土井が浜遺跡に行ってきました | 佐ノ川谷藍子-ceramic works blog-

佐ノ川谷藍子-ceramic works blog-

関西・大阪の陶芸家 佐ノ川谷藍子(さのがわやあいこ)のblog
Aiko Sanogawaya's blog from Osaka,Japan.

お気に入りに入っている「行きたい場所」のひとつ。
山口県の土井が浜遺跡(人類学ミュージアム)のHPを何気なく開くと…この土曜日にビックイベントのお知らせ✨

シンポジウム「人類学から迫る古代長江下流の稲作農民」

申し込めば一般聴講可能゚+。:.゚(*゚Д゚*)゚.:。+゚


{0784AC70-531E-41F7-AE0F-BD068CE0F65E}


新幹線や高速道路を調べると…山口県って東京くらい遠いのね…申し込みついでに土井ヶ浜人類学ミュージアムに電話して聞いてみました。

シンポジウムの会場は下関駅近くなのですが、博物館や近隣の遺跡へはバスの本数も少なく車が必要とのこと☆

フェリーを調べると、地元の大阪・泉大津港から関門海峡の九州側・新門司港(下関まで30分・土井が浜まで二時間)まで瀬戸内海を抜ける航路がありました船 これならマイカーで行ける!

泉大津から夕方のフェリーにマイカーと乗船、フェリーで一泊して翌朝 新門司港に上陸しました。





土井が浜に向かって響灘の絶景が続く海沿いの道路を北上していると、中之浜遺跡の看板を発見!

その場でググるとこちらも弥生時代のお墓群のよう。看板とGoogleマップで探すと、現代の墓地の裏手にありました。


{FCDD9BC3-BA8C-4891-9C27-1DC880887759}

{B30A0519-B665-4FBC-9501-3A9D4FDA1DFC}




「銅剣を埋葬した土壙墓」「左手を埋葬した壺棺」など被葬者それぞれのストーリがイメージできるプレートがあり、思いのほか長居できました。


あと数十キロ先の土井が浜人類学ミュージアムへ気分が高まります✨

その開館時間までまだ間があるので、現在の中之浜にも行ってみました。







コバルトの流れ 湯呑み
https://www.iichi.com/listing/item/1093635


土井が浜遺跡では、石棺と一緒に弥生人骨(精工なレプリカですが本物もあります)がドームに覆われ展示されています。


{D7DF709E-0E11-41AB-8AF6-7766C3D282E1}


砂浜の丘陵地に同じ方向、海を向いて葬られた人々。





貝輪を腕にいくつもつけたまま葬られた人、骨にまで達した矢じりが残る人、出産の際に乳児と共に亡くなり共に葬られた母子、


また風化が進んだ骨を再び集めた複数体(集骨)もあり、川原石のように積まれた頭がい骨がやはり海を見つめています。


{4A3E3A06-B71E-49D0-B2BF-4024E7BFD559}


渡来系の顔つきや独特の葬られ方から、
さまざまな研究の対象になっている土井が浜人骨。


{D61E5878-5A78-4E0C-9761-A5BF462C2661}


潜水と投網の漁業、
貝でつけた紋様の残る土器、
厚く葬られたシャーマンとみられる女性の存在、
南方との交易で得た貝から作った貝輪。





いくつかの人骨には現代でも
海女やダイバーに見られる耳の骨の異常があります。

{5596643D-95A5-475C-BF98-84695C38D314}



現在の土井が浜へ。


{5CCCF8DE-CBE8-4833-8755-576130A15CDA}


{04FC1D9E-C27F-466E-A895-9C94129A8993}
流水柄のマグ
https://www.iichi.com/listing/item/1093634


ホテルの近くの角島と元乃隅稲荷神社にも行ってみました。


{B103577F-1E18-424B-8C3A-5203F60E131B}



{4A712ED9-39F4-46ED-B932-78CA04C11F8A}






翌日は下関まで戻ってきてまる一日シンポジウムを受講。

撮影禁止でしたが、座った場所が先生席のちょっと後ろで、休憩時間のディスカッションなども盗み(?)聞いてその深い考察や意外な視点にうっとり✨



{2FA0FF6C-9B31-4E6D-8057-668CB3F2D669}


動物(家畜)考古学や医療分野から古代人骨を分析する先生方の研究発表。
中国で見つかった大量の新石器時代の人骨の特徴や分析と
そこからみえた初期稲作民 個々人のライフヒストリー、

