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先日、朝までゴーヤのキユーさんから「総集編を作りたいので相談したいのですが……」というお話をいただきまして、装丁案などでご協力をさせていただきました。

有頂天生シリーズ3作+1と設定資料をまとめた総集編を、ということで、5月10日の博麗神社例大祭合わせで登場、とまぁそんな本になります。

製本以外のすべての工程が終了しているので、ご紹介も兼ねてアフタートークをしてしまいましょう、という感じです。


最大の特徴にしてメインになるのがこのカバーです。
有頂天想カバー
使われている印刷色はCMYK+蛍光ブルー+金+マットニスの全部で7色。

遠く、どこまでも遠く、この広い空を表現したい。
この絵の一番のキモであるこの空の広さをどのように伝えるか、というのをまず考えました。

そのためにB6という本のサイズ範囲は広げるわけにはいきませんので、とにかく「遠近感をなくすこと」を第一にしました。(と、いうのも空というものに距離感はありませんので……)

とにかく距離を意識させないように、という形でのご提案をさせていただきました。


距離を感じさせないようにするためにどうすればいいか。

という一つの答えとしては蛍光色があります。
そこで、空はCMYKフルカラーの表現ではなく、5色目としてT&K TOKAの

TOKA FLASH VIVA DX 蛍光インキシリーズ

からVIVA DV 850シアンを選びました。
ブルーではなくシアンとしたのは「空色らしさ」として空らしい濃度を求めたため。
これを網点で構成するのではなく別版にしてベタ刷りとすることでスッキリとした仕上がりになり、さらに蛍光であることが距離感を上手くなくしているのではないかと思います。

紙の反射があっては読み手と絵の間に距離が生まれてしまいますので紙はマットで手触りも発色もよく、それでいてコストもよいAライトスタッフGA-FS 135kg (三菱製紙)に全面をマットニスで刷ることで、より距離感をなくすようにしました。

タイトルは筆書きの金。
ここだけは光沢を失うわけにはいきません。
そのため
金の部分だけはマットニスを引かないように、ニス版は印刷版として絵柄を作成しています。(なのでこれも1色とカウントしています)

もちろん、金も普通の金インキ、DIC621であるニューチャンピオンゴールドではなく、高輝性のあるDICプレミアゴールドを選んでいます。
これだけ力強い筆文字を活かすのであれば、ということで選びましたが、周辺がマットであるだけに輝きを強調できたのではないかと思います。

明るい空と光る金、そして手に取った時にしっとりと来る紙。
有頂天生のストーリーを読み終えた時にも、この選択の理由が見えてくるのではないかな……と思います。

デザインを担当されましたカキヤザクロさんにはこのようなイメージをぶつけ返したため、少々ご苦労をおかけいたしました。


そんな有頂天生総集編「有頂天想」は5月10日、第十二回博麗神社例大祭、L-56b「朝までゴーヤ」にて登場となります。





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手帳表紙

と、いうわけで手帳なんかを作ってみました。
手帳というと、最近は華やかなデザインのものも多く出てきたんですけど、基本的には不透明なビニールでくるんであって、箔押しなどの名入れや無難な柄が多くて、そして一年を通して使う関係上、糸でカガり、ボンドで固め、見返しを貼って表紙でくるみ、そしてカバーをかける、という複雑な工程が必要で、少量を自由に作る、というのが難しい品物です。
そこで、工程を簡略化しつつも強度を確保し、キャラクター性を前面に押し出したようなものを作れないかと、あれこれ思案して作ってみたのがこの手帳です。

表紙はポスト紙でフルカラー印刷の上PPで強度を確保し、ビニールカバーはキャラクターを全面に主張できるように透明なものを選んでみました。
もちろん、普通の手帳として使えるように、手帳週間
1か月ブロックタイプを12か月分と、週間日付は月曜からで隣は1週間を通して使えるメモ欄とした、本格的な仕様に仕上げました。

メモ欄

後半はメモ欄、十分な量を用意して、192Pのしっかり使える手帳です。

本文に使った紙は手書きで書いて気持ちよく、引っかかりも感じない、万年筆で書いてもスーッとインキが吸い込まれていく、帳簿を書くための専用紙、北越紀州製紙の「クリーム帳簿86kg」で、キャラクター性だけでなく、実用性も考慮しました。

試作も兼ねて作ったので、スピンなどの装飾はしていませんし、本文も設計上は自由にレイアウトすることができるようになっていますが、スタンダードに日付とメモだけです。

もちろん手帳として使うことを第一に設計をしましたが、工程を簡略化したことで開きを失っては意味がありません。
ということで、製本方式は「糸カガリ+PUR」という新旧技術を合わせたほとんど例のない方式を採用しました。

