大河ドラマ江とその時代 | 気になる映画とドラマノート

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大河ドラマ江の中で、草刈正雄が演じているのが、徳川家康の側近中の側近本多正信だ。

本多正信は、家康、秀忠両御所に奉仕して、乱には軍謀にあづかり、治には国政を司り、と言われた。

国政を掌握して17年、家康が没すると、その二ヶ月後、正信は没する。享年79歳だった。これが草刈正雄の演じている人物。
ところが、この正信の息子、正純が人生の転落を辿って行く。

本多正純は知略と度胸に長けており、福島正則を謀略によって改易に追い込んだ功績により、宇都宮15万石の太守となる。
ところが、好事魔多しとはこのことか、と思うほど、正純にとって、この宇都宮行きが大つまずきのはじめとなる。

偶然、この宇都宮藩主は秀忠の命令により、古河に移ることになったのだが、その藩主の祖母がじつは、秀忠の異母姉加納殿で稀代のわがままおばあさんだった。

加納殿は宇都宮から古河に移るのが嫌で、嫌がらせに、障子から庭の木、竹に至るまで、抜いて持って行こうとした。

怒った正純は、これを差し止めたので、加納殿は腹の底で正純憎し、と以後、正純の落ち度があれば指摘しようと待ち構えることになる。

正純は、秀忠を宇都宮に招待するために、新たに城を増築しようとするが、その時、家康が正純に与えた家来、根来衆が正純の命令に言うことを聞かなかった。

我らは軍事の用に派遣されてきたのであって、城増築のような私事を手伝いに来たのではない、と言った。
正純は根来衆を百人斬り殺してしまった。これは、家康の配慮をむげにするもので、問題な所業だった。

さらに正純は、増長からか、宇都宮15万石にふさわしい武具を揃えるよう、面倒がって、幕府に黙って、堺から鉄砲を取り寄せる。

これを加納殿が、秀忠に通報したのである。
秀忠の使いに、謝罪すれば良かったが、正純は意地を張って、宇都宮を没収して5万石にするなら、いっそ千石にすればいいではないがと開き直る。

これに秀忠は激怒して、そうでるなら、そうしてやろうと、正純は雪深い出羽国横手に追われ、寂しい14年を失意のうちに送って、73歳の生涯を閉じる。

加納殿という意地悪婆さんに翻弄された晩年だった。