調査から見えた狩猟採集→稲作畜産=人口爆発→✨文明✨の方程式。

私も受講前は
水田稲作をする渡来系弥生人の急速なスプレッドと戦闘の痕跡=春秋戦国時代の中国からの大量避難民?イメージだったのですが、

渡来人が少なくても、同じ島国イギリスの農業伝播と人口爆発の研究から、水田稲作で食料事情で優位になったことから起きた人口爆発で転換・説明可能なことなど、

もうご馳走講演の数々でお腹いっぱいヽ(*≧ω≦)ノ


{2A29D4E5-BD5F-4449-A001-6F9792DD0CD2}


稲作と人類の関係はご飯茶碗を作ってる自分としてはこの機会に是非深めたい知識だったのです。

また各地の文明で
農作のはじまり=戦争のはじまり
なので、戦史好きにもたまらない…✨(水や土地争いと作業におけるリーダーや富の誕生から)

講演と講評くださった先生の進めているプロジェクトの展開から目が離せません☆


http://www.inasaku-w3-kanazawa-u.com/index.html

http://doigahama.jp/koufulin/index.html


{17E416FF-BEE0-4D90-9A44-1F6E6644DE02}




そうそう古戦場(海戦)めぐりもできました!

関門海峡ではWikipediaを開きながら、壇ノ浦の布陣と出港場所、時系列ごとの位置チェック。
安徳天皇の赤間神宮にもお参りしてきました。

角島のボランティアガイドさんから
思いもかけずロシア・バルチック艦隊との日本海海戦の話も聞けたり☆そう言えば沿岸




{AD95C6C8-7B8E-4F0D-BCE5-36179E77E989}

{50273EC6-089D-405C-9D6F-2D8716DEFE7D}


最終日は
響灘の弥生人埋葬の特別展を開催中⬇
弥生人の男性にはメジャーだったらしい顔の刺青の重要資料が出た下関市の綾羅木遺跡(綾羅木考古博物館)と、




{E9447010-B5BB-48E9-98F3-CE6B69F1AB11}
{1323211D-6FF6-41FE-B3C9-6C789C44B1DC}



関門橋を渡って
海の正倉院、九州 沖ノ島の特別展中の九州国立博物館にも行ってきました。

沖ノ島の国宝の鏡、四つも観れました✨水の祭司場をかたどった巨大埴輪も素晴らしかったです(●´ω`●)




{C48CE01E-BB31-416F-ADE6-FEC11EF51413}

{8D4A24FF-FC5D-4C5A-AA66-A6FEAB050114}



梅の美しいころの太宰府天満宮、天神さまにもお参りできました。

まあそのせいで隣の九州国立博物館と合わせて 混みすぎ&周辺大渋滞で、
博物館は特別展しか観られなかったんですが…




{2787385B-0954-4B70-B80C-0DCFBB955EC6}


夕方、新門司港からフェリーに乗船波
翌朝 大阪・泉大津港へ帰ってきました。



長距離フェリーは修学旅行以来だったのですが、めっちゃ気に入りました✨船旅(≡゚∀゚≡)イイ!!


基本トラックの運ちゃんがほとんどで
みなさん部屋着でうろちょろしてるんですが、
豪華客船ぽいサービスも取り入れられていて、ドリップコーヒーやスイーツもお手ごろで本格派、

日曜日の便ではフルートのコンサートもあり、陸の電波を拾うWi-Fiで町の沖を通る間はネットも出来ました。

個室部屋は狭いビジホ☆テレビや洗面台、ティファールもありキレイ✨





なにより露天風呂が最高でした( ´Д`)=3 動く絶景で海風が気持ちイイ

またレストラン(定食屋)のカンパチのお刺身が旅行中一番美味しかった‼
下関のフグ刺や市場のお鮨もとても美味しかった中でです寿司

{8ADD2CBC-1D1A-4A3E-8EC6-81EC3FBA0860}



ちょっと時間はかかるけど船旅すっごく楽かも✨
またの遠出の機会が楽しみです。