2015年10月22日 Text by たろ a.k.a. TAROMETAL
10月19日の21時からWOWOWで放送された「BABYMETAL WORLD TOUR 2015~巨大天下一メタル武道会~」を観ての感想DEATH!(Twitterでのつぶやきを加筆・修正。)
BABYMETAL公式Twitterより。
【圧巻の25,000人!】
一番印象に残ったのは何と言っても会場の様子。25,000人のオール・スタンディングは実に壮観。当時会場の中にいた時は、これほどのものとは実感できなかった。オーディエンスが一斉にFOXサインを掲げ、一心不乱にステージを注視し、拳を振り上げ、ジャンプし、絶叫する様は、まさしくメタル。「メタル武道会」の名に恥じない非日常の世界がそこにはあった。RoRで発生した巨大サークルも圧巻。
【WORLD TOURの見せ方が上手い!】
WORLD TOURの見せ方が上手かったと思う。「巨大天下一メタル武道会」のIDZを音源にして各国でのパフォーマンス映像をシンクロさせるというアイデアが良い。BABYMETALのライブは文字通り絵になるので、余計な演出は不要。シンプルにステージを見せれば魅力は十分伝わる。過去のサマソニ映像が強制挿入されてすべてが台無しになった感がある「新春キツネ祭り」の時とは雲泥の差。WOWOWは本気を出せばいい仕事をする。
ちなみに3人のインタビュー映像を入れなかったのも良い。これまた「新春キツネ祭り」の時はインタビュー映像が挟まれて、それはそれで貴重な映像だったのだけれども、BABYMETALのライブ感に水を差すことになったのも事実なわけで……。
【貴重な海外のライブ映像!】
フルではないにせよ、READING & LEEDSとGOLDEN GODSのステージを観れたのはラッキー。まさかこの映像を流してくれるとは思わなかった。余談だが、できることならREADING & LEEDSのパフォーマンスはすべて公式に映像作品としてリリースしてほしい(ついでに去年のSONISPHEREも)。
GOLDEN GODSの最後、BABYMETALとDragonForceの面々が手をつないでお辞儀をする時、SU-METALが「せーのっ!」と掛け声をかけていたことを初めて知った。
【圧巻のダンス!】
会場にいた時はステージがあまりに遠くてわからなかったが、YUIMETALとMOAMETALのダンスが凄い。キレキレなどという言葉では生ぬるい。なかでも"ギミチョコ!!"のダンスは圧巻だ。スピード、ダイナミズム、そして「止め」の動作。すべてがハイレベルでもの凄い迫力。より一層アスリート度が増している。1月の「新春キツネ祭り」からわずか5カ月の間に、またしても急激な進化を遂げた。
【"おねだり"でのポジションチェンジ?】
"おねだり大作戦"の「One for the money, Two for the money...」というパートで、YUIMETALとMOAMETALがポジション・チェンジしたのを初めて見た気がする。今までもそうだったっけ?
【IDZの語りは新録?】
IDZの冒頭の語り部分。このセリフがSU-METAL自身の声によるものであることは周知の事実だが、セリフの言い回し(というか、抑揚のつけ方や発音など)が今までとは若干違っていた。もしかしたらこの幕張公演用にわざわざ収録し直したのかもしれない。
【SU-METALのスイッチが入った瞬間】
"ヘドバンギャー!!"のSU-METALはこの日一番の出来だったと思う。歌いっぷりもその表情も明らかにそれまでとは異なる雰囲気で、完全に覚醒してスイッチが入った歌いっぷり。有無を言わせぬ迫力があったと思う。
【笑顔が止まらないMOAMETAL】
RoRのオープニング。フラッグを手にしたSU-METALとYUIMETALはクールにキメているのに、MOAMETALはどうしたって笑顔になってしまう。一瞬真顔になるのだが、すぐに口元と目元がほころんで可愛らしい笑顔に。そんな様子がなんとも微笑ましい。
【SU-METALが音程を外した?】
RoRでSU-METALの音程が若干不安定になる場面が何回かあったような気がする。神がかった圧巻の"ヘドバンギャー!!"で消耗したのか、その後のIDZから少しバテ気味というか、やや覇気が感じられないような気がした。暑かったせいもあるかもしれない。あるいは常に全力ではなく、力の抜きどころを覚えて上手く強弱をつけていたということなのだろうか。いずれにしても「まるでCDを再生しているよう」と言わしめることが多いSU-METALなだけに、一瞬でも不安定になったのは珍しいことだ。とはいえ、音程を外したり声が裏返ったりというハプニングはライブにつきものだし、むしろそういった細かなことが色々と起きるのが当然ではあるのだけど。
【SU-METALの声が引っ込み気味?】
全体的にSU-METALの声が抑え気味に編集されていた気がする。観る者・聴く者を圧倒してねじ伏せるだけの迫力にやや欠けていたと思う。当時会場でSU-METALの声のパワー不足を感じた記憶はないから、これはおそらく放送用に調整した結果なのだろう。もっとも、テレビなのだからそこまでの迫力を求める方が筋違いなのかもしれないが。
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新曲「あわだまフィーバー」と「ちがう(仮)」が放送されなかったのは仕方なし。早く正式に映像作品化されてほしいものだ。