ぎてます。当時の私は北海道住まいでしたので、しょっちゅうメールやメッセージ、mixi などでやり取りをさせてもらって沖縄拳法を学んできました。遠いからこそ、疑問も濃縮され、稽古も迷いなく集中してやれていました。

 5年前、沖縄拳法の稽古会が立ち上がり、山城先生が JKFanなどで連載をはじめたり取材を受けたりしはじめ、DVDも数多く出るようになりました。先生の活躍の場が増えると、出てくる情報、教えも多岐にわたるようになりました。伝統空手の競技、総合格闘、フルコン空手、子供の教育まで。恐ろしいほどの情報を発信する山城先生、ついて行く方も必死です(笑)。

 例えば、『今のMMAにおける沖縄拳法の活かし方』をもう一度習おうとすれば、先生にここ2年以上菊野克紀選手に教え続けてきたことを繰り返させることになります。その労力と時間は、膨大になります。もちろん、完全に余すことなく再現してもらえるかというと、受け取る私たちの力量の差もあり、そういうわけにはいきません。しかし、一つだけ、いい方法があると気付きました。

菊野さん本人から教わること。 

 もちろん、『菊野さん向け』ではあるけれども、彼が今まで教わってきた沖縄拳法の要訣、誰にでも利益をもたらすであろう術理を彼自身にまとめてもらって、伝えてもらおう!それが、『菊野克紀 蹴りセミナー』であり『菊野克紀 突きセミナー』であったわけです。

 前回の突きセミナーでも、

「重心移動スイッチの入れ方」
「三本目の手」
「攻防一体のうねる動き」
「触れれば倒せる突き」
「身体中にある重心を利用する」

こんな重要な要点が、実技とともに菊野さんからの口からポンポン出されてきました。彼が、世界の最高峰の舞台で戦うために大切だと、試行錯誤して、濾しとって、濃縮して、咀嚼して、消化して……。山城先生とは違う単語や言い回しだからこそ、ご自分のものにされたことがわかる沖縄拳法。しかし、ずっと沖縄拳法を見てきた私からしても、「おお!それこそが沖縄拳法!!」と声を出してしまうほど、シンプルに表現された術理。

「今に生かされているからこそ、伝統。続いている、という意味そのもの」

と常々山城先生がおっしゃていることを体感できるセミナーでした。



沖縄拳法三重稽古会では、これからも最先端の選手を招いての特別稽古、セミナーを開いていきたいと思います。
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