【参加募集】動物が主人公の物語-『荒野の呼び声』 | 手当たり次第の本棚

【参加募集】動物が主人公の物語-『荒野の呼び声』

白と黒の犬

11月スタート!
秋が深まり、山野には、木の実草の実をたくさん見かけるようになってきた。
この実を食べるのは、冬にそなえる動物たち。
最近は、人間のせいでますます生活圏がせばまり、里に下りてきて迷惑がられることなども。
「だって人間が俺たちのごはんをとっちゃったんだろ。降りてこられたくなかったら、ごはんを返してくれ」
と、言うかどうかは知らないが……。

動物の物語を、語ろう!
そして、このテーマで一緒に語ってくれる人も、 募集する。
一応、参加条件はこんな感じ。

☆ 動物が主人公であること(または動物が主人公的であること)。動物の一人称でなくても良い。

☆ 1記事に1作品のみ。(何作も書きたい場合は、それぞれ別記事で)。

☆ 今回、写真集とノンフィクションは、除外する。あくまでも小説、絵本、漫画ということでやろう。

☆ この手の企画の醍醐味は、記事がつながっていくこと。参加記事は、どんどん相互にTBを!
※ 参加される方にひとつお願いです。TBポリシーは人それぞれだと思うが、この企画記事(相互)に限り、無条件のTBとしましょう。つまり、「コメントを強制」はしないということです。(一言コメントをほしいという気持ちはわかるが、本来は、TBはTB,コメントはコメントがグローバルなマナーだと思います)。気軽なTBということで、どうぞよろしく。なお、私はTBスパムに反対するものです(笑)。
まあ、私の企画なんで、私のポリシーでやってほしい、ってことだ。

☆ 動物と書きましたが、四足獣だけでなく鳥を含みます。霊長類を含みますが、今回、ヒトは除外とします。

☆ 記事の締切は設けません。好きな時に書いて下さい(笑)。

さて、企画の説明をしたところで、『荒野の呼び声』について。
この話は、たしか、小学生の時に、『学習』(あの雑誌だ)の付録で知ったのだと思う。
寒い、寒い、大地。
厳しい自然。
彼方の森を走る狼の群れ……。

昔はヨーロッパ、いや、世界中でそうだったのだろうけれども、狼と犬は、相互に混じり合っていたようだ。
狼と人が共に狩りをするようになって犬が生まれた、という話だし。
強い犬を作るために、雌犬を村はずれなどにつないでおき、狼の種をもらう。
そして雑種を産ませる、という事が行われたのだと。

うん、これは、馬などにもあったらしいが、やはり雑種は、強く頭がよい、と思われているのだろう。
(ほんとにそうかは知らないが)。

狩りに、そしてそりを引くために、強壮な犬が求められた土地では、この習慣が長く残っていたのだと思われる。

でも、そうやって生まれた犬たちは、
いや、べつだん狼の血を受けてはいなくても、いわば遠縁である狼たちの歌を聞きながら、人のために働くことを期待されている犬たちは、どんな事を思っているのだろう?
がんじがらめのしがらみから、抜け出したいとは思わないのだろうか。

もちろん、自由になればなったで、それは、
「保護してくれるものがいない」
ということだ。寝床も自分で探し、食べるものは自力でとらなくてはいけない。
敵からも、自分で身を守らなくてはいけない。
自由でいるということは、自由でない時には全く想像できないほど、厳しい生活のはず。

猟犬と狼の寓話は、イソップにもある。
イソップは、狼に、
「やはり首輪をつけるなんて俺にはできないね」
と、自由の価値のみを語らせたけれども。
ロンドンは、それ以上のことを、狼の声に耳を傾ける犬の姿に、見てとったのではないか。
そんな気がするな。

自由のメリットと、デメリット。
人と共にいることの価値と、不具合。
結局のところ、犬にとっても、それを選ぶのは、個犬それぞれの問題なのかもしれない。


ジャック・ロンドン, 海保 真夫
荒野の呼び声
岩波文庫