4月29日(日)は、第145回天皇賞・春 | 競馬予想:予想師・紀伊國屋のJRA重賞予想

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狙いは三連複、軸馬は二頭、予想は三点、都合5頭で勝負を掛けることを
潔いとする。果たしてどうか、今週は!!

第145回天皇賞・春:4月29日 京都競馬場
発走15:40

一番人気が不振には理由がある
距離適正に適った馬が今年は勝つ


人気馬をどう評価するか
阪神大賞典のオルフェーブルをどう評価するか。私は勝ち負けになる馬だと思っているが、勝てる馬かと訊かれれば、難しいだろうと答えるしかない。長距離は力があるだけでは勝てないのである。ゴルフが飛距離があっても勝てないのと同じように、その適性がなければ勝てないのである。つまり、鞍上のいうことをどこまできちんと守れるかなのである。騎手と喧嘩するような馬では勝てない。だから難しいと言える。
順調なローテーションとなれば阪神大賞典組だ。距離も1ファロンしか変わらない。しかし、次は大阪杯を上げる。タフさだけを頼りにした走りができなければ、大阪杯を勝つことができない。この番組の中間を楽に走らせることができれば大阪杯の馬も侮れないのである。理想的には2400m戦をきちんと走りきって、勝ち負けになっていること。それが京都ならば好都合である。その時の上がり時計が34秒前半なら、この番組でも勝ち負けになる。ただ、追い込みが戦法となっている馬は勝ち負けまでは厳しい。タフな番組になるほど、前々の競馬ができないと勝ち負けにはならない。この点を忘れずに考えるべきだろう。

馬名 性齢 斤量 騎手名 PRE 鬼結
1 1 ビートブラック 牡5 58 石橋 脩    
1 2 トウカイトリック 牡10 58 幸 英明 10  
2 3 ナムラクレセント 牡7 58 和田 竜二 9  
2 4 モンテクリスエス 牡7 58 松岡 正海    
3 5 ジャガーメイル 牡8 58 四位 洋文 11 捨馬
3 6 ゴールデンハインド 牡6 58 荻野 琢真    
4 7 ユニバーサルバンク 牡4 58 田辺 裕信    
4 8 ギュスターヴクライ 牡4 58 蛯名 正義 5 △2
5 9 コスモロビン 牡4 58 柴田 大知    
5 10 ケイアイドウソジン 牡6 58 川田 将雅 12  
6 11 ウインバリアシオン 牡4 58 武 豊 2
6 12 クレスコグランド 牡4 58 浜中 俊    
7 13 フェイトフルウォー 牡4 58 柴田 善臣 5  
7 14 ローズキングダム 牡5 58 後藤 浩輝 7 捨馬
7 15 ヒルノダムール 牡5 58 藤田 伸二 4
8 16 トーセンジョーダン 牡6 58 岩田 康誠 3 △1
8 17 トウカイパラダイス 牡5 58 柴山 雄一 8  
8 18 オルフェーヴル 牡4 58 池添 謙一 1

●主線はこの二頭の勝ち負け
言うことを聞かない。阪神大賞典前の池添謙騎手のインタビューだった。それが見事に的中した。父系の影響とは思えないので、母系の影響なのか。単なるやんちゃなのか。その結論は出ない。馬も生きものなのである。何が不満なのか判らないが、反抗したいのである。しかし、それを含めても今のオルフェーブルの強さは無敵だと言っても良いだろう。勝ち負けになることは必至。この馬を軸に据えて良い。対抗にはウインバリアシオンを挙げる。しっかりとした馬格が一段と冴える。大きな馬格を活かした走りが、この番組でも見ることができるだろう。肝心なことは、共に58キロは初斤量と言うことだ。その負荷がどこまで影響するかは想像の域になる。走ってみなければ判らない。しかし、これまでの天皇賞・春を考えれば、終い勝負になることは明白。そこでどこまで脚が使えるのかは、この二頭の実績に問うしかない。答えは、十分に通用するはず、となる。
●番手にはこの三頭を挙げる
正攻法で出走して来たヒルノダムールを挙げる。阪神大賞典では行き足が月掛けた直線で不利を受けた。運が悪かった。藤田騎手にしても不本意だったろうが、それが多頭数で走る時の命運なのである。勝たなければ意味がない世界にいる以上、そうなることは予め想定しなければならない。今回はその雪辱を果たすだろう。また、大阪杯から回ってきたトーセンジョーダンだが、課題は道中。そのスタミナの使い方、言うなれば遅筋を使って走ることができるかということだ。終い勝負の展開になれば、この馬の勝ち負けは侮れないことは確かだ。そして、ギュスターヴクライを挙げる。この馬の課題は斤量だ。58キロは当然ながら、皐月賞、菊花賞にも参戦していないことから、57キロを経験せずに、いきなりの2キロ増となる。この加重がどうか。確かに阪神大賞典の走りは良かった。が、その脚が使えることとなるか、実に難しい。果たしてどうか。
●取捨選択を迷った二頭
ジャガーメイルは御年八歳。人間で言えば四十路近くとなる。詰まらない走りとはならないだろうが、勝ち負けに絡むとなると話が違う。良くて5着、悪ければ二桁ということになってしまうのではないかと思える。が、調教VTRでは抜群の走りなのである。もしかすると、と思わず考えてしまいそうになる。が、この番組は「タラレバ」は通用しない。また、すっかり精彩を欠いてしまったローズキングダムだが、何かが違うのである。燃え尽きたという訳ではないが、それに近いものがある。勝つことに飽きてしまったというほど勝ってもいない。終わってしまったということになるのか。評価が難しい二頭である。

