学会ということで札幌に滞在していたわけだったが、

結局のところ、札幌観光と釧路帰郷の為だけに行ったようなものだった。


酒精に浸った旅路では、幾多の人々に多大なる迷惑をかけ、

またひとつ、僕の悪名に汚名と恥を、まるで輪島漆器のそれのように

丁寧に上塗ることに相成った。


もっとも迷惑をかけたと目される人物は3人、すなわち

大学の後輩K沢君と、高校時代の悪友C田氏、

そしてJRの駅職員である。


酩酊し、完璧に前後不覚に陥ったまま、逆の電車に乗ってしまい、

終電の過ぎた真駒内駅で立ち往生を余儀なくされたときには、本当にココで死ぬかと思った。

小田原には漫画喫茶があるが、真駒内にはアイススケートくらいしかないのである。

パニックに陥ったまま、C田に電話をし、バイト中の彼に救助を要請。

実に2年ぶりの再会は、考えうる最低最悪のシチュエーションで果たされた。


車内でそれとなく近況を話し合い、

せめてものお礼にコンビニで大量の弁当やらお菓子やらを買ってあげた、

お会計締めて3800円


そもそも、タクシーではなく友人を頼った理由が、

「タクシーで帰ると3000円近くもかかる」のが勿体無かったからだ、

明らかに出費が初期の予定を超過している。

僕は一体何をしたかったのか、今もってその真意は判然としない。



ホテルに着いたあと、オートロックの鍵を解く必要があるので、

ロビーでカードキーの再発行をしてもらう、

時刻は深夜の3時半、さすがに同室の後輩を叩き起こす訳にはいくまい。

こっそりと部屋に侵入しようとしたが、再発行にミスがあったのかドアが開かない。

もう一度ロビーに戻り、カードをもらい、リトライした。


開錠


・・・ガン!!

???うそん。

実は最初の侵入未遂でドアノブをガチャガチャやりすぎたせいで、

寝ぼけた後輩を不安のどん底に叩き落していたらしい、

すわ、変質者か強盗か、はたまた妖怪が迷うて出たかと勘違いした後輩K沢氏、

寝ぼけた頭で、ドアのチェーンロックをかけてしまったのである。

これでは、こっそり侵入できないではないか!!けしからん


結局後輩を不本意ながら叩き起こさざるを得なくなり、

真冬の石狩川の水温のような冷たい目線を浴びることになった。

後悔と反省しか残らない。



最終日に便利性を図ってコインロッカーに入れた荷物は、

僕が寝台車で釧路に到着するまで放置されていた。

つまり、荷物も持たずに僕は釧路に帰ったのである。

つくづく、酒とは恐ろしい飲み物である。


後日、さっぽろ駅の職員に、荷物の尻拭いをさせ、

厚木に着替えを郵送させて、札幌における旅行は終了した。


つくづく、人に迷惑しかかけてない。

猛省・・・・とほほ