うわさの彼女 | Miyabi♡blog

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わたし、琴巻雅(ことまき・みやび)は17歳。京都の高校生です。

彼女は今井美優。

長身で手足の長いかわいい娘の名だ。

妹の舞に彼女ことをあれこれ聞くと、

ベッドの上で寝っ転がりながら

いつものようにうざったいものを見るかのように目を細め、

舞はこう答えた。

「あん? …あんまじゃべったことないけど、おとなしい娘だよ」

「目立たないっつうか、ワザと目立たないようにしてる感じ」

「そう言えば、中学ん時も同じクラスだったことあったなあ…」

「でもあんな感じじゃなかったかな?」

いやいやながら、舞はいろいろと答えてくれた。

わたしもいやいやだったけどね。



実は舞とこんな会話になったのは、

昨日、今井さんがわたしたちの前から逃げていくのを舞に見られていたのです。

そのとき舞はすごい剣幕でわたしのところへ駆け寄り

「みやび最低!」

「下級生いじめるなんて最低だ!」

「見損なった!」


と怒り始める始末。

わたしは舞がこうなったらわたしの言うことなんて聞かないと思ったので

「メグ説明してやって…」

と言うと待ってましたとばかりにメグが舞に…

「舞ちゃん。お姉ちゃんはいじめてなんかいないよ」

「それは舞ちゃんの誤解」


舞も他人の話しならおとなしく聞いている。

やっぱメグにまかして正解だったわ。っと思った矢先…


「お姉ちゃんは脅かしただけなんだよ!」



一瞬にして舞の顔は赤くなり、

ビックリマーク

わたしの顔は青ざめた…

「……あせる

このあとどうなったかはみなさんの想像におまかせするとして


そんなわけで冒頭の会話となったのです。


話しが戻り…



「あんなんじゃなかって?」とわたしが舞に聞くと

「明るくて結構人気ものって感じだった…ような…」

ようなって、何とも言えぬ曖昧さだ。

「人のことってあんま覚えてないっつうか、興味なんだよね」

「でも、あの背じゃん。いやでも目立っちゃうよね」


わたしが他の質問をしようとした時、舞が先に…

「あんた、あの娘バスケ部に誘うつもり?」


「えっ!」まさに図星だ。


「やめた方がいいんじゃない…」

「今井さんってわたしといっしょでメンタル弱そうだし…」

わたしといっしょと言うところが引っかかったが、思わず出そうになった

言葉を飲み込んだ。


わたしはその場でしばらく考えた。

「……」

沈黙が続く…。


その沈黙を舞がしびれを切らせたかのように、

「ブッ、ブ~!」

「時間切れ~」


わたしは舞の部屋を追い出された。

まだ聞きたいことあるのにな~。


でも、少し彼女のことが見えた気がした。

「よし!また明日だ!」