ファンジニ最後の試練チンギは長年にわたって、師匠の人間的にゆるされざる罪を糾弾してきたのだが、師匠が死んでしまってはじめて、師匠を倫理的に責めた自分こそが、(師匠の生涯の誇りと希望の源泉であった鶴の舞の舞譜を冷酷に否定し去った事)冷酷で許すべからざる罪を犯したことを思い知り、意識を失う。この精神の危機は、大衆ドラマ史上の最高峰に達しているというべきだ。 ああファンジニ。チンギよ。