『世界怪奇実話集』 | 手当たり次第の本棚

『世界怪奇実話集』

怪奇実話ってなんだろうといえば、そうだな。
日本でいうなら、「お岩さん」にまつわる話だろうか。
お参りしないと芝居などを上演した時にたたりがある。実際、役者の誰それがこれこれいう目にあった、と実名入りで紹介される、ほんとにあった怖い話というやつね。
本書は、その海外版といっていい。

海外で幽霊屋敷といえば、やはりイギリスがなんといっても有名だし、幽霊船の話というのもいろいろあるそうだ。
といっても、あまり日本語でその実例を読む事がない。
海外ホラーのファンなどで、そういう不満をもし抱いている人がいるなら、本書はおすすめといえるだろう。
(出版社がもうないので、古書店で探さないといけないけれど)。

幽霊屋敷や幽霊船、そして初期の飛行機に出没した幽霊、また、しばしば幽霊となって出現することで有名な、支配者たちの幽霊まで、ほぼ網羅しているからだ。

日本のものとはどこらへんが共通で、また、どこらへんが違うのか、比較するのも面白いかもしれない。


世界怪奇実話集 (現代教養文庫―ワールド・グレーティスト・シリーズ)/N. ブランデル
1988年11月30日初版