ひえつき節 | 箏曲 菊温会

箏曲 菊温会

琴と三味線をしています♪ 13,17,20絃♪ **お気軽にお問い合せ下さい**
***菊温会ホームページ*** http://www.koto-kikuonkai.com/

今度、お箏で日本民謡集を演奏します

何となくそのまま過ぎてしまいそうでしたが
民謡の歌詞にちょっと興味が・・・

佐藤義久さんの「日本民謡集2」に
載っている民謡の歌詞を
確認してみました


『稗搗節(ひえつきぶし)』
庭の山シュの木 鳴る鈴かけて ヨォーホイ
鈴の鳴るときゃ 出ておじゃれョー

鈴の鳴るときゃ 何と云うてでましょ ヨォーホイ
駒に水くりょと 云ういて出ましょ

おまや平家の 公達ながれ ヨォーホイ
おまど追討の 那須の末ョー

那須の大八 鶴富捨てて ヨォーホイ
椎葉たつときゃ 目になみだョー



男性(那須大八朗)が
「庭の山椒(サンシュユとも)に鈴をかけて
鳴らすから、鈴が鳴ったら出てきておくれ」
というと
女性(鶴富姫)が
「鈴が鳴ったら家のものに何と言って
出ればいいのかしら、
そうだ、馬に水をやってきますと言って
出ましょう」
姫のおつきが
「あなたは平家のお姫様で
相手は、源氏の命令であなたを討伐にきた
那須家の人ですよ」

那須大八郎は、国に戻らなくてはならなくなった
鶴富姫を置いて、椎葉村を出る時には
涙を流していました


平家の姫と源氏の武将が恋に落ち
一生を添い遂げられず国に戻った
という悲しい恋のお話です

民謡って楽しい話を軽快に唄うものが多いと
思っていたのですが、
ひえつき節は、違うようです
稗を搗きながら唄う仕事唄なのに
悲しい歌詞なのですね

でも、特徴的な間の手も入っていて
面白いです

日本でも昔は焼き畑で稗や粟、麦を作って
いたそうです

焼き畑って聞くとラオスを思い出します
ラオスは焼き畑、現在進行形です
全部焼いちゃうから
虫とか害虫はいなくなるんですよねぇ
それがいいのかどうかは色々ありますが
草取りとか水の管理とかは
あまりしなくて割と手がかからないようです
効率は悪いんです
・・・ま、いろいろあります

そして、この合いの手も
ラオスのナンバック地区の村で
唄っていた唄に似ていて
「○○○○ ハァーイヤ」だったかな?
思い出しました

色々似ているんですね


話を戻しますと
ひえつき節の話の内容は
実際にあった伝承のようです

那須の大八郎が
椎葉村の環境やそこで協力して暮らす人々に
共感して、討伐をせず
一緒に暮らしていたとか

民謡の歌詞で歴史的な事が
色々と分るって
凄い事だと思いませんか?