●捨てちゃえ馬
やはり、この番組でジャガーメイルの出番はない。勝ち負けまでは無理だ。また、ローズキングダムも距離が延びることが好走に繋がることはない。やはり、出番がないだろう。然るに、ここではこの二頭は要らない。故に捨てる!!


●今週の買い目!!鬼結!!
鬼結 馬名 性齢 斤量 騎手名
18 オルフェーヴル 牡4 58 池添 謙一
11 ウインバリアシオン 牡4 58 武 豊
15 ヒルノダムール 牡5 58 藤田 伸二
△1 16 トーセンジョーダン 牡6 58 岩田 康誠
△2 8 ギュスターヴクライ 牡4 58 蛯名 正義
捨馬 5 ジャガーメイル 牡8 58 四位 洋文
捨馬 14 ローズキングダム 牡5 58 後藤 浩輝


●結果
【配当】 【着順】 【時計】
単勝 1 15,960円 1 1 ビートブラック 3.13.8 36.5
複勝 1 3,720円 2 16 トーセンジョーダン 3.14.5 34.0
11 350円 3 11 ウインバリアシオン 3.14.8 33.5
16 400円 4 5 ジャガーメイル 3.14.9 33.6
枠連 1-8 3,580円 5 8 ギュスターヴクライ 3.15.1 34.4
馬連 1-16 61,570円 6 7 ユニバーサルバンク 3.15.3 35.2
ワイド 1-11 8,870円 7 6 ゴールデンハインド 3.15.3 37.8
1-16 8,400円 8 2 トウカイトリック 3.15.4 35.0
11-16 760円 9 3 ナムラクレセント 3.15.6 35.6
馬単 1-16 208,630円 10 17 トウカイパラダイス 3.15.6 34.5
3連複 1-11-16 97,140円 11 15 ヒルノダムール 3.15.6 34.0
3連単 1-16-11 1,452,520円 11 18 オルフェーヴル 3.15.6 34.0
  13 13 フェイトフルウォー 3.15.7 34.8
14 9 コスモロビン 3.15.7 34.2
15 14 ローズキングダム 3.15.9 34.0
16 10 ケイアイドウソジン 3.16.4 35.8
17 4 モンテクリスエス 3.16.5 35.4
18 12 クレスコグランド 3.18.6 36.6

孤高の馬、孤独な騎手
競走馬は勝つことが宿命である。オルフェーブルは勝ち続けることに意味を置かれた。熱い期待で望んだ天皇賞・春。結果は12着。阪神大賞典の事件を嫌って、陣営の判断、騎手の考えも手伝って、後方に下げることにした。少しでもちょっかいを出されると御することに苦労をすることが目に見えたからだ。この考え方に馬の気持ちがなかった。「彼」は単に気持ち良く走りたかっただけだ。なぜ、後方待機策を強いるのか。それはお前が短気を起こすからだ。その思いは「彼」には届かなかった。
ちょっかいを出す。出すつもりではなくても「彼」にはそう映るのである。だから、気持ち良く走ることだけを望んだ。が、それができない。「村人」たちは、自分が勝ちたい。誰もが勝つためにできる限りの「努力」を払う。誰もが必死だ。
当然の如く、池添も必死だ。一番「彼」の力を信じていただろう。だから、万全の策を採って、後方待機とした。「村人」たちの羨望を一身に受けて、戦いに臨んだ。仲間だった「村人」はいつの間にか羨望の矢を放ち、嫉妬を力に襲い掛かってくる。「すべての敗因はボクにある」と池添は項垂れた。理解も誤解、誤解も理解。その壁は厚かった。
感傷に浸っている時間はない。凱旋門賞を改めて検討する必要がある。次代を考える時間も必要だ。しかも、すべて無事にこなさなければならない。期待をされ続けている以上、応えなければならない。その戦いがまだまだ続く。