カガリPUR
手帳で基本とされている糸カガリは目いっぱい開いても開きやすく、昔はハードカバーの本でも当たり前に見られていた製本の方法。
PURは「ポリウレタン・リアクティブ」といい、柔らかいポリウレタンを材料にし空気中の水分で硬化する、柔軟性に富みリサイクル性を持った新しい製本方式の一つです。
手帳やハードカバーで用いられるエマルジョンボンドを使う従来方式と比べると製本ラインで一貫処理が可能で生産性が高く、その柔軟性は180度以上の開閉にも耐えられるためPP加工をした表紙と併せて、十分な強度を確保しながら手帳としての開閉性を損なわない作りにできたと思います。

強度テストも兼ねて少し厚めのクリーム帳簿を使用したため、手帳としては厚めの11ミリの背を持ち、開きも最初は堅く感じると思いますが、むしろそれがしっかりとした書き味と一般的な手帳に時としてみられた「柔らかくて書きにくい」という部分を補い、手にもって書きやすい仕上がりになったと思います。

もちろん、まだまだ改良の余地はあり、スピンを入れるのはもちろん、遊び紙を入れることや手帳サイズとは別の判型を作るなど試してみたいことは多くあり、その辺は2016年版を作る時に盛り込んでいきたいと考えています。


■ご協力
・手帳本文デザイン(日付・罫線各種)

カキヤザクロ(前転受け身友の会)
http://www.zentomo.net/

・表紙イラストデザイン
本田むいむい(M261)
http://m261.blog.fc2.com/


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お待たせをしておりました、オリョール横断ウルトラクルーズTシャツです。
自分の知らぬ合間に夏コミで話題独占。
最初に作った参加者の中にスタッフさんがいて、まとめサイトにも取り上げられたりしたあの逸品です。
その後も「欲しい」という声多数で、再生産していたものが出来上がりましたので、あきばおーさんで本日から委託が始まりました


オリョール横断ウルトラクルーズ前前側

オリョール横断ウルトラクルーズ後後ろ側

Lサイズ(身丈74、身幅55)
XLサイズ(身丈78、身幅58)

急に冷えてきて活躍チャンスがないようにも思えますが、ご安心ください。
良い生地なので着心地が最高です。部屋着お寝間着にも活躍中なので、この機会にぜひ、楽しいオリョールを夢見てよろしくお願いします

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ニューヨークへ行きたいかー!!
罰ゲームは怖くないか―!!

というフレーズを懐かしく感じるということはそれなりの世代ってことになるかもしれないのですが、ふと勢いのままに今風のものを作ってしまいました。

オリョール横断ウルトラクルーズ

オリョール横断ウルトラクルーズです。(カキヤザクロさん(@z_kakiya)作)

こちら、往年のあの書体を再現されてる
よく飛ばない鳥マルセさん(@maruse_xijaxs)クイズフォント「QUIZ SHOW」を使っております。

そしてなんとなくロゴをでっちあげたりポチポチと作ってみたりしたところ、あれよあれよと話が進み……

Tシャツ案

Tシャツを作ることになりました。

ヒコーキをご提供いただいたのは
みずきひとしさん(@hmizuki)
ロゴ作成からトータルのデザインは
カキヤザクロさん(@z_kakiya)
にそれぞれご協力をいただきました。

特に背面になる「楽しいオリョール行」はなるべくのできるだけ忠実に、と言うことで楽しいオリョール

何度も何度も確認し、作り直しはなんと19回……勢いと思いつきでやるにはやりすぎた気もしないこともないですがとても良いものができたと思います。

引き返せないところまで来たなーという感じではありますが、あくまでもお遊び、と言うことで
洒落の解る方の分だけ作ります。(お申込みいただきました皆様、ありがとうございました)
申し込みし忘れたり欲しいというお話をたくさんいただきましたのでもう少し作りました(9月10日追記)


しかし、行きたいかーっていうか最初から罰ゲーム感があって何とも言えませんねコレ……

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仕様ノート(装丁打ち合わせメモ)
製本の仕事は本業で、基本的には指示書通り作る毎日ですが、依頼や相談があれば同人誌の装丁・造本も少々やっております。

この間同人誌の表紙作って好評だったので、デザイン過程など
という同人誌のデザイン・装丁の作り方が回ってきて、ついったーでまわりが盛り上がっていたので、その後工程側としての「装丁・造本の組み立て方」みたいなアプローチでちょっと書いてみようと思います。
デザイン・装丁と装丁・造本……デザイナーさんがやる場合は両方だったりするので、いわゆる製造側からのアプローチというのは参考にならないと思いますが、作るにあたってはこんな感じです

・必要な情報
1、想定予算と予定数量
2、上限予算
3、作りたいイメージや雰囲気

僕のような立場で請ける場合は作家さんとして作りたい形は大体出来上がってると思うのでこのくらいで大体事足ります。印刷会社の営業さんにお願いするときもこの3つは最低限あるとよいと思います。

想定予算と予定数量は予算と数量の規模によってできることと1冊単価が大きく変わるのでコレは必ず必要です。

上限予算はここに合わせて儲けようというのではなく、したいと思っていたことと予算が合わない場合は案としては切り捨てになってしまい結果として装丁の幅が狭くなるため、予算とは合わないけどこういう方法もありますよ、と言えるためのものです。
賃貸住宅を探すときみたいな感じですね、予算オーバーだけどちょっといい部屋ですよみたいな。

