【後編】世も末だ…「クレームをつけるが勝ち!」と勝ち誇る、悪質クレーマーに気をつけろ! | a.k.a.“工藤明男” プロデュース「不良の花道 ~ワルバナ~」運営事務局
■奥義・クレーマーは常に被害者たれ!

そんな平田も、いつもこんなことをして生活しているのだから、悪質なクレーマーとして警察に被害届を出されたりしたこともある。現役のヤクザなので不利な面もあるだろう。冷や冷やしたことも何度かあったと聞く。

しかし、そこでも徹底的に突っぱねたらしい。一部始終の会話を録音しているので脅迫や恐喝をしていない証拠がある。なので、平田は捕まることもなかったし、裁判になることもなかった。クレームの内容について平田の正当性が認められているのである。

平田は言う。

「クレーマーの奥義って、こちらが被害者だということなんだよね。そして自分から金を絶対に要求しない」

そう、タクシーの件では腕をドアにぶつけられた。ジュースの件では商品が缶がへこんでいたり、出てこなかったりした。工事現場の件では騒音で迷惑をかけられた。その大義名分があり激しく怒れるのだ。

自分の正当性を主張し、相手には被害をこうむったことを説明する。金は要求しない。恐喝になってしまうからだ。あくまで平田のクレームは相手に誠意を要求したら、勝手に金を渡されただけということである。それで数千円から数万円を合法的にぶん取るのだ。


■元手なし、誰にでもできるからこそクレーマーは怖い

平田が喫茶店のテーブルの上に置いた腕のワイシャツの袖をやたらとテーブルにこすりつけている。平田が大きい声で店員に話しかけた。

「店員さん、ちゃんと掃除してないでしょここ。テーブル綺麗に拭いてないからワイシャツ汚れちゃったよ。店長呼んで」

この後、平田には店長からクリーニング代として1万円が封筒に入れて渡された。クレームに対し、相手が勝手に出してきた金である。

「こんなもんだよクレームなんて。もう自然に思いついちゃうんだ」

平田のクレーム技術は本物である。

そう、誰にでもクレームを思いつくことは簡単にできる。元手もかからず、生活の中で無限に生み出せる恐喝術である。「ちょっと美味しい目に合いたい」「溜飲が下がった」、そんなきっかけで誰しもがクレーマーになってしまう時代かもしれない。

あなたの近くから強烈なクレーマーが出てくるかもしれないので、お気をつけて。
(取材・文 山口祐二郎)

【前編】世も末だ…「クレームをつけるが勝ち!」と勝ち誇る、悪質クレーマーに気をつけろ!」も読む

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