「琴巻っ!あとは頼んだ。」
そう言っていつものように監督は体育館をあとにした。
”たまには練習みてよ”と思いつつ
「はいっ!分かりました。任しておいてください!」
と言ってしまうわたしであった…。
早速、みんなに指示を伝えようと話しを始めるが、
一部のグループが騒がしい…。
あの板野まどか率いるグループである。
「はあ~( ̄_ ̄ i)」
ため息をついているわたしの側にその板野まどかがやってきた。
そうついこの間まで揉めていた経緯があるのだ。
わたしはまた何か因縁を吹っ掛けられるのかと思い思わず身構えた。
すると以外なことに
「そこ!静かにして!!キャプテンの言うことをちゃんと聞くっ!」
1年以外のみんなは驚いた顔をして近くの人同士で顔を見合わせた。
どうやらこの前の話し合いに一定の理解をしてくれたようだ。
(*^▽^*)
板野のフォローのおかげでわたしの話しをしっかりと聞いてくれるようになったのである。
「じゃあ、アップが終わったあと、とりあえず1年生は板野先輩の指示に従って練習…。」
「他はわたしについて来て…。」
一応、指示を終えると、何やら背中の方からジャージを引っ張られるような感触がするではないか。
ふと、後ろを振り返ると口を尖らせてアヒル口のようになっている舞の姿があった。
「わ、わたしは?…」
そうそう、忘れていたが、実は舞は選手としてバスケ部に入ったのではなく、
マネージャーとして入ったのだ。
わたしは舞を同じマネージャーの石田総子の基へ連れて行った。
石田はわたしと同じく3年生でロングヘアのメガネっ娘だ。
見かけに寄らず恋話が大好きな上、少しエロなのでわたしはちょっと苦手なタイプなのである。
石田は舞を見るや否や、いきなりハグをし始め、
「よろしくね。舞ちゃん♡」
舞は困った顔をしながらも
「よろしくお願いします。石田先輩。」
きちっと挨拶をした。
そう、舞は外面は非常にいいのである。
わたしに対して以外は周りに気づかいができる優等生なのだ。
舞がバスケ部で上手くやっていけるか心配だったが、少しホッとした。
しかし、それと同時に何かわからない複雑な気持ちがわたしの心を突いてくるのであった。