近未来東アジアSF超短編小説 | 気になる映画とドラマノート

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 第二次世界大戦後のアメリカの眼前にあったアジア情勢は、蒋介石資本主義中国とアメリカの同盟。そして、これに対抗する孤立するソ連があり、壊滅した日本があった。

 


 

 アメリカは、その壊滅した日本人に、「ウォー・ギルト・インフォメーション」すなわち、日本人の戦争に関する不道徳性、過ち、侵略性の自覚教育を検閲と教化を実施して誘導した。

 


 

 ところが、事態は、蒋介石政権が、毛沢東共産党に敗北し、北朝鮮が成立したため、アジアは一気にソ連・中国優位に変化して、なお韓国国内の共産主義勢力、日本国内の共産主義勢力、東南アジアの共産主義の勢いが抑えられなくなってきた。

 


 

 ソ連からの日本の共産主義者への資金援助、東南アジアの共産主義者への中国の援助がひっきりなしに続いた。

 


 

 やがて、中国とソ連の国境衝突が起こり、死者が双方に出たのを境に、中国は、ソ連の技術と資金援助をあてにできなくなったこと、アメリカはソ連と東南アジアの孤立を図る事を目的に、中国と接近した。

 


 

 また、日本との貿易摩擦で不況に陥っていたアメリカの産業を中国との輸出入を開始することによって改善する思惑もあった。

 


 

 だが、この思惑は、ソ連の解体と東南アジア共産主義の封じ込めで成功するものの、後に、日米二大先進国が、中国に資本を一気に投下し、留学生を日米が受け入れたために、中国の急激な発展を可能にし、中国は軍事大国化することになる。

 


 

 アメリカは、最初の思惑の、日本をアジアの一農業弱小国にする、という方針を持って、憲法を授けた時、改正条項を衆参両院に3分の2の発議という事実上、修正不可能な条件を付与したが、自民党は、この憲法が占領期間中に発布されたものであった事から、自民党党是を、憲法改正とした。

 


 

 ところが、ここで奇妙な事が起こったのは、選挙民は、自民党党是が「憲法改正だ」という事実を知らない者がほとんどで、知らないままに、わが自民党は平和主義です、という説明をして選挙民の支持を得ようとする、地方利権の国会議員が多数、自民党入り込んだ。憲法改正は、もう戦争はごめんだ、と言う祈りの強い国民を前にして、社会党との選挙戦に勝てないと考えた自民党議員は、自民党もまた、平和を願っていると憲法改正を先送りし続けた。

 


 

 一方、停滞する社会主義を、はるか突き放すように、経済成長し続ける日本を前に、労動者、農民の生活向上は、社会主義、共産主義の連立政権の成立を永遠に不可能にさせる、と予感して、毎年、大不況と失業者のあふれる状況の出現を願望し続けたが、石油危機、通貨危機を日本経済は克服し続けた。

 


 

 その日本経済の克服の過程で、反体制知識人、朝日新聞、NHK、労動組合幹部たちは、自分たちが、反体制思想を売ることによって、セレブ化して、満足している自分を見出した。

 


 

 日米の貿易摩擦が激化した頃、来日したアメリカのキッシンジャーも、ソ連のゴルバチョフも、日本は9条を堅持するべきだ、と日本の自立を牽制して、日本の外交力の強化を食い止めて、日本がまだまだ、外交上の弱みを持つ国家、与し易い国家で在り続ける事を望んだ。それは、韓国、北朝鮮、中国にとっても同じ願望だった。

 


 

 やがて、日本の自民党は、金権政治にまみれて、国民の信頼を失い、単独与党政権を維持できなくなると、政権に踏みとどまるための苦肉に策として、革新政党、フェミニズムの思想を自民党の政策に取り入れ、盛んに侵略と植民地支配を謝罪するようになる。

 


 

 こうした中、2015年になると、北朝鮮のミサイル開発が進展し、中国の原子力空母開発の意欲など、脅威が高まり、アメリカにとっての新時代のリスクが出現した。

 

 憲法9条に縛られる、あまりにも機動的対応の劣る日本が、中国に取り込まれれば、当然、韓国は中国に依存せざるを得ず、やがて日中朝鮮、台湾、ロシアの反米5カ国同盟が出現して、さらにフィリピンを簡単に中国化してしまうという異常事態が、現実のものとなりかねない、というリスクである。


 そして、その中国の圧力に屈した日本は、北朝鮮との国交回復交渉を全面的な過去歴史謝罪と賠償を韓国への深い謝罪と賠償を行うことによって、中国、朝鮮半島からの孤立を回避せざるを得ない。


 この時、ついに、朝日新聞、毎日新聞は、大江健三郎、落合恵子、香山リカ、上野千鶴子らは、これで日本の犯罪責任の追及は最終局面を迎え、日本は東アジアとの戦争をする危険性は限りなく低くなった、と歓喜の雄叫びをあげることになる。


 そして、東京大学社会学部教授の、宮台真司は、「僕は原発推進派ですが、日本は管理能力がないから、「日本の原発」に反対しているだけです、の言葉通り、アジアの原発は、韓国、中国が主導して、日本人は、長年の原発反対運動のにより、原発研究が廃れて、すべて、韓国、中国が日本を指導することになる。


 と同時に、日本は、日本の反对制運動に押されて、原発を完全放棄して、そのため、ロシアから、天然ガスと原油を高値で購入せざるを得ず、その代わり、社会福祉費、医療費、教育費を削り、一方、韓国は、原発の輸出と国内のエネルギー効率を高め、電力コストの低くなった、韓国の製造業は、日本の青年を研究開発部門高給与で採用して、日本との特許競争力を強化していく。


台湾を制圧して、ミサイルを沖縄に向けた状勢に押された日本は、欧米との友好関係強化のために、日本は全面的に韓国、北朝鮮に謝罪と賠償を実行し、完全に国際社会の女性の人権を重視する国家になったことを示して、孤立を回避するべきだという朝日の社説を受け入れて、国会決議で謝罪し、首相がナヌムの家で慰安婦に土下座する様子が全世界に中継され、辻本清美がこれで長年の願いが叶いましたとむせび泣く。

 

 戦後、アメリカ、フランスからフェミニズムを学んだ日本の女性知識人たちは、アメリカ、フランスの女性知識人らが、ソ連の収容所などの現実を知るとともに、フェミニズムを衰退させて行き、女性の社会進出はもっぱら、企業のキャリア、国家官僚、地方、あるいは国政の国益擁護者となって行ったところを、日本の女性の場合、ひたすら、反体制思想のラジカルな追求に邁進して、反核・反原発・戦争犯罪の女性に対する抑圧の告発という観点から、日本とアジア女性のリーダーとなる道を選んだ。


現在、日本は、韓国、中国の青年を含めて、かなり広範囲な国々の青年層が、日本の文化に好意的関心を持ち始めており、さらに、日本の特許収入は世界のどの国との関係においても、圧倒的な黒字状態が続いている。また、工作機械、工場機械、省エネ設備などが、日本が世界シェアの単独一位で、日本の供給なしには、世界の製造業がまわらなくなっている。


 これに危機感を覚えるヨーロッパのジャーナリズムと在米中國人、在米韓国人が、日本の歴史問題を種に日本人のイメージをディスカウントしようと必死になっている。


 世界は腹黒い事に日本人は気づかない。