作りたいイメージや雰囲気は材料や製造方法を選択する重要なもので、たとえばコットン調の紙を表紙にして読者がふんわり作品を包むように手に取ってほしいとか、見開きを目いっぱい開くインパクト重視でクーター貼りにするとか、実際の仕様をどうするかの時に重要です。

ただ、最終の仕様決定の補助のような形なのでデザインや基本的な仕様部分なんかは大体作家さんが決めてきています。その範囲をあまり超えないように(データを大きく作り直さなくても済むように)雰囲気や本の造りを決めていきます。
そのため、基本的には印刷から製本仕上げまで引き受ける形で設計と見積もりをします。
と、いうのも使いたい会社やセット仕様があるならそこから選んで作るだけなので、そしたら僕に相談したりする必要がない、と、ただそれだけの話です。
セットやパックに制限されずに自分の1冊を作りたい、でもなんかイマイチ決めきれない……そんな時にお話をいただいています。

・連絡手段
ほとんどがskypeです。しかも文字チャットのみ。
これは数値的な話と額面的なモノが多いのと参考写真やラフイメージをバンバン飛ばしあって話すので、会話だとニュアンスが逆に伝えにくい、という状態のためです。
実際に会って話すときも現物資料を山と抱えてアレがいいこれがいい、と話します。

仕様についてはノートにまとめて、どの案を検討してどのように作るかというのを書いておきます。
最終的には仕様書としてエクセル組版をして見積書と共に渡す形ですが、これもメールだとはじかれる可能性があるのでSkypeで送受信したりしてます。

使っているのはB5のリングノートでアシストラインという縦罫がうっすら入ったタイプのノート
これに書いていくわけですが、面付けなどは何度も書き直すのでノートタイプの付箋に別に描きます。後で清書でもいいんですけど……大事なことは人に見せるものである、ということなので仕上がりきれいになるようにしてます。(あとで見返した時に自分が困る、と言うのもあるので)
デジタルで作ってもいいのですが、簡単な図や面付計算なんかはバババーっと手で書いた方が早く、現場との相談の時もその場でペンで書けるので手書き派です。

製造手法がそのまま予算とぶつかっていくので、用紙の紙目が逆なら何面つくのか、6面なら6面、1000部なら1000部でどうすれは最安値の構成で希望の形になるか、とあれこれ計算しながら作っていきます。
印刷会社とも直接話しているので、たとえば特殊紙で3面取れるけど100枚が実数で印刷予備が200枚になるなら、3つに切って1面にして予備50枚に減らすことはできないか、なんかを相談してできるだけ効率よくできるようにしています。
結果的に機械よりも手作業が安くなると思えばその辺の仕様も手作業に合った形に変えたりもします。

ヒドイ例だと本文が320Pピッタリで奥付やあとがきなんかを入れると印刷代が上がってしまうので、カラー口絵の扱いを4Pから8Pに増やして印刷所に「用紙予備分で賄ってくれー」と、フルカラー奥付にして総額に変化なし、なんてこともしたりします

・制作進行
大体の期間は3か月、長いのだとテストしながら仕様を詰めていくので半年や1年かかるものもあります。
打ち合わせして候補を決めて、設備がない場合はあるところに見積もりを出してもらって、見本や仮サンプルを作成して詰めていきます。
印刷しない状態で仮の本を作り、質感やサイズに背幅なんかもきっちり出して、イメージと合っているかを確認します。こうすると作家さんは実際に出来上がってくるイメージを持ててテンションが上がるってこともありますが、個人的に言った仕様で合ってるかビクビクしながら作っているので、安心するために作っているところもあります。

実際に会うことができない場合はサンプルを郵送したりするのでその期間の分も伸びます。
途中予算でくじけたり、初期想定と全く違った方向へ行くこともありますが、大事なことは

「読者に何を伝えたいか」
で、この部分で作家さんの希望を生かしつつ、驚きや感動を添えていけるように考えていきます。装丁造本も含めて本であり、1冊の作品、となるように作ります。

・報酬とか
印刷手配から納品までなので、基本的には見積に全部含まれます。
含まれるといっても自社作業を入れることで本業化するわけなので実質ゼロですね。
設計だけなら大体製造費の1割程度と考えていますが、設計だけという話は今までないので実際に来た時の労力でその時に考えます。
ただ、協力工場の設備やらの関係で印刷費等々の総額としてはだいたい500部以上で20万から……というのが一つの目安でしょうか。
もちろん100部から設計したこともありますので可能は可能なのですが……普通じゃない本を作りたい!って特殊加工を組み込もうとするとどうしてもそのくらいにはなってきますね(汗

セットやパックを見比べて特殊加工を探して、自分の本にどうやって組み込んでいくか……とそれもまた一つの楽しみではあるのですが、逆に漠然としてしまい、結局いつもの形になる……なんていう時には、印刷会社の営業さんに相談してみると自分の知識を超えた新しいイメージがふっと湧いてくるかもしれません。

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