『戦国魔神ゴーショーグン』から『ポケットモンスター』まで。脚本家首藤剛志氏のご冥福をお祈りします | 手当たり次第の本棚

『戦国魔神ゴーショーグン』から『ポケットモンスター』まで。脚本家首藤剛志氏のご冥福をお祈りします


首藤剛志といえば、今ならポケモン、さかのぼっては銀英伝やミンキーモモなどの人気作品を次々に手がけてきた人なのだが、私にとっては『戦国魔神ゴーショーグン』と『永遠のフィレーナ』なのだ。
ゴーショーグンはその筋のマニアが身もだえして喜んだカルト的なスパロボアニメだ。
小粋でちょっとコミカルで、そして私の記憶が確かならば、ライトノベルのはしりのひとつ、アニメージュ文庫の初期に収録されたノヴェライズ作品のひとつなのだ。
ノヴェライズ自体を氏が手がけており、続編、続々篇は、どんどんアニメ作品からはなれ、SFのライトノベルになっていった、小説としても面白いシリーズだった。
なにしろ、ちょっと不思議系のスパロボを中心にしていながら、キャラクターが小粋でコミカル。
その背景は、ノヴェライズの方でさらにしっかり語られていた。
主人公たちだけではなく、敵方の三人もユニークで面白かったのが思い出深い。
(ブンドルの人気がとっても高いのだが、個人的にはケルナグールが好きだった。うん)。

そして、『永遠のフィレーナ』はアニメージュ誌上に初めて連載されたオリジナルの小説であって、女性であることを隠しながら剣闘士として戦ってきたという出自のヒロインが、冒険に踏み出すというコンセプトの物語だ。
小説になると、どことなく独特の暗さも出てくるのだが、キャラクターには必ず、それを跳ね返す強さがあったと思う。

アニメも好きだが、私はやはり本読みだから、どうしてもこの二作品が一番親しみ深い。
まあ、若かりし(というか、幼かりし?)日をいろどってくれた大切な作品のひとつでもあるしね。

その氏が、昨日駅の喫煙所で倒れ、搬送先の病院で緊急手術というニュースを産経新聞が報じた
GIGAZINE では本日午後、訃報が掲載されている。
享年61歳。
もっといろいろな作品を見てみたかったけれど、今は謹んでご冥福をお祈りする。


ポケットモンスター The Animation〈VOL.1〉旅立ち (小学館スーパークエスト文庫)/首藤 剛


戦国魔神ゴーショーグン (アニメージュ文庫 (N‐002))/首藤 剛志