製本所ってなーに | くじら製本の日々
「製本所ってなんですか?」
そう聞かれることもそうないのですが、まぁ……製本をするところですね。
むしろ製本しかしないところを製本所と言いますね。

印刷をしていて、社内で製本設備を持ってるところは「印刷所」って呼ばれるんですよ。
印刷もできる製本所、ではなく製本もできる印刷所ってことになります。

このオマケ的扱いに少々ぐぬぬ感がありますが、業界的な位置としては最終工程にあり、素材として印刷物がなければ成り立たない受け身な業種なのでこの辺は致し方ないトコロ。

でも、製本機械と操作技術があればいいので、出版物を扱うそれなりの数量があるところでも家族経営で2~3人でこなすこともあったりするので身軽といえば身軽です。
その身軽さの理由は機械化されていることもあるのですが、印刷以上に細分化されているからで、断裁だけ、ページ順に並べる丁合だけ、ハードカバーの表紙を貼るだけ、という前準備だけをする加工所さんがこれもまた少人数でやっているところが多いです。
製本は100人くらいでかなり大きな製本所になりますが、その規模でもそういった小さな加工所に頼る部分は多く、機械と人が作るのが本だなと、そんな風に思っています。

縁の下の力持ちとして名前も知られずに街の印刷屋さんから請け負うこともあれば、出版社から直接請け負って、奥付に名前が載るところまでいろいろあるのが製本所。
しかも設備によって、製本所でもできる製本とできない製本があったりするのも製本所。

小さな世界ではありますが、ひしめきあって生きています。