聴く、ということは、
相手の考えていることを知るということ。 
 
伝えることの難しさは常に意識していたが、
受け取る側・聴く側にも、
難しさや課題があることを認識し、
努力したいと思った。  
  
 
先日の企業研修の、
受講者様の振り返り用紙に書いてあった言葉。  
 
聴く、という漢字は分解すると、
十四の心で耳をかたむける、とも見える。 
 
14の心とは、例えば、
 
受容する心
共感する心
好意的な心
肯定する心
興味を示す心 
ゆったりした心
信頼する心
優しい心
誠実な心
明るい心
公平な心
理解しようとする心
感謝の心
先入観のない心
 
こういう気持ちで、
相手をよく観ながら耳をかたむけるために、
 
私はできれば、
会って話がしたい。 
 
できるだけこういう心をベースに、
あらゆる感覚を研ぎ澄ませて、聴きたい。  
 
聴力にハンディのある子を授かって、
聴、という字を見つめて見つめて、
考えて考えて、
求めて求めて、
感じて感じて、 
 
全然それでもできていないけれど、
そうありたいと思い続けてきた。  
 
将来、
言葉を明瞭に発することができないかもしれない、
重度難聴の息子に対して、 
 
耳に聞こえてくる言葉だけではなく、
目に見える文字面だけでなく、 
 
実際には聞こえてこない、
心の声も聴ける親でありたい。  

そう思い続けて20年。 
ずっとそのことを大切に思ってきて、
 
20年、それを意識してきたのに、
それでも
相手の声や心を全然聴けていなくて、
 
思いやりのないことや、
心遣いのないことや、
ゴーマンなことをしていて、 
 
誰かを傷つけていたり、
嫌な想いをさせていたり、
それに気づいてもいなかったりして、
そんな自分が果てしなく情けなくなる。  
 
研修でも、人様に伝えているのに。
自分が実行できてない。
これほど情けないことはない。
  
 
もしかしたらそれは、
完璧にできることでもないのかもしれない。  
 
でも、そうしよう、
と思いつづけることだけは、
諦めたくないと思ってる。 
 
大事なものを大事にするために、
ずっと諦めなかったこと。 
 
だからこれからも、
大切なものを大切にするために、
諦めたくない。
    
 
14の心を持つために、
一番簡単なことは、 
 
にっこり、していることだと思ってる。 
 
息子が、大学進学の際に、
下宿への引越しを手伝いに行った時、 
 
持って行った荷物の中から、 
私が以前、
沖縄土産に渡したシーサーが出てきた。 
 
彼はこれを、
中・高の寄宿舎の部屋にも飾ってた。 
 
にっこり。 
できるだけ、できるだけ、機嫌よく。 
 
力を発揮するためにも、
目標を達成するためにも、
目の前の人と仲良くするためにも、
そして自分が幸せな気持ちでいるためにも、 
  
にっこり、が、
一番大切なことだと思ってる。 
 
それを、
息子も大事にしてくれていることが、
私はとても嬉しい。  
 
今日、あなたも、にっこり、
過ごしてくれていますように。 
 
そしてまた会えたときも、
にっこりで、いれますように。