露出ではなく、関与にペイする。
(読者の皆様、毎度ありがとうございます。ものすごく、眠いのですが、エントリーをあげてから1回帰ります。なんかよくわからないくらい反響があって、ビックリしてます。ありがたいことです。)
アドイノベーターの織田さんが、5月下旬に「主協」主催のセミナーで行った基調講演。「欧米で広告の評価基準が変わりつつある」という話。その中で、一番瞠目したのが、下記の概念です。一昨日のH大での講演も、同じテーマだったそうで、今から、これから、しばらく重要なトピックになってくるはずです。それが、広告の新しい効果指標=エンゲージ、です。
「エクスポーズ(露出)から、エンゲージメント(婚約とか、関係成立とか)へ」
これ、考えてみれば、なるほど、当たり前だよな、と思うわけです。こんなに、情報が過剰に露出している昨今の世の中で、「広告を出稿しました。〇〇単位、露出しました。」だけじゃあ、広告屋として仕事になってない。今までも、たしかに、いわれはしました。CMを打ったのに売れないじゃないか!とか、調査しても好意度が上がらないじゃないか!とか、だから代理店変えるぞ!とか、制作変えろ!とか。。。
しかし、僕が、織田さんの講演から感じた、状況の「変化感」は、そういうことよりも、もっと「シビア」なものでした。それがタイトルの「広告露出にはペイせず、ユーザーと結ばれた関係にのみペイする」っていう考え方です。すでに、検索広告などは、こうなってますよね。クリックされなければゼロ円、クリックされれば〇〇円。
この感覚が、一般の人にあたりまえのものになり、そして、広告主にとってもあたりまえになってくると、マス広告に対する見方も、はっきり変わってくるでしょう。評価が変わり、ペイが変わるはず。ユーザーに届いてるかどうか、チェックできない広告に、莫大なお金を払うということに、得意先が疑問を持ち始めています。
インタラクティブな広告では、すでに、あたりまえに突きつけられてること(アクセス数とか)ですが、同じ「意識」で、非インタラクティブな広告も裁かれるようになると、キツいっちゃ、キツいですよ。ぶっちゃけ、広告主にとっては、エンゲージの方が絶対ありがたくて、広告会社+媒体社にとっては、エクスポーズの方が絶対ありがたいわけですから。
ただ、状況は激変しつつあって、欧米の人たちは、新しい国際基準を打ちたてようと、画策中だそうです。
この話を聞いた時に、なんとなく夢想したのが、バズやCGMの未来像でした。それは、従来の視聴率(=それ前提の課金)を信用できなくなった広告主にとって、CGMというモノが、逆向きに反射された「リアルな視聴率」みたいなものとして計測されて、それが広告会社がお得意先からお金をいただく際の、エビデンスのようなもの、になってゆくのかなあと、。
それがあって始めて、TVCMを打つことを、経営者に対して主張できる、っていうか。クロスメディアの、ひとつの、あんまり嬉しくない「完成形」として、の未来イメージ。(いや、すでに、そうなってるのかも、しれませんが)
マス広告制作者の方たちで、この迫り来る現実に、真剣に冷や汗かいてる人って、どのくらいいるんでしょうね?意識の高い人も、勿論多くいます。ただ、インタラのあたりにいると、こういう話がすごく多いのですが、場所が違うと、入って来ない情報もありますしね。、、意外と「そんなのは、営業が考えりゃいい」、、くらいにしか思ってないのかなあ。。。それだと、怖いなあ。