☆地球温暖化


 地球温暖化とは、大気圏に二酸化炭素などの温室効果ガスが放出されることで大気圏の温室化が進み、地球上の平均気温が上昇する現象のことである。地球上では、過去100年間で平均気温が0.74℃上昇し、直近の10年を振り返っても19世紀半ば以降では最も暖かい状態が続いている。

 温暖化の背景としては、主に産業化の進展による温室効果ガスの放出が考えられる。この点、国連の専門機関である「気候変動に関する政府間パネル」は、2007年に、工場からのばい煙や自動車の排気ガス、あるいは火力発電所における石油や石炭などの燃焼に伴う人為的な温室効果ガスの排出に温暖化の原因があることを明らかにした。

 では、地球温暖化対策を考えるにあたってどのような問題に注意すべきであろうか。

 第一に、東京において産業部門での温室効果ガス排出量削減に限界があることである。
東京は、日本の心臓であり、その動きを止めることは、日本にとって大きなダメージを与えるからである。
 第二に、都市部におけるヒートアイランド現象も深刻な問題である。この現象で都市部の気温が上昇することにより、洪水や河川災害を伴うようなゲリラ豪雨や、熱中症患者数の増加が懸念される。したがって、これからは都市の機能を維持させながら、温室効果ガス削減に取り組む姿勢が求められるであろう。

 以上の問題に対し、特別区は、どのような方策をするべきか。以下に二点挙げる。
 第一に、経済活動を阻害することなく、すでに排出された二酸化炭素を吸収するために、スペースをうまく利用した緑地化を推進する政策が行政に期待される。具体的には、公共施設や企業、商店街の建物の側面における「緑のカーテン」作りである。「緑のカーテン」とは、板橋区が全国にさきがけて始めたものである。夏の日差しや外からの熱を軽減し、室温の上昇を抑えてくれるので冷房の使用を控えるようになり、省エネルギー効果が期待できる。また、建物に熱をためないのでヒートアイランド現象の緩和が期待できる。さらに小中学校や公園の芝生化まで拡大すれば、児童・生徒の安全や市民の健康増進まではかれて一石二鳥である。以上の政策の実現のためには、行政のみならず、市民ボランティアの協力と企業等の協賛や寄付が必要であるため、その協議システムの構築をするとともに企業側にインセンティブを与えるため、協力した企業に課せられる事業税を軽減することが行政には求められる。

 第二に行政に期待されることは、二酸化炭素の今後の排出量を減少させるための政策である。具体的には、通学や通勤での自転車の活用を図り、サイクリングロードや自転車専用レーンの設置を促進すること、廃棄物の焼却処分量を減らすためにレジ袋削減運動を促進することが挙げられる。それとともに環境に優しい人づくりも重要となってくる。そのために行政は省エネのノウハウを無料でアドバイスするなど環境教育を進めていくべきである。例えば、政府から環境モデル都市に選定された千代田区では、『地域連携による「まちづくり」「ひとづくり」』というキャッチフレーズのもと、区民・大学・企業で組織される千代田エコシステム(CES)推進協議会と連携した環境配慮行動の促進と環境教育の充実を図り、環境に優しいひとづくりを行っていくとしている。私は、千代田区のように行政が積極的に削減に取り組み、それが地域の住民の目にとまるようになれば、区民一人一人の環境意識の向上につながっていくと思う。
